アメリカの次世代アインシュタインとなる可能性を秘めた生徒は、小学校の段階で見分けられる。それでも、大半は成長してイノベーターにはならない。この隔たりはなぜ生じるのだろうか。Equality of Opportunity Projectの研究者たちは、特許、納税記録、テストの成績を調べ、米国で発明家になる子どもと、ならない子どもを明らかにした。調査結果によると、人生の早い時期に始まる制約が、アメリカ人が社会に変革をもたらすアイデアを提供するかどうかを左右する。
「理科と数学のテストの成績から、誰が発明家になるかについて、小学3年生の時点でこれほど多くのことが分かるとは、少し驚きました」と、ハーバード大学の博士課程在籍者で、この研究の筆頭著者であるアレックス・ベルは語る。

しかし、成績上位の生徒であっても、白人の裕福な家庭に育った男子でない限り、成長してイノベーターになる可能性はそれほど高くなかった。世帯所得が上位1%の家庭の子どもは、成長して発明家になる可能性が、中・低所得世帯の同世代の子どもに比べて10倍高かった。白人の子どもは黒人の子どもより3倍その可能性が高く、米国で特許を保有する女性はわずか18%にとどまる。
こうした格差を縮小するには、生徒を取り巻く環境を変え、イノベーションに触れる機会の不足を解消することが鍵となる。発明家の近くで過ごすと、子どもが成長して特許保有者になる可能性が高まった。特に、親や地域のほかの大人と同じ分野でその傾向が見られた。「目にしたことのないものにはなれません」とベルは言う。「自分と何らかの意味で似たメンターやロールモデルがいることは重要です。」
たとえば、男の子が男性の発明家を見るのと同じくらい頻繁に、女の子も女性の発明家を見る世界を想像してほしい。こうした問題を認識することが、失われたアインシュタインたちをつなぎとめる第一歩となる。「私たちが話しているのは、道から脱落していく人々の人生だけではありません」とベルは言う。「これは社会全体にとって非常に重要なことです。」

