女性がヘッジファンドの幹部に就くことが少ない理由

People walk through the Canary Wharf financial district of London, Britain, December 7, 2018. REUTERS/Simon Dawson - RC13001B1A50
No fair share for women.Image: REUTERS/Simon Dawson
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高額の給与に魅力的なボーナス?もちろん。会員制クラブでの顧客との会合?もちろん。メイフェアのしゃれたオフィス?もちろん。会社の産休制度?さあ、どうでしょう。後でお答えします。

人材獲得競争において、ヘッジファンド業界は今も金融業界の多くの分野より優位に立っている。ただし、女性の雇用となると、どうやら話は別のようだ。

金融業界全体で、上級職に占める女性は少数派だ。ロイターの規制当局への提出書類の分析によると、その割合は英国のヘッジファンドで特に低い。その大半は非公開企業で、情報開示規則の適用を受けない。

分析によると、英国有数の民間ヘッジファンド20社で、昨年投資部門の幹部として採用または昇進した女性はわずか7人で、少なくとも過去10年で最低だった。同じ期間に男性は82人が採用または昇進した。

ヘッジファンドで働く職場のうち、最も人気が高いのは投資チームだ。ポートフォリオマネジャーやトレーダーは顧客資金の投資先を決め、伝統的に従業員の中で最も高い報酬を得ている。こうした職務は、スター運用者が将来自らの会社を立ち上げ、次世代のヘッジファンドを築くための足掛かりとなる。

英国では、こうした職務は金融行為規制機構(FCA)に「CF 30」機能として登録される。この区分には上級マーケティング職も含まれる。

ロイターが金融会社76社のCF 30登録を分析したところ、ヘッジファンドが女性を登録する割合は、他の金融会社を大きく下回っていた。

英国の金融会社全体における登録率を示す図のインタラクティブ版を見るには、こちらをクリック

ヘッジファンドは、ポートフォリオマネジャーとして働く女性を見つけるのに苦労していると述べ、コンプライアンスや法律顧問など他の分野では女性の比率が高いと指摘する。これらはミドルオフィスやバックオフィスの職務で、投資判断に関わることはほとんどない。

金融サービス業界で働く人々によると、ヘッジファンドが候補者の範囲を広げ、より充実した産休制度やメンター制度を提供すれば、トレーダー職に応募する女性候補者は増えるという。

シンクタンク、ニュー・フィナンシャルのヤスミン・チンワラ氏は、「ヘッジファンドはどこも女性の応募者がいないと言うが、そもそも探しているのだろうか。関心があるのか。データを見る限り、答えはノーだ」と述べた。

男女間の賃金格差の開示が大企業や上場企業に義務付けられ、上級職の女性を増やすよう世間から圧力を受けている金融業界の他分野とは異なり、ヘッジファンドの多くはほとんど人目に触れずに事業を営める。

通常は創業者が所有・経営する非公開企業であり、金融業界における女性比率の向上を目指す政府の取り組みの対象ではない。

チンワラ氏は、「世間の監視、とりわけ政府が義務付け、後押しする監視は成果をもたらす」と述べた。「こうした分野では、大規模で一丸となった外部からの働きかけがなければ、自ら大きく変わることはないと示されている。」

数字で見る投資

ロイターの分析対象となった英国有数のヘッジファンド20社のうち、女性の採用実績についてコメントしたのは3社だった。

マーシャル・ウェイスの広報担当者は、「CF 30登録の対象外で、従業員の一部を占めるにすぎない上級管理職を含め、当社のあらゆる職能分野に女性がいます」と述べた。

同社がCF 30区分で登録した女性は2009年以降3人で、同じ期間の男性は40人だった。

同社の広報担当者は、「アルゲブリスは女性のキャリアに投資し、人材を育成して、金融業界における次世代の女性リーダーを生み出し続けています」と述べた。同社は2009年以降、CF 30として女性9人、男性24人を登録した。

エムソ・アセット・マネジメントによると、従業員の35%が女性で、52週間の産休のうち最初の26週間は給与を支給している。同社は2009年以降、CF 30として女性9人、男性30人を登録した。

最高執行責任者のロリー・マクレガー氏は、電子メールでの声明で「従業員の多様性は、当社が投資する市場の多様性を反映しています」と述べた。

産休中の給与について公にコメントしたのは、ヘッジファンド20社のうちエムソだけだった。

親になった後の有給休暇は、会社によって大きく異なることがある。あるポートフォリオマネジャーはロイターに、産休中の給与を得るために自分の事情を訴えなければならなかったと語った。キャリアに傷がつくことを恐れ、匿名を希望した。

人材紹介会社モンドリアン・アルファのヴァレリー・コセンコ氏は、ヘッジファンド業界で働こうとする多くの女性にとって、産休中の給与は重要な検討事項だと述べた。

「ヘッジファンドはこの点について、ほとんど考えてこなかったと思います。確実に改善できることの一つです。」

ロイターの分析によると、シタデルやミレニアム・マネジメントを含む、英国にオフィスを置く米国最大手ヘッジファンド10社は、2018年に英国の同業他社をやや上回る約13%の女性を登録した。

ミレニアムの広報担当者はコメントを控えた。シタデルはコメント要請に応じなかった。

登録対象者に関するFCAの指針の解釈は会社によって異なる場合があるため、CF 30は多様性を測る不完全な指標だ。

投資家対応担当者をCF 30として登録する会社もある。こうした職務では女性の比率が高い傾向にあるため、CF 30区分はトレーダーとして採用または昇進した女性の実数を過大に示す可能性がある。

ロイターの分析が対象とした10年間で、英国有数の民間ヘッジファンド20社においてCF 30区分で雇用された女性の割合は、一度も23%を超えず、平均は16%だった。

なぜ挑戦するのか

米国のヘッジファンドにおけるポートフォリオマネジャーの採用について、比較可能な数字はない。しかし、ここ数年に設立された米国企業のデータからは、業界が依然として男性中心であることが分かる。ヘッジファンド・インテリジェンスのデータによると、2013年から2017年に設立された新ファンドの資産のうち、女性が率いる企業が運用したのは約3%にすぎなかった。

世界最大級のヘッジファンド投資家の一つであるPAAMCOの最高経営責任者として約20年間にわたり資金配分を担ったジェーン・ブカン氏は、女性の資産運用者は投資家の信頼を得るため、より懸命に働かなければならないと話す。

現在は自身のファンド、マートレット・アセット・マネジメントを運営するブカン氏は、「男性より運用成績が悪くても同じ資産規模を得ている男性と同等の資産を集めるには、女性は大幅に上回る成績を上げる必要があります」と述べた。

「学術研究でも示され、多くの女性が投資家とのやり取りから感じているこのような結果を前に、なぜ挑戦するのでしょうか。」

数少ない上場ヘッジファンドの一つであるマン・グループは、英国政府の「金融業界における女性憲章」に署名した唯一の英国ヘッジファンド会社だ。同憲章は、シティの上層部における女性比率を高める目標を定めている。

ロンドンに本社を置く同社は、上級管理職に占める女性の割合を昨年の22%から2020年末までに25%へ引き上げる目標を掲げ、業界を離れた女性の復職プログラムなど、男女の多様性を高めるための施策をいくつも導入した。

新たに親となった人には、性別を問わず世界各地で18週間の有給休暇を提供している。

マン・グループは昨年、CF 30として女性5人を登録したが、新規採用ではなく、欧州規則を順守するための区分変更だった。

マン・グループの最高経営責任者、ルーク・エリス氏は、「社内の人々が能力を発揮できるようにすることに注力し、多くのメンター制度を導入しました。女性候補者を必ず検討するようにし、これまで女性の採用を妨げてきた要因も見直しました」と述べた。

事情に詳しい関係者がロイターに語ったところによると、マン・グループで投資運用職に就く女性は、世界全体で2018年に13%となり、2017年の11%、2013年の8%から増加した。

不快な実態

英国と米国でポートフォリオマネジャーとして働いている、または働いていた女性9人への取材では、ヘッジファンドは女性の投資運用者にとって厳しい業界になり得るとの声があった。中には、外見や投資能力を侮辱する発言を受けた人もいた。

トレーダーを含むヘッジファンドのさまざまな職務に就いていた女性7人によると、同僚の男性が夜の外出時に女性社員へ望まれない言い寄りをすることは珍しくなかった。

あるヘッジファンドは、トレーディングフロアの女性用トイレを男性用に変更した。そのため、投資チームの女性は建物の別の場所まで歩かなければならなかったと、女性2人が語った。

キャリアに傷がつくことを避けるため匿名を希望した女性たちは、いずれもこの記事で名前が挙がったヘッジファンドでは働いていなかった。

元ヘッジファンドのポートフォリオマネジャーで、現在は自身の行動分析会社を経営するクレア・フリン・レヴィ氏は、女性は有害な職場文化をしばらく我慢することがあっても、最終的には辞める傾向があると話した。

「振り返ると、私は懸命に働き、不快なことを笑ってやり過ごし、誰かが一線を越えたと感じたときには、ときおり毅然とした態度を取るという方法を組み合わせていたと思います」と彼女は述べた。

人材紹介コンサルタントのコセンコ氏は、トレーディングフロアで初めての女性になるかもしれないヘッジファンドに女性を誘うのは難しかったと述べた。

しかし、投資先を決める際に多様性を考慮する投資家が増える中、組織の顔ぶれを変えようとするヘッジファンドもある。昨年、コセンコ氏は女性採用についてヘッジファンドの顧客と5回面談した。今年の最初の数カ月では4回に上る。

「全般的な大きな流れは、人材を育て、慣れ親しんだ人材の枠を超えていこうということだと思います。つまり、ゴールドマン・サックス出身の白人男性以外にも目を向けるということです」と彼女は述べた。

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