この未来学者がAIに仕事を奪われることを恐れない理由

A Buddhist monk looks at a 'robot priest' wearing a Buddhist robe during its demonstration at Life Ending Industry EXPO 2017 in Tokyo, Japan August 23, 2017. REUTERS/Kim Kyung-Hoon - RC1FF4004300
Ray Kurzweil sees the future as more nuanced.Image: REUTERS/Kim Kyung-Hoon
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テスラのイーロン・マスクやフェイスブックのマーク・ザッカーバーグといった人物が、その潜在的なリスクと恩恵を公の場で言い争うようになれば、その話題が注目を集めていることがわかる。今回、マスクは、各国がAIの優位性を競い合うため、人工知能が第三次世界大戦につながるのではないかと懸念していると述べた。一方、ザッカーバーグは、そうした破滅的なシナリオを「無責任」と呼び、AIについて楽観的だと語っている。

しかし、別のテクノロジー界の先見者は、未来をもっと多面的に見ている。作家で、Googleのエンジニアリング部門責任者でもあるレイ・カーツワイルは、長い目で見れば、AIは害よりもはるかに大きな恩恵をもたらすと考えている。潜在的な欠点があるとしても、コンピューターが人間の知能を超える日を歓迎している。それは「シンギュラリティ」とも呼ばれる転換点だ。2008年に、世界を変えるテクノロジーに焦点を当てる研究機関、名も実態にふさわしいシンギュラリティ大学を共同設立したのも、その考えが一因だった。長年にわたり未来を見通してきた彼に、AIをめぐる議論について、そして、私たち皆を待ち受ける未来について話を聞いた。

フォーチュン:テクノロジーの変化の速さは、あなたの予測どおりでしたか?

カーツワイル:多くの未来学者はSF作家の想像力を手掛かりにしますが、物事がいつ起きるかを予測するための優れた方法論を持っていません。私は早い段階で、株式投資から恋愛に至るまで、あらゆることにタイミングが重要だと気づきました。適切な場所に適切な時期にいなければならないのです。そこで、テクノロジーの動向を研究し始めました。私の予測がどれほど当たったかをGoogleで検索すれば、1990年代後半に書いた、2009年についての147件の予測を分析した150ページの論文が見つかります。そのうち86%が正しく、78%は年まで正確でした。

実現しなかった予測を一つ挙げるとしたら?

2009年までに自動運転車が登場するという予測です。完全に間違いだったわけではありません。当時も自動運転車はありましたが、非常に実験的なものでした。

なぜ私たちは、特定の事柄を予測するのがこれほど苦手なのでしょう?たとえば、ドナルド・トランプが大統領に当選することなどです。

彼はテクノロジーではありません。

政治や世界情勢を予測するモデルを作ろうとしたことはありますか?

ソーシャルネットワークと経済動向が非常に大きな力を持つようになり、政府の権力や影響力は低下しています。スペインの年金基金に何か問題が起きれば、世界中がその影響を感じます。こうした動向は、ワシントンや各国の首都で下される決定よりも、私たちにずっと大きな影響を与えると思います。それらが重要でないと言っているわけではありませんが、私が話している基本的な動向には実際の影響を及ぼしていません。第一次世界大戦、第二次世界大戦、冷戦、大恐慌といった20世紀の出来事も、テクノロジーの非常に滑らかな進歩の軌道には影響しませんでした。

人工知能をめぐる現在の議論について、どう考えますか?イーロン・マスクは、人類の存亡を脅かすと述べています。

火は私たちを暖める一方で家を焼き払うこともあったように、テクノロジーは常に諸刃の剣でした。テクノロジーは創造的な衝動も破壊的な衝動も増幅させますが、人間の暮らし全体が向上してきたことは明らかです。多くの人が状況は悪化していると考えるのは、部分的には、それが実際に進化によって身についた適応だからです。生き延びるには、悪い知らせに敏感であることがとても重要です。葉が少しカサカサ鳴っただけでも、捕食者かもしれないので、注意を払わなければなりません。こうしたテクノロジーはどれもリスクを伴います。とりわけ強力なバイオテクノロジー、ナノテクノロジー、AIは、人類の存亡に関わるリスクとなる可能性があります。しかし歴史を振り返れば、私たちは害を受けるよりも、助けられることのほうが多いと思います。

人工知能やその他のテクノロジーは、雇用にどのような影響を与えるでしょうか?

人類の歴史では、これまで何度も、あらゆる仕事がなくなったかのような状況を経験してきました。1900年ごろにあった仕事のうち、今も残っているものはどれくらいあるでしょう?もし私が1900年に先見の明を持つ未来学者だったなら、こう言ったでしょう。「いいですか、皆さんの38%は農場で働き、25%は工場で働いています。人口の3分の2です。2015年までに、農場で働く人は2%、工場で働く人は9%になると予測します」。すると皆が「ああ、なんてことだ、仕事がなくなってしまう」と言うでしょう。私は「心配はいりません。なくなる仕事一つにつき、スキルの階段を上った先に、より多くの仕事が生まれます」と答えるでしょう。人々は「どんな新しい仕事ですか?」と尋ねるでしょう。私は「さあ、わかりません。まだ発明されていないのです」と答えるでしょう。

今も状況は同じで、難しい政治課題を生み出しています。車やトラックを運転する人々を見れば、そうした仕事がなくなるとかなり確信を持って言えます。一方、新しい仕事については説明できません。まだ存在しない産業や概念の中に生まれるからです。

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