テクノロジー業界のジェンダーギャップを解消することが不可欠な理由

German chancellor Angela Merkel talks to participants of an event to attract female pupils to careers in IT in Berlin.
How to close the gender gap in tech? By busting myths and celebrating role models.Image: Reuters/Hannibal Hanschke
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私は女性であり、テクノロジー分野で働いています。それを誇りを持って言えることを、とても嬉しく思います。

テクノロジーは社会と経済の変化を促す主要な原動力の一つです。Booking.comのCEOとして、私もその変化に貢献することができます。世界中の女性たちが毎日、テクノロジー分野で目覚ましい影響をもたらし、企業や産業、地域社会に変革を起こしています。

しかし、テクノロジー業界では依然として女性の割合が著しく低い状況です。これは変わらなければなりません。テクノロジー分野で女性を増やすだけでなく、指導的な役職に就く女性も増やす必要があります。

「世界経済フォーラム『ジェンダー・ギャップ報告書2017』」によると、男女平等の改善に向けた緩やかながら着実な進展は今年、停滞しました。2006年の初版発行以来、世界のジェンダーギャップが拡大したのは初めてです。多様性を推進する取り組み全体を、さらに前進させる必要があるのは明らかです。

ジェンダーギャップに取り組み、テクノロジー分野に進む女性を増やすことのメリットは、きわめて明白です。「欧州委員会」の報告書によると、デジタル分野で働く女性を増やせば、EUのGDPは年間90億ユーロ押し上げられる可能性があります。さらに、「クレディ・スイス『Gender 3000』レポート」は、取締役会のジェンダー多様性が高い企業ほど、業種による偏りを調整した株式市場リターンが大きく、企業価値と配当性向も高いことを明らかにしました。これは、女性が上級管理職や指導的役職に就けるよう後押しすることに、明確なビジネス上の根拠があることを示しています。

ジェンダー不均衡を是正するには、組織を率いる人々が、組織のあらゆる階層で多様性を促す職場文化を根付かせることが不可欠です。女性が実際に働きたいと思える企業や組織をつくる必要があります。まず、女性が職場で直面する課題や障壁を考慮し、ジェンダー平等を実現する人事方針や福利厚生で対応することが求められます。ただし、私の経験では、自信を育む文化をつくることも大切です。能力に差はありません。差があるという思い込みをなくすことが不可欠です。

コーディングやエンジニアリングの経験がない女性には、テクノロジー業界で活躍する機会がないという固定観念があります。テクノロジー企業はそうした職種の女性を必要としていますが、マーケティングや財務など、ほかの重要な職能でも女性を増やす必要があります。技術職以外の女性が増えることで、技術職の女性の活躍