私は全国を訪れるたびに、専門性を高め、互いから学び、生徒の成功につなげたいと願う教師たちに絶えず出会います。残念ながら、有意義な専門能力開発の機会を求める教師の思いが、必ずしも現実と一致するとは限りません。
教師が何を望んでいるのか、もっと真剣に耳を傾け、教師を信頼する時です。
総額で年間180億ドルが教師の専門能力開発に費やされており、一般的な教師は毎年68時間、つまり1週間を超える時間を、通常は学区が主導する専門的な学習活動に充てています。自主的な学習や講座を含めると、年間の合計は89時間になります。しかし、多くの指標から見て、この取り組みと投資の多くは、教師自身が関連性も効果もなく、生徒の学びを支援するという中核業務にも結び付いていないと述べる専門能力開発プログラムに浪費されています。
教師が何を望んでいるのか、もっと真剣に耳を傾け、教師を信頼する時です。
こうした隔たりを大きな改善の可能性を秘めた領域と捉え、ビル&メリンダ・ゲイツ財団は2014年、ボストン・コンサルティング・グループに委託し、より効果的な専門能力開発の実施を妨げる要因について、調査とインタビューを通じて、1,300人を超える教師、学区や州教育機関の専門能力開発責任者、校長、専門能力開発の提供者、オピニオンリーダーから意見を集めました。その後の調査には、さらに1,600人の教師を対象とする調査も含まれています。
これらの調査結果は、すでに知られている知見と組み合わせることで、現在の実践を見直し、教師にとってより有用で、管理者にとって費用と時間の効率が高く、最終的には生徒の成果向上により結び付く専門能力開発を実現するための、貴重な知見と提案を示しています。
効果があること
最も心強いのは、「理想的な」専門能力開発の経験とは何かについて、教師と管理者が実際にかなり一致している点です。要するに、関連性があり、実践的で、継続的なものです。この高い一致度は、専門能力開発の改善は、向上を促す方法について異なる考えを調整するというより、共通の優先事項を反映した学習機会を設計することにかかっていると示唆しています。
教師にとって、選択できることは重要です。専門能力開発の機会の大半、またはすべてを自分で選ぶ教師は、選択肢が少ない教師に比べ、専門能力開発への満足度が2倍を超えます。
改善の余地
しかし、専門的な学習で何に重点を置くべきかについて学区の責任者が考えることと、現在の経験がどれほど有用かという教師の見方との間には、大きな隔たりがあります。
たとえば、学区の責任者は、授業観察とコーチングを、学区がより多くの時間を費やすべき専門能力開発の二つの方法として挙げました。しかし、教師がコーチングを支持する姿勢には、明確な条件があります。教師は管理者がコーチを務めることに懐疑的で、「自分の立場を分かってくれる」コーチ、つまり自分の担当教科を理解し、フィードバックの提供について十分な訓練を受けた人を強く望んでいます。
教師が求めるのは、教科内容に精通し、個々の教師の強みと弱みを理解している人によるコーチングです。それでも、経験豊富な教師への集中的なコーチングは比較的まれです。校長によると、校内コーチング時間の60%は新人教師や苦戦している教師に充てられています。一方、教師のおよそ半数は過去12か月以内に何らかのコーチングを受けたと回答し、週1回または週に複数回受けているのはわずか4分の1です。
もう一つの例は、最も必要とされる専門能力開発のテーマをめぐる教師と管理者の認識の違いです。経験豊富な教師は「コモン・コア州基準」と「授業でのテクノロジー活用」を最も必要なテーマに挙げる一方、管理者が選ぶ上位二つは「生徒データの分析」と「評価の作成と活用」です。
特に意見が一致している点の一つは、効果的な専門能力開発を妨げる最大の障壁として、十分な時間がないことを教師と管理者の双方が挙げていることです。
今後に向けて
前述の課題がある一方で、楽観できる理由もあります。第一に、教師は専門能力開発に前向きなだけでなく、それを強く求めています。特に、相互の説明責任を原則とし、双方向で率直なフィードバックを促す、体系的な専門能力開発の過程に教師が参加できる場合はそうです。そして、専門能力開発では関連性が何より重要です。日々の仕事にその効果を実感できる専門能力開発において、教師が主体性を持ち、力を発揮できる協働者であるとき、満足度は最も高くなります。
調査結果とフォーカスグループの意見からは、教師が望むのは、発表や講義中心ではなく、実演、モデル提示、練習を通じて学びを応用する機会を中心とした専門能力開発であることが示唆されます。ほかの教師とともに授業を計画、設計し、振り返る時間も重視されています。
第二に、教師はすでに、授業の計画、設計、実施のためにオンラインのリソースを盛んに利用しています。現在、コンテンツ集約プラットフォームから協働ツールまで、多様な新興製品が登場しており、教師の業務の流れを大幅に効率化し、個々のニーズに合わせた価値の高い専門能力開発に取り組む時間を増やせる可能性があります。
最後に、十分に活用されてはいないものの、生徒の学びに結び付く専門能力開発の特徴を特定した研究の蓄積があります。しかし、どのような条件でどのモデルが最も効果を発揮するのかについて、さらに多くを知る必要があります。たとえば、協働が活発な環境にいる教師は、日々の仕事に大きな効果があると報告しています。しかし、専用の時間、学年別チーム、優れた実践の共有、取り組みへの強い姿勢を伝える学校リーダーシップなど、効果的な協働に最も重要な要素についての研究は限られています。
『 教師が最もよく知っている:専門能力開発に関する教師の見解』では、こうした知見をまとめました。学区や学校のリーダーが教師と協力して、教師にとってより有意義な学習機会をつくり、それによって生徒の学びを高める一助となることを願っています。専門能力開発への支出の大部分を管理しているのは学区です。その支出を、教師自身がニーズをよりよく満たすと考える形式、テーマ、提供者に振り向けることは、学校と学区の双方にとって最優先事項であるべきです。
この記事は、 Impatient Optimistsとの協力のもとで掲載されています。掲載によって、世界経済フォーラムが本記事の見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:College-Ready Educationディレクターのヴィッキー・フィリップスは、米国の高校生が卒業時に成功への準備を整えられるようにする取り組みと、大学への進学機会の改善を統括しています。
画像:2012年12月13日、ソウルのゴシチョン(韓国語で「試験村」の意味)にある予備校で、教師が講義を行う。REUTERS。

