世界初のAI宇宙シミュレーターは、知るはずのないことを知っている

A newly discovered planet-like object, dubbed "Sedna" is seen in this artist's concept released by NASA March 26, 2014. Astronomers have found a small icy body far beyond Pluto and the Kuiper Belt, a discovery that calls into question exactly what was going on during the early days of the solar system. REUTERS/NASA/JPL-Caltech/Handout via Reuters (OUTER SPACE - Tags: SCIENCE TECHNOLOGY) ATTENTION EDITORS - THIS PICTURE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY. REUTERS IS UNABLE TO INDEPENDENTLY VERIFY THE AUTHENTICITY, CONTENT, LOCATION OR DATE OF THIS IMAGE. THIS PICTURE IS DISTRIBUTED EXACTLY AS RECEIVED BY REUTERS, AS A SERVICE TO CLIENTS. FOR EDITORIAL USE ONLY. NOT FOR SALE FOR MARKETING OR ADVERTISING CAMPAIGNS - GM1EA3R08RF01
"It’s like teaching image recognition software with lots of pictures of cats and dogs, but then it’s able to recognize elephants."Image: REUTERS/NASA/JPL
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大いなる謎

数十億年前へ時間旅行することはできないため、少なくとも現時点では不可能です、宇宙がどのように進化したのかを理解する最善の方法の一つは、コンピューターシミュレーションを作成し、現在判明している知識を用いてそのプロセスを再現することです。

これまでのシミュレーションの多くは、「低速だが精度が高い」か「高速だが精度が低い」のいずれかに分類されます。しかし現在、国際的な研究チームがAIを開発し、学習させていないパラメーターを変更した場合でも、宇宙の高精度な三次元シミュレーションを素早く生成できるようにしました。

「猫や犬の写真を大量に使って画像認識ソフトを教えたところ、象を認識できるようになったようなものです」と研究者のシャーリー・ホーはプレスリリースで述べています。「どのようにしてそれが可能になっているのかは誰にもわかっておらず、解明すべき大きな謎です。」

高速なシステム

研究者らは、この宇宙シミュレーターの作成方法を、研究の中で詳述しています。この研究は学術誌『米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)』に掲載されました。その名称は、Deep Density Displacement Model(D3M)です。

目標は、D3Mに重力が宇宙を形作る仕組みをモデル化させることでした。そのため、研究者らはまず、高精度な既存の宇宙シミュレーターによって作成された8,000件の重力に焦点を当てたシミュレーションをシステムに学習させました。

既存のシステムでは、1回のシミュレーションに300時間の計算時間が必要でした。しかし、データで学習した後、D3Mは辺の長さが6億光年の立方体の宇宙のシミュレーションを、わずか30ミリ秒で生成できるようになりました。そのシミュレーションは、1回のシミュレーションに数分かかる既存の「高速」システムよりも高精度でした。

知識のギャップ

しかし、D3Mで最も注目すべき点は速度ではありません。

最も注目すべきは、研究者が学習データに含まれていないパラメーターを変更した場合でも、宇宙がどのように見えるかを正確にシミュレートできる能力です。例えば、研究者らは宇宙における暗黒物質の割合を調整でき、D3Mはその宇宙の進化を正確にシミュレートできました。

この奇妙な挙動は、ホーのような物理学者が宇宙の進化をより深く理解する助けになるだけでなく、コンピューター科学者がAIをより深く理解する助けになる可能性も秘めています。

「機械学習の研究者にとって、このモデルがなぜこれほどうまく外挿できるのか、つまり猫や犬を認識するだけでなく、なぜ象にまで外挿できるのかを探るための、興味深い遊び場になり得ます」とホーはプレスリリースで述べています。「科学と深層学習の間には双方向の道があるのです。」

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