韓国が年に一度、学生たちのために静まり返る理由

High school students cheer on a senior schoolmate (C) before she takes the annual college entrance examinations, in front of an exam hall in Seoul, South Korea, November 15, 2018. REUTERS/Kim Hong-Ji - RC19B9097410
South Korea has some of the most highly educated people in the world.Image: REUTERS/Kim Hong-Ji
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静寂。建設現場からハンマーの音は聞こえず、飛行機も離陸しない。韓国の学生たちにとって一年で最も重要な日には、銀行まで休業する。

しかし、いくつかの試験会場の門前では、大勢の人々が歓声を上げ、太鼓を打ち鳴らした。1,190か所の試験会場では、50万人を超える学生たちが、まもなく全国大学入学試験に臨もうとしていた。

「スヌン」、すなわち大学修学能力試験(CSAT)は、12年間の努力を経て、11月の第3木曜日に実施される。

「私たちにとって、スヌンは未来へのとても重要な関門です」と、18歳のコ・ウンソさんはBBCに語った。「韓国では大学に進学することがとても重要です。だから、この一日のために12年間準備するのです。この試験を5回まで受けた人を知っています」

警察も動員される。韓国紙コリア・ヘラルドは、数百人の警察官が、学生たちが時間どおり試験会場に着けるよう、各都市に派遣されたと報じた。

学生たちが試験を受けている間、不安を抱えた親の中には、子どもたちの合格を祈るために仏教寺院や教会へ向かった人もいた。しかし、結果が公式にオンラインで発表されるまで、苦しい数週間を待たなければならない。

高い学力を誇る人々

韓国には、世界でも特に高学歴の人々が多い。OECDによると、2017年には25~34歳の70%が高等教育を受けていた。

教育への注力は、韓国経済を1960年に世界で最も貧しい国の一つだった状態から、世界第5位の輸出国へと成長させる原動力となった。世界経済フォーラムによると、このハイテク国家はまた、世界で15番目に競争力の高い経済でもある。

Image: OECD

大学の入学枠をめぐる競争は激しい。教育省によると、今年は昨年より11,397人多く受験を申し込み、総数は595,924人となった。誰もが目指すのは、ソウル大学、高麗大学、延世大学の上位3校で、「SKY」と呼ばれている。しかし、合格できるのは2%未満にすぎない。

LGや現代自動車などの大企業グループ(財閥)と、その他の多くの雇用主との間には賃金に大きな差がある。そのため学生たちは、学業で成果を上げれば、より高給の仕事に就けると考えている。

しかし、良い教育を受けても就職が保証されるわけではない。8月には失業率が8年ぶりの高水準となる4.2%に達し、2008年の世界金融危機以降で最悪の水準となった。

一方、「ハグォン」と呼ばれる塾で子どもたちに受験指導をする産業は、17.8兆ウォン(158億ドル)規模に成長した。2017年の報告書は、家庭が競争に苦しむ中、この産業が国内の家計債務や出生率の低下と結びついていると指摘した。

2016年には、5歳児の83.6%と2歳児の35.5%が民間の塾に通っていた。これは、韓国育児政策研究所の調査による。

OECDのPISA(国際学習到達度調査)を受ける韓国の15歳は、平均してすでに6.4年間の補習を受けている。

プレッシャーの中で

Image: OECD、PISAデータベース

経済的な負担に加えて、成果を上げなければならないというプレッシャーが、学生たちのウェルビーイングにも悪影響を及ぼしている可能性がある。

OECDが3年ごとに実施するPISAの報告書によると、20%を超える韓国の15歳は、2015年に自分の生活に満足していないと回答した。オランダの学生では、そう答えた割合は4%未満だった。

自分の生活にとても満足していると答えたのは5人に1人未満(18.6%)だった。満足度がこれを下回ったのは、チャイニーズ・タイペイ、香港、マカオの学生だけだった。

不満を抱えているのは学生だけではない。

韓国は世界でも特に労働時間が長い国の一つで、20%を超える労働者が週50時間以上働いている。また、OECD加盟国の中で自殺率は2番目に高く、2016年には人口10万人当たり25.8人が死亡した。

Image: 世界保健機関

2017年の調査で、韓国保健社会研究院は、調査対象となった7,000人の90%超が何らかのストレスを抱えており、4分の1は強いストレスを感じていたと明らかにした。

しかし、韓国はメンタルヘルスの問題への取り組みを始めている。

今年初め、政府はより良い仕事と生活のバランスを促すため、週の労働時間の上限を52時間に定めた。

2016年、政府は自殺予防とメンタルヘルス事業に482億ウォン(4,250万ドル)を割り当てた。また2012年には、うつ病などの症状に苦しむ人々に治療プログラムを提供する国立青少年癒やしセンターを設立した。

今年の学生たちがどれほどの成果を上げたかは、時がたてば分かる。しかし、こうしたウェルビーイング上の懸念にも対処してこそ、彼らの未来はより明るく、幸せなものになる。

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