教育目標の達成が、すべてのSDGsの実現を後押しする

A schoolteacher, who wished to stay unidentified, attempts to catch snowflakes while leading her students to a library from school in the Harlem neighborhood, located in the Manhattan borough of New York on January 10, 2014. REUTERS/Adrees Latif (UNITED STATES - Tags: ENVIRONMENT EDUCATION TPX IMAGES OF THE DAY) - GM1EA1B00M901
A good education can determine an individual's life - and the course of human societyImage: REUTERS/Adrees Latif
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画期的な書籍『沈黙の春』は、レイチェル・カーソンが1962年に出版し、環境運動のきっかけとなった。しかし近年、「持続可能性」や「持続可能な開発」は、あらゆるものを含む包括的な表現として使われるようになった。

持続可能性への意識が大きく高まり、経済発展や環境の限界に加え、教育へのアクセスを含む社会開発指標にも、徐々に目が向けられるようになった。

国連が定めた17の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、教育に焦点を当てる第4目標は、他の目標の達成を促す力を持つと考えられる。健康とウェルビーイング、意義ある生計、経済的安定、人間の可能性の全面的な開花など、開発に欠かせないあらゆる要素を推進し、触媒となる。

教育に関する私たちのビジョン

学校教育は、社会の変化するニーズに絶えず応えていかなければならない。学校は、一人ひとりの能力を伸ばすとともに、民主主義の理念や、社会的・生態学的責任に対する感受性を育む場となるべきだ。

学習では、理想的には次の内容を扱うべきである。

  • 相互に関連する学問分野:自然は本質的に全体であり、構成要素に分解することはできない。知識は自然を心の中に表現したものなので、科目や章ごとに区切ることはできない。自然科学、社会科学、数学など、幅広く絡み合う学問分野を統合した枠組みが必要である。

  • 身体的・職業的技能:身体の発達と、手を使って作業する技能が含まれる。

  • 知的技能:創造的思考や批判的思考に加え、革新やリスクを取ることなどの能力を取り入れるべきである。

  • 哲学:異なる価値体系、信念、態度について学ぶことを含めるべきである。

このような枠組みは、細かく指示することなく指針を示すため、生徒、保護者、教師、学校、地域社会が、学ぶ人の関心や能力に合わせて調整できる。この指針のもとで、生徒自身が学習のペースを決める。

学習環境を整える

学びにふさわしい経験を生み出すために、学校には次のものが必要である。

  • 物理的環境:教室、運動場、図書館、実験室、学習用具、トイレ、食堂などの物理的なインフラ。

  • 心理的環境:子どもを大切にし、一人ひとりの全人的な成長に責任を持つといった、学校の価値観。

物理的環境と心理的環境が整うことで、子どもが萎縮せずに学べる場が生まれる。学校は、学びを妨げる可能性のある身体的、精神的、感情的な脅威をすべて特定し、取り除く必要がある。

適切な学習環境は、学ぶ人とその地域社会の状況に応じて整える必要がある。たとえば、視覚障害のある子どもには視覚に頼らない学習用具が必要であり、貧困地域では空腹が学びを損なう身体的な脅威となる。学校が教育、インフラ、評価制度、学ぶ人のニーズを中心とする文化に投資する一方で、地域社会にも支援環境をつくる責任がある。

適切な学習経験をつくる

子どもはいつでも、どこでも学んでいる。学ぶ人の精神状態によって、何を学ぶ準備ができているかが決まり、その背景によって、どのような学習スタイルを好むかが左右される。望ましい水準の学びを実現するには、教師が適切な経験を生み出すため、次のプロセスを踏む必要がある。

  • 学ぶ人の精神状態を理解する:新しい知識は、既存の知識の上に築かれる。たとえば、量の概念がない学ぶ人に、教師が整数の知識を教えることはできない。学ぶ人がすでに持つ知識を理解することが重要である。評価ツールでは、新しい知識を既存の知識体系に結び付け、さらに応用できるようになったかを測る必要がある。

  • 学ぶ人の背景を理解する:これは、学ぶ人がデータをどう解釈し、知識をどう構築するかを決める精神的なプロセスを指す。そのプロセスによって、さまざまな学習スタイルに対する反応が決まる。たとえば、自分の身体を動かして学ぶのが最も効果的な子どももいれば、仲間と一緒に学ぶほうがよい子どももいる。学ぶ人の背景、すなわち歩んできた歴史や家庭環境を理解すれば、教師は望ましい学習成果を定めやすくなる。

  • 適切な学習経験をつくる:適切な経験は、探究と発見のプロセスを通して、学ぶ人が求める教育の獲得に近づける。この経験をつくるうえで、教師と生徒は対等なパートナーである。また、教師は学ぶ人を望ましい方向へ導く案内役を務める。

