Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグは、今年ハーバード大学の卒業式で祝辞を述べるよう依頼された際、助言を求めました。相手はビル・ゲイツでした。
ザッカーバーグはこう言いました。「僕たちが実際には卒業していないって、みんな知ってるよね?」
ゲイツはこう答えました。「ああ、そこが最高なんだ!実際に学位をくれるんだから!」
ハーバード大学を中退した著名な2人のこのやり取りを聞くと、大学は重要ではないと思うかもしれません。多くのメディア記事や著名な億万長者さえ、大学中退者を華々しく取り上げたり、若者に大学へ行かないよう勧めたりしています。
大学を中退して成功した人がいるのは事実ですが、統計的に見れば、それは一般的ではありません。教育と人材を研究する私たちは、国内の成功者の圧倒的多数が大学卒業者であることを見いだしました。たとえば、シェリル・サンドバーグ(ハーバード大学)、ジェフ・ベゾス(プリンストン大学)、マリッサ・メイヤー(スタンフォード大学)などです。
大成功した大学中退者という神話
私たちは最近の研究で、最も裕福で影響力のある人々のうち、大学を卒業した人がどれほどいるかを調べました。CEO、連邦判事、政治家、数百万ドルの資産を持つ人々や億万長者、企業幹部、そして世界で最も大きな力を持つ男女を含む、米国のリーダー11,745人を対象に調査しました。
また、「エリート校」を卒業した人の割合も調べました(私たちの定義には、アイビーリーグの8校に加え、学部・大学院教育の両方で常に高い評価を得ている全米有数の総合大学やリベラルアーツ・カレッジの多くを含めました。評価の基準にはU.S. Newsのランキングを用いました)。
米国のリーダーの約94%が大学に通い、約50%がエリート校に通っていたことが分かりました。ほぼ全員が大学に進学していましたが、エリート校への進学率には大きな差がありました。たとえば、下院議員では20.6%、資産3,000万ドルの人々では33.8%にとどまった一方、フォーブス誌が選ぶ最も影響力のある人々では80%を超えていました。理由はともかく、エリート校に進学した上院議員は41%で、下院議員のおよそ2倍でした。
比較のため、国勢調査と大学のデータに基づいて推計すると、米国の大学生全体のうち、私たちの研究で対象としたエリート校に進学したのはわずか約2~5%です。今回調査した人々のエリート校進学率は、一般的な予想を大きく上回っていました。
エリート校は重要なのか?
今年、エリート校では出願者数と選抜の厳しさが増しました。研究によると、選抜性の高い大学に通った学生と、SATの得点が同程度で選抜性の低い大学に通った学生との間で、成人後の収入に差はありません。少なくとも長期的な収入については、大学に通って卒業する限り、どこへ行くかは決定的ではないかもしれません。
とはいえ、米国社会の頂点を目指す才能と意欲を持つ学生にとっては、エリート大学がその実現を後押しする可能性があることを、私たちのデータは示しています。そこで得られる人脈や履歴書に記される大学の名声が、その助けになるのかもしれません。
1万1,000人を超える成功したリーダーを調べるなかで、極度の貧困や不利な環境の出身者に出会うことはほとんどありませんでした。不利な環境にある才能豊かな学生がエリート校に進学できるよう支援することは、将来のリーダー層の多様性を高めることにつながるでしょう。
もちろん、最も優秀な人々の教育の道筋が、大多数の人に当てはまるとは限りません。そのため、大学進学は誰にとっても適切な道、あるいは最善の道とは限らないでしょう。しかし、大学に行かないことや中退を考えている学生は、ゲイツもザッカーバーグも大学に入学したことを思い出してください。大きな成功を目指していないとしても、今日、大学に入学して卒業するために努力すれば、大切な道が開けるかもしれません。
将来、雇用主にとって大学がそれほど重要でなくなる可能性はあります。しかし今のところ、世界を動かす大学中退者はまれな例外であり、一般的な姿ではありません。

