わずか2か国の6大学が、評判と学術的卓越性に関する世界ランキングを常に席巻しています。
しかし、これらの大学を際立たせているのは、多くの場合、ほかの卓越した研究・教育機関が集まる地域に近接していることです。
一方、新たな挑戦者も現れつつあり、Times Higher Educationのランキングを急速に上昇しています。
毎年、Times Higher Education(THE)は、世界中の数千人もの研究者に、主観的ながらも専門家としての判断に基づき、世界最高の大学を挙げてもらいます。毎年、実に注目すべきことが起こります。
THEの世界学術評判調査には、100か国以上から毎年50万件近い個別の投票が寄せられます。また、世界には約3万の高等教育機関が存在する可能性があるなか、真に名声を確立した学術ブランドとして際立つのは、わずか2か国の6大学です。
大学の「スーパーブランド」は成功が成功を呼ぶ
THEの年次世界評判ランキングにランクインした、私たちが「世界的な大学スーパーブランド」と呼ぶようになった6校は、今週発表された2022年版ランキングで次の順に並びました。1位はハーバード大学、続いてマサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、そしてカリフォルニア大学バークレー校です。
この年次調査が10年以上続くなか、ハーバード大学は常に首位です。6校の正確な順位は年ごとに入れ替わってきましたが、顔ぶれはいつも同じで、7位の大学(常にプリンストン大学)への評判票は大きく減少します。
マーク・サドベリー氏は、World 100 Reputation Networkの代表を務めています。同ネットワークは、大学の広報責任者を中心とする会員組織で、THEの一部です。サドベリー氏は、大学に関しては「成功が成功を呼ぶ」と考えています。
同氏はこう述べています。「学術界のスーパーブランドは、成功した大学の本質を体現するようになりました。歴史があり、最高の教職員や学生を集め、利用可能な資金の大部分を獲得し、国内外の議論にも加わっています。」
「ランキングであれ、より定性的な評価であれ、機関の質を考えるとき、成功が本当に成功を呼ぶのです。」

大学にとって、良いことは二つそろって訪れる
では、とりわけこの6大学の何が、これほど際立って「スーパーブランド」と見なされるほどなのでしょうか。
スーパーブランド6校の一つ、バークレー校で学長を務め、現在はニューヨーク科学アカデミー会長を務めるニック・ダークス氏は、6校は「3組のペアを成しています。それぞれのペアは、同じ地域に立地していることに加え、数多くの相乗効果によって結びついています。それらが、単独の大学をはるかに上回る力を持つエコシステムを生み出してきたのです」と指摘します。
スタンフォード大学は、シリコンバレーを擁する米国サンフランシスコ・ベイエリアで、バークレー校とペアを成しています。
ダークス氏はこう説明しました。「スタンフォード大学は第二次世界大戦後、研究に対する巨額の連邦政府支援を確保し、偉大な大学へと成長しました。その研究はシリコンバレーのイノベーションを後押ししました。しかし同大学は、すでに存在していたカリフォルニア大学バークレー校の資源にも依存していました。」
「バークレー校はすでに学術的な実績を積み重ねる伝統を築き、卓越した教員や学生をベイエリアに集めるとともに、基礎科学やほぼすべての主要分野で優れた評価を確立していました。これにより、あるいはその後押しを受けて、スタンフォード大学は成長戦略のなかで応用研究により重点を置くことができました。ただし、同大学もまもなく総合大学となりました。」
同氏によると、英国でも同様に、オックスフォード大学とケンブリッジ大学、通称「オックスブリッジ」は、何世紀にもわたる「結びつきと相互依存」によって互いに強化されてきました。
一方、マサチューセッツ州ケンブリッジでは、「ハーバード大学の伝統的な強みが、マサチューセッツ工科大学の応用科学と工学という当初の重点分野を後押しし、その独自の領域を築く助けとなりました。」
ダークス氏はこう述べています。「ベイエリアとマサチューセッツ州ケンブリッジのイノベーション拠点が、それぞれの地域に補完的な研究戦略を持つ一流大学が二校あったことに大きく支えられたのは間違いありません。さらに、この二地域で成長したエコシステムが、それぞれの地域の大学を支え、いっそう力づけてきました。」
「一流大学が一校しかない都市や地域は、こうした地域に太刀打ちできませんでした。そのためニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴは長年、イノベーション、科学、技術の分野で後れを取っていました。」
挑戦者が迫る――それは良いこと
しかし、サドベリー氏によれば、現状に満足している余地はありません。従来のスーパースターに対抗する大学が数多く台頭しています。
次の大学スーパーブランドはどこから現れるのか、と同氏は問いかけます。
中国の北京は候補の一つです。昨年、世界評判ランキングで13位から10位に上昇しトップ10入りした北京の清華大学は、今年9位となりました。同じ北京にある北京大学も、過去3年間で16位、15位、13位と順位を上げています。上海もすぐ後ろに続き、上海交通大学が28位、復旦大学が39位にランクインしています。
シンガポールも世界的な勢力として台頭しており、重要な補完関係にある二校を擁しています。シンガポール国立大学は24位から19位に上昇し、南洋理工大学も今年は共同40位まで順位を上げました。
サドベリー氏はこう述べています。「スーパーブランドが成功を続けているとはいえ、評判を管理する必要があります。大学の知名度が高いほど、批判の標的となる可能性も高まるからです。」

