在宅介護ロボットから渋滞を回避するアプリまで:AIが切り開く新たな世界

Robot Shuttle, a driver-less, self driving bus, using software developed by Japan's internet commerce and mobile games provider DeNA Co., drives past during an experimental trial with a self-driving bus in a community in Nishikata town, Tochigi Prefecture, Japan September 8, 2017.
AI has the power to benefit all of humanity - but only if we use it well.Image: REUTERS/Issei Kato
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一見すると、人工知能(AI)の考え方は単純です。人間が担うことの多い作業をコンピューターに行わせ、より効率的かつ正確に実行したり、イノベーションを促したりすることを目指します。AIに適した作業には、意思決定だけでなく、人間らしさを象徴する行動の一部、すなわち視覚による認識や音声認識も含まれます。AIの本質は、環境を認識し、特定の目標を達成するために行動することです。

自動運転車は、現実社会におけるAIの可能性を示す事例です。この新技術は、車両などの資産を保有する必要性を減らし、交通の流れを最適化し、燃料を節約することで、移動をより効率的にできる可能性があります。運転席に人間が座る代わりに、センサーが周囲の状況を把握し、AIを搭載したコンピューターが安全かつ効率的に目的地まで車両を走行させます。

ロボット工学も有望な分野です。自動化された製造システムは何十年にもわたり、精度を高めながら組み立て作業を行ってきました。しかし、ロボットやコンピューターが自律的にほかのロボットを編成し、作業をさせることは可能でしょうか。生産工程を停止し、より良い方法に再編成する権限を委ねることはできるでしょうか。

そして、家庭用ロボットもあります。高齢化が進む国々では、高齢者の介護にかかる費用が増しています。トヨタや日立をはじめとする多くの企業が、一人ひとりの習慣や健康状態に応じた介護方法を学習する試作機を開発しています。家庭用ロボットを支える技術は、多くの点で自動運転車の技術と似ています。状況を把握し、それに応じて行動するのです。

Image: ロイター/ピーター・ニコルズ

企業が大量のデータを分析し、収集・利用する情報を決める作業から人間を外す方法を模索するなか、ビッグデータとAIの融合が進んでいます。何を読むか、何に注意を向けるかを決める際、人間の偏りは非常に大きくなりがちです。経験や文化、訓練の影響で、私たちは問題の特定の側面に注目し、ほかの側面を見落とします。何十年もの間、私たちはコンピューターで情報を処理してきましたが、どの情報を集めて利用するかをコンピューター自身に決めさせることはありませんでした。

AIは、ビジネスやそれ以外のさまざまな目的に活用できます。たとえば、米国の自動車サービス企業INRIXは、クラウドベースのAIシステム「Autotelligent」を開発しました。このシステムは、人の運転習慣を学習して好みのルートを割り出し、移動を予測します。また、カレンダーの情報を確認し、利用者の予定にイベントを追加します。運転者がいつ、どこへ行く必要があるかを把握すると、2億7,500万人のユーザーのデータに基づいて交通状況を分析できます。そこから、最適な出発時刻を提案し、到着時刻を調整するほか、食料品やガソリン、電気などを補給する必要がある場合の選択肢も提示します。このアプリは先回りして機能し、利用者は事故、警察の活動、道路上の危険を報告できます。運転者は、通行止めやその他の交通問題について、アプリから地図に関する情報を直接送ることもできます。

一方、インド企業のGreyOrangeは、倉庫の生産性向上を支援するAI搭載ロボットを2種類開発しました。Butler(バトラー)と呼ばれる1台目は、棚から1時間に400~500個の商品を取り出せます。人間の場合は1時間に100~120個です。2台目のSorter(ソーター)は、配送センターで出荷する荷物の仕分けを自動化します。同社によると、すでに導入済みのロボットは、1日あたり最大300万個の荷物を仕分けできる可能性があります。

AIの活用は新興市場に大きな影響を及ぼす可能性があり、とりわけ、数十億人に上る中低所得層の消費者を対象とする企業にとって重要です。UAE Exchangeはアラブ首長国連邦を拠点とし、主に送金、外国為替、請求書支払いのソリューションを提供する企業です。同社は顧客を支援するため、バーチャルアシスタントのZOEYを導入しました。企業のウェブサイトやFacebook Messengerなどのソーシャルメディアを通じて24時間365日利用できるZOEYは、ブランドと顧客を結ぶ主要なコミュニケーション手段となる可能性があります。

インドだけでも、交通事故で1時間に17人が死亡しており、車両事故は1日に1,214件発生しています。複雑な医療プロセスが手作業で管理され、小さなミスが壊滅的な結果につながる例も報告されています。AIには、こうした現実の問題を解決し、社会の多くの人々に大きな恩恵をもたらす力があります。新たな技術の可能性はどのようなものであれ不安を引き起こしますが、うまく活用すれば、ビジネスや人類全体に新たな可能性をもたらすでしょう。

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