教育における持続可能性

SDGターゲット4.7は、持続可能な開発と関連概念を十分に理解できる教育の提供を指す。持続可能性が21世紀を決定づける課題の一つとなることを踏まえ、20世紀に「テクノロジー学習」が教育の当然の要素となったのと同様に、その重要性を教育の自明な要素とする必要がある。

教育課題に取り組んできた豊富な経験と、近年の生態学への関与を通じて、私たちは持続可能な開発の問題が、道徳的な問題であるのと同じくらい、認識論的・認知的な問題でもあると気づいた。

持続可能性は認識論上の問題である。なぜなら、私たちの知識は著しく不十分なだけでなく、方向性さえ誤っていることが多いからだ。

持続可能性は本質的に学際的であり、生態学、生物学、経済学、複雑系科学、システム理論、行動科学、応用工学が絶えず変化する形で交わる領域にまたがる。私たちが受けてきた教育では、これを十分に理解できるようにならない。

直線的なデカルト的思考に基づく現在の教育パラダイムでは、自然生態系におけるフィードバック・ループや因果関係の連鎖が持つ非線形性を理解できない。こうした連鎖は通常、時間と空間を越えて波及する。気候科学は、この問題の好例である。

もう一つの例は、自然生態系がもたらすサービスを評価できていない金融システムである。評価を試みる場合も、道具主義的な手法を採用し、費用便益分析や限界効用価値といった機械論的な評価ツールを用いる。1997年に発表された著名な『Nature』誌の論文は、生態系サービスの推定価値を33兆ドル、当時の世界GDPの2倍とした。これは実用的で妥当な評価に見えるかもしれない。しかし規範的な立場からは、受粉のような生態系サービスに価値を付けることには慎重になるだろう。植物を繁殖させる代替手段が知られていないからだ。

したがって、持続可能性に関するリテラシーは、さまざまな要素が組み合わさって成り立つ。複雑な問題を理解するための認知的なアプローチやツールには、次のようなものがある。

  • 「生きた生態系」の組織化原理を理解し、人間のコミュニティに応用する能力(例:相互依存性、柔軟性、レジリエンス、循環的なパターン)。

  • 私たちが暮らす生態学的・社会的な空間に当てはめた、ストック、フロー、フィードバック・ループ、緩衝要因、遅延の概念。

  • 効率性、生産性、レジリエンス、安定性の間にあるトレードオフ。

持続可能性教育が乏しいために生じている知的・認知的な欠落について述べてきたが、道徳的・心理的な側面はどうだろうか。倫理と認知を結び付けなければ、ある程度の進展も望めないことは、私たちにとって疑いようがない。

倫理的な側面は、私たちの周囲のあらゆるものに対する全体論的で統合的なアプローチに根差している。その貴重な例の一つが、多くの先住民文化に受け継がれてきた「七世代先を見据える考え方」だ。このアプローチの精神は、次の二文に要約できる。「未来の世代が生きられるよう、地球に負担をかけずに歩もう。少なくとも七世代先まで自分の行動の影響が及ばないと確信できる場合にのみ、行動しよう。」

統合的思考を熱心に提唱するフリッチョフ・カプラは、統合的思考を、現在主流の自己主張的な思考様式と対比させて特徴づけている。

Image: フリッチョフ・カプラ『生命の網』

持続可能性教育の先駆者であるデビッド・W・オアは、古典的な講演『教育の目的とは何か?』で、あらゆる教育は環境教育であると述べた。こう述べることで、真の教育とは全体を見る力を身につけることだと示唆した。

講演からの以下の抜粋は、教育によって私たちが何を奪われたのか、そして何を取り戻すべきなのかを示している。「高等教育を受ければ、私たちが解体したものを十分に元に戻せるというのは神話である。現代のカリキュラムでは、世界を学問分野や下位分野と呼ばれる細かな断片に分けてきた。その結果、12年、16年、あるいは20年にわたって教育を受けても、物事が一つにつながっているという広く統合的な感覚を持たないまま卒業する学生が大半である。」

「その結果、人間としてのあり方にも、地球にも大きな影響が及ぶ。たとえば、生態学の最も基礎的な知識すら持たない経済学者を、私たちは日常的に輩出している(…)。小麦1ブッシェルの販売価格をGDPに加える一方で、その生産によって失われた表土3ブッシェルを差し引くことを忘れている。不完全な教育の結果、私たちは実際よりもはるかに豊かだと思い込んでしまったのだ。」

良い教育は、学校のインフラや、競争試験に合格するための準備の場だけを指すのではない。良い教育は、真の意味での個人の成長に向けて、認知、感情、倫理を統合する。それは個人の行動の軌跡に数十年にわたって影響を与え、集団的な観点からは、人間社会そのものの進路を決定する。言い換えれば、他のSDGsの進展は、SDG 4の推進に大きく左右される。

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