「人が財布の中身を頭に注ぎ込めば、誰もそれを奪うことはできない。知識への投資こそ最高の利息を生む。」と ベンジャミン・フランクリンは述べている。同氏は米国建国の父の一人である。今や史上かつてないほど多くの人々が財布の中身を頭に注ぎ込んでいる。今年、未返済の米国学生ローン残高は驚異の1.2兆ドルに達し、その規模は カナダの国内総生産(GDP)に迫るまでになった。とはいえ、その投資が実際に報われているかどうかは、それほど明白ではない。
『エコノミスト』誌は すでに 警鐘を鳴らしていた 、2012年のことだ。当時、米国の大学は世界トップ10大学の80%を占めていたが、その高額な費用に見合う価値があるのかという疑問が次第に広がり始めていた。「授業料の上昇と学生ローンの増加は、経済的・教育的な見返りの縮小と相まって、少なくとも大学が良い投資であるという認識を損ねつつある。」
充実への道
高等教育は今も、より良く、より充実し、経済的に安定した未来への入り口なのだろうか。最近の Gallup-Purdue Index は、この問いを最もよく知る人々、すなわち卒業生に投げかけた。3万人を超える米国の卒業生に経験を語ってもらい、二つの点を明らかにしようとした。すなわち、大学は高額な授業料を正当化するのに十分な機会と経験を提供しているか、そして卒業生は良質で高収入の仕事を見つけ、健康で充実した人生を送るために必要なスキルを身につけて社会に出ているか、である。
この調査結果は、現在の高等教育モデルの持続可能性に疑問を投げかけるものである。教育が費用に見合うかどうかを1から5の5段階で評価してもらったところ(5は「強くそう思う」、1は「まったくそう思わない」)、回答者の50%が5、27%が4を選んだ。しかし、23%の卒業生は3以下の評価を付けており、ほぼ4分の1が支払った費用に見合う価値を得られていないと感じていることになる。私立営利大学の結果はさらに懸念される内容で、受けた教育が支払った授業料に見合うと強く同意したのは、卒業生のわずか26%だった。
大学教育の目的は新たな機会を開くことにあるはずだが、調査結果は、多くの借金を抱える卒業生が他のプロジェクトを先送りせざるを得ない状況にあることを示唆している。最近の卒業生のほぼ半数(48%)が、学生ローンの負債のために大学院教育を延期したと答え、19%はそのために自分の事業を立ち上げるのを延期せざるを得なくなったと答えた。
しかし、結果はすべてが否定的なわけではなく、学生が支払った費用に見合う価値を得られるようにするための施策への手がかりも示している。学生と教授・メンターとの関係を促進することが、最も良い出発点となるだろう。教授が自分に関心を持ち、学ぶことへの意欲を高めてくれたと感じた人、そして目標や夢の追求を後押ししてくれるメンターがいた人は、教育が費用に見合うと強く同意する可能性がほぼ2倍だった。また、卒業後に学生ローンの負債のせいで個人、事業、教育面の目標の追求をあきらめたと答える割合も低かった。
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執筆者:ステファニー・トムソンは世界経済フォーラムの編集者である。
画像:卒業式で着席する学生たち。REUTERS/Brian Snyder


