AIを使って世界のトイレを調査しました。そこから分かったこと

A toilet is seen in Taba Protectorate at the new road to Saint Catherine, in the Sinai Peninsula, south of Cairo, Egypt December 12, 2018. Picture taken December 12, 2018. REUTERS/Amr Abdallah Dalsh - RC1EC99D1C50
Almost a third of the world’s toilets are unrecognisable to artificial intelligence.Image: REUTERS/Amr Abdallah Dalsh
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ビッグデータの時代は過去5年から10年にわたって展開し、エンジニアやビジネス関係者は、データ量と転送速度の双方に対応する新たな技術の開発に注力してきました。

今日、データは膨大な量で生成されています。この時代が進むにつれ、データは、それを活用できる企業にとっての単なる商品ではなく、世界で最も複雑な社会課題の一部を解決するための重要な原動力と見なされるようになりました。

大量の公開データやオープンソースの人工知能をすぐに利用できる今、企業にとっての課題はデータへのアクセスではなく、競争力と革新性、社会貢献を保つためにデータを創造的に活用する方法にあります。

公開データを活用し、社会課題への理解を深める

昨年の夏、データと人工知能を用いて組織の世界理解を支援するAlto Analyticsは、世界的な水危機への理解を深めるという課題に取り組み、「世界トイレの日」を支援しました。

当社のデータサイエンスチームは、次の公開データを利用しました:Dollar Street。これは、世界各地の実在する家族の生活環境や持ち物の画像を収入階層別に掲載し、不平等への理解を促すためにGapminderが開発したプロジェクトです。

Altoのアナリストは、AIを活用したトイレの画像認識分析をモデル化しました。これにより、世界規模で不衛生な衛生環境の影響を受ける人々の数を、より正確かつ迅速に自動で把握することを目指しました。Altoのチームは、所得階層に応じてアルゴリズムがトイレを識別できるかを検証するため、Dollar Streetに掲載されたトイレの画像971点を処理しました。その後、世界人口のうちどの程度が安全でない衛生設備を利用しているかをより明確に把握するため、Gapminderのツールを使ってデータを分析しました。

その結果、gapminder.orgで公開されている画像に基づくと、世界のトイレの30.3%は人工知能で認識できないことが分かりました。Altoのアナリストは、AIの結果と家族の所得に直接的な相関があることを確認しました。アルゴリズムは低所得世帯のトイレの識別に苦戦したのです。

世界のトイレの30%はGoogleのAIに認識されないImage: Alto Analytics

次に当社のデータサイエンスチームは、アルゴリズムが認識した画像と認識しなかった画像を集め、所得階層別に結果をグラフ化しました。これにより、データ中の最貧困層の家族は、トイレだと識別できる設備を利用できていないことが明らかになりました。

月収が122.50ドル未満の家族のトイレはAIに認識されませんでした。こうした家族は世界人口の30.3%、22億2,000万人に相当します。

収入が245ドル未満の家族のトイレが認識される確率は50%でした。こうした家族は世界人口の47.8%、34億2,000万人に相当します。

当社の分析はGapminderのデータセットのみを用いましたが、こうした推計値は国連のデータとほぼ一致しています。Altoの知見が有用なのは、GapminderやDollar Streetに新しい写真が絶えずアップロードされるため、リアルタイムで更新できる点です。これにより、世界各地の安全でない衛生環境を評価する自動化されたリアルタイムの手法が実現します。

公開データの活用が重要な理由

この取り組みは、オープンデータと人工知能が有力な知見をもたらし、企業や組織が私たちの暮らす世界を理解して、世界規模の社会変革を生み出す助けとなることを示しています。

公開データの普及とデータ所有権に関する権利意識の高まりを通じて、データが誰もが利用できるものになるなか、組織はデータ戦略に資源を割かなければなりません。

最高経営責任者は、データと人工知能を責任ある形で活用し、知見を引き出す方法を確立する必要があります。それにより、企業は自組織だけでなく世界の人々にも意義ある変化をもたらせるようになります。

Altoがこのシンプルな分析で明らかにした知見は、デジタルトランスフォーメーションの途上にあるかどうかを問わず、あらゆる組織がオープンテクノロジーから価値を生み出し、データを創造的に活用して世界に良い影響を与えられることを示しています。

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