子どもの世話のために仕事を休んだ親は、次の仕事を見つけるのに苦労する可能性があるという。新たな研究が明らかにした。
この研究では、仕事を探す3種類の親を比較した。一時的に仕事を離れて介護・育児に専念していた人、失職して仕事を離れていた人、仕事を続けながら転職先を探していた人だ。
その結果、専業で子育てをしている親は、ほかの人々に比べ、面接に呼ばれたり追加情報を求められたりする可能性が大幅に低いことが分かった。
人員整理で解雇された従業員も、意図的にキャリアを中断した人より採用される可能性が高かった。
求職活動
研究者のキャサリン・ワイスハール氏(ノースカロライナ大学助教)は、米国50都市で実際に募集されている職について、雇用主に計3,374件の応募書類を送った。
各求人に対して架空の履歴書を3通用意し、男性にも女性にも見える名前を使った。
1通目は職歴に空白がなく、2通目は1年半失業していた人、3通目は専業で子育てをしていた人のものだった。
応募者の経験年数、過去の仕事の数、スキルはすべて同じだった。全員が親であることは明らかだった。
その後、面接を提示された応募者や、追加情報を求める連絡を受けた応募者を追跡した。

「連絡はご遠慮ください……」
専業で子育てをする母親で折り返し連絡を受けたのは4.9%にとどまった。一方、育児以外の理由で働いていなかった母親には9.7%が連絡を受けた。
しかし、就業中の母親では15.3%が連絡を受けた。これは、育児のためにキャリアを中断した母親の3倍を超える。
父親についても同様の結果だった。
就業中の父親では14.6%、失業中の父親では8.8%が連絡を受けたのに対し、専業で子育てをする父親ではわずか5.4%だった。
「多くの雇用主が、子どもと過ごすために一時的に仕事を離れた求職者に偏見を持ち、同じ期間働いていなかった解雇された求職者を優先していることが分かりました」と、ワイスハール氏はハーバード・ビジネス・レビューに寄稿した。
ワイスハール氏は、履歴書に対する人々の意見を尋ねる調査も実施した。
回答者は、失職した人やキャリアを中断した人を、継続して働いている人より能力、信頼性、貢献に値する度合い、仕事への献身のいずれも低いと見なした。
ワイスハール氏は、仕事を離れていた期間が長い人はスキルが時代遅れだと思われることが、理由の一つかもしれないと指摘した。
しかし父親のほうが不利な扱いを受け、専業で子育てをする父親は、最も仕事への熱意や信頼性に欠けるグループと見なされた。
「仕事を離れることは、雇用主にとって理想的な労働者の規範に反するというシグナルになります。その規範は、従業員が仕事に強く献身することを求めています」とワイスハール氏は述べた。
同氏の調査結果は、シンクタンクのピュー・リサーチ・センターが米国で実施した調査でも裏付けられた。
この調査では、多くの米国人が、男性のほうが強いプレッシャーを受けていると考えていることが分かった。女性よりも男性のほうが、育児ではなく仕事やキャリアに集中するよう求められているという。
ほかの研究では、失業中の求職者は、現職を辞めて求職する人より仕事を得にくいことが示されている。ワイスハール氏によると、雇用主は9か月以上の休職を厳しく見る。
「この結果は、職場復帰する親がキャリアの空白によってどれほど大きな不利益を受けるかを示しています」と同氏は述べた。
口にされない偏見を乗り越える
ワイスハール氏によると、企業は、専業で子育てをする親が仕事より家族を優先することを懸念している。「雇用主は、そうした応募者が再び仕事を辞めるのではないか、あるいは職場復帰に苦労するのではないかと心配するかもしれません。」
こうした口にされない偏見に正面から異議を唱えるのは難しいが、対処する方法はある。業界の知識を最新の状態に保ち、現在のスキルを証明できるようにすることが第一歩だ。
ボランティア活動を通じて履歴書に経験を加えることも役立つ。特に指導的な役割を担った経験があればなおよい。適切な姿勢を備えていることを示し、有力な推薦者を得ることにもつながる。
仕事関連のソーシャルメディアや対面の交流の場で存在感を保つことも有益だ。また、以前の同僚と連絡を取り続ければ、業界の動向や求人情報を把握しやすくなる。



