学士号を見直す必要があるのだろうか?

学士号を見直す必要があるのだろうか?
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今年、米国の大学で学士号を取得して卒業した170万人の学生は、新たな経済の中で自分の進む道を探る何百万人もの若者に加わった。

しかし、大学を卒業したばかりの人にとって、今は決して良い時期ではない。 学生ローンの平均債務額は3万3,000ドルで、過去5年間に約30%増加した。不完全雇用率 は22~27歳の卒業生で44%に上り、彼らが就いている仕事には学士号が必要ないことを意味する。また、近年の大学卒業生が 経済的に自立する平均年齢は30歳だ。

こうした統計から、大学の学位はもはや割に合わないという言説が生まれている。しかし、生涯所得に関する膨大な経済研究は、そうではないことを示している。それでも、職業人生を始めるのに苦労する大卒者の数を踏まえれば、労働力が必要とするものと大学が輩出するものとの間に大きな隔たりが生じているのは明らかだ。

問題の一端は、今日、学士号に高い期待を寄せていることにある。技能訓練と幅広い学びを並行して進め、その両方を学部課程の4年間で修了するよう求めている。また、インターンシップや留学など、教室の外での経験も学生に期待する一方で、学業の準備が整わないまま大学に進学する学生や、在学中に働く必要のある学生は増えている。

その結果、20世紀型の高等教育制度は、21世紀の経済と歩調が合わなくなっている。

2015年に向けた私の大きな提案は、学士号を、高校卒業の3か月後に入学し4年後に卒業する枠組みから、柔軟で個人に合わせた生涯学習のプラットフォームへと捉え直すことだ。「生涯にわたる大学」と考えてほしい。

21世紀の経済と歩調が合わない、20世紀型の高等教育制度。

制度は次のように機能するだろう。18歳の若者には、高校卒業後の教育について、さまざまな「進路」を選ぶ機会が与えられる。進路を選んだ後も、ほぼいつでも方向転換したり、いったん離れたりできる。考えられる進路には、次のようなものがある。

  • 学生が人生でどのような問題を解決したいのかを考える間、貴重な職業経験を積めるよう大学が設けるギャップイヤーの進路。

  • 学生が数週間ずつキャンパスと実社会の職場を行き来する、就労と教育を組み合わせた進路。

  • 経験の開始から12か月または24か月後に就職するためにいったん離れ、数年後、技能を更新する必要が生じた際に復学して労働市場に戻り、再び同じ進路をたどれる、出入りしやすい進路。

  • そしてもちろん、今日、学生の20%が選んでいる伝統的な進路もある。全寮制の4年制大学に直接進学し、4年後に卒業する道だ。

こうした制度は、現在想定されている学位取得までの一直線の道筋に比べ、混沌としているように聞こえるかもしれない。しかし、学生はすでに大学の中を行き来している。 学部生の3人に1人は、大学の学位を取得する前に少なくとも一度、在籍校を転校する 。また、 大学に入学した学生のうち、実際に4年で卒業するのは約半数にすぎない。つまり、すでに複数の学位取得経路があるものの、その多くには必要な助言や支援がなく、行き詰まりにつながっている。

「生涯にわたる大学」では、学びを「デジタル・バックパック」に記録する。生涯にわたって学ぶ人々は、いつ、どこで得た成果であっても、職業人生を通じて自分の実績を示すポートフォリオとして持ち運べる。学士号は今後も存在するが、現在用いられている伝統的な卒業証書以外にも、仕事をこなす準備ができていることを雇用主に示す手段が大幅に増えるだろう。

突飛なアイデアに聞こえるだろうか。多くの点でこれは、高等教育の未来を見直すよう依頼されたスタンフォード大学のd.schoolが、この夏に考案した学部教育の設計案だ。その演習に参加した学生たちは、自分たちのプラットフォームを 「オープンループ大学」 と名付けた。学生を受け入れ、生涯を通じて活用できる6年間の教育へのアクセスを提供し、伝統的な学部教育に出たり戻ったりできるようにする構想だ。

今日生まれる子どもの3分の1は、100歳の誕生日を迎えるまで生きるかもしれない。人生のある時点、ある年齢で、一か所だけで学士号を取得するという考え方は、主に文化的なものであり、別の時代に根差している。

経済が求めるものと高等教育卒業者の技能が完全に一致したことはないが、その不一致は危機的な段階に達している。高等教育制度は、ほとんどの仕事に大学の学位が不要で、労働者の大半が職業人生を通じて同じ会社に勤めていた時代には機能していた。しかし今日のグローバル経済では、人生のある時点に一か所で特定の資格を取得するだけでは、柔軟性が足りない。

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著者:ジェフ・セリンゴは、高等教育の未来をテーマに執筆・講演を行う。

画像:ケンブリッジのハーバード大学で、卒業証書授与式に臨む学生たち。REUTERS/Brian Snyder。

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