人材の誘致と育成に最も優れた国と都市

A Swiss flag is pictured during the sunrise on the Commercial and Financial District in Geneva, Switzerland, November 23, 2017. REUTERS/Denis Balibouse
These are the countries that are the best at attracting, developing and retaining talent.Image: REUTERS/Denis Balibouse
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国や都市、組織の競争力を高めるうえで欠かせない要素、それは人です。

過去6年間、世界人材競争力指数(GTCI)は、人材を誘致・育成・定着させる力を基に、各国と主要都市を順位付けしてきました。

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GTCIは、国際ビジネススクールのINSEADがアデコ・グループおよびタタ・コミュニケーションズと共同でまとめる年次ベンチマーク報告書です。人材を育成・誘致・定着させる力を基に、119カ国と90都市を測定し、順位付けしています。

ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会で発表された2018年ランキングで上位に入った場所を詳しく見てみましょう。

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上位5カ国

この調査では、指数の対象となる119カ国の実績を、次の6つの柱で測定します。

  • 「環境整備」規制、市場、ビジネス、労働の各環境に着目し、それらが人材の誘致を後押ししているか、妨げているかを評価します。

  • 「誘致」人材の誘致に関して、国や都市が国外の人材(個人や企業)にどれほど開かれているか、また恵まれない境遇の人々、女性、高齢者にどれほど開かれているかを評価します。

  • 「育成」生涯学習を提供する優れた教育制度などを通じて、国や都市が人材をどれほど効果的に育成しているかを調べます。

  • 「定着」その場所がどれほど暮らしやすいかに着目します。人材の定着を左右する主な要素の一つは生活の質です。

  • 「職業・技術スキル」職業・技術スキルを持つ労働者の確保しやすさを測定します。

  • 「グローバル知識スキル」グローバルな知識スキルを備えた人材(専門職、管理職、リーダー職に就く労働者)の確保しやすさを調べます。

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1位のスイスは6つの柱すべてで高い実績を上げていますが、とりわけ人材の定着に優れています。また、規制、市場、ビジネス、労働の各環境において「理想的な経済環境」を提供しています。

次いでシンガポールが続き、海外から人材を誘致する力が評価され、「環境整備」部門で首位となりました。

米国は3位で、「育成」の柱で特に高い実績を上げています。その一因は、世界有数の大学ネットワークと、キャリア形成の機会にあります。その結果、米国にはグローバル知識スキルを備えた人材が豊富にいます。

社会保障や給付を利用でき、生活の質も高いノルウェーは、スイスと同様に人材の定着に優れています。

スウェーデンは6つの柱すべてで高い実績を上げていますが、とりわけ人材の定着に優れています。

上位5都市

世界都市人材競争力指数では、都市を国と同じ最初の4つの柱(環境整備、誘致、育成、定着)で測定し、さらに新たな柱「グローバル性」を加えています。これは、都市における国際化の度合いを表します。

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欧州勢が上位を占め、チューリヒ、ストックホルム、オスロ、コペンハーゲン、ヘルシンキがトップ5に入りました。

チューリヒは、生活の質の高さと国際的な雰囲気のおかげで、人材の誘致に特に優れています。上位5都市の中で、「グローバル性」の得点が最も高いのもチューリヒです。

ストックホルムは「環境整備」の柱で最高得点を獲得しました。スウェーデンの首都にフォーブス・グローバル2000企業が数多く進出しているのは、その表れです。

オスロとコペンハーゲンは、生活の質が高く、有力大学が数多くあることから、「誘致」と「育成」でともに高い得点を獲得しました。

一方、ヘルシンキは医師と患者の比率が高いこともあり、「定着」の柱で高い実績を上げています。

これらの場所がうまくできていることは何でしょうか。

上位の国や都市には、4つの重要な共通点があります。雇用主のニーズを先取りして柔軟に対応する教育制度、柔軟なビジネス・規制環境、従業員が柔軟な働き方を享受し社会保障を受けられる職場環境、そして開放性を促す政府です。

上位5都市は、生活の質が高く、教育制度も充実しており、国際色豊かなビジネス環境を備えています。従業員には能力を伸ばす機会もあります。

しかし、これらの場所には、うまくできていないことも数多くあります。

指数で最上位にある国や都市でさえ、実績にはばらつきがあり、特に多様性と包摂の面で課題を抱えています。

例えばスイスは、女性の卒業生や指導的地位に就く女性が十分にいないとして批判されています。

米国には優れた人材が豊富にいますが、マイノリティーに対する寛容さは十分ではありません。

北欧諸国は社会的流動性とジェンダー平等で非常に高い順位にある一方、外国人材の誘致や多文化社会の形成では遅れています。

先を行き続けるために

報告書は、不安定で急速に変化する今日の世界では、優れた人材層を確保するだけでは不十分だと警告しています。国や都市は、人材の多様性を確保するために一層努力し、包摂の文化を育む姿勢を示す必要があります。

「人々は単に異なる存在であればよいのではありません。十分に参加し、自分の声が届いていると感じられる必要があります」と報告書は述べています。

報告書は、多様性の実現は容易ではなく、取り組む覚悟が必要だと認めています。社会の結束を損ない、人材の管理をより複雑にする可能性さえあります。

「実際のところ、どれほど大言壮語があっても、多様性の実現は難しく、完全に実現できた国も企業もまだありません。」

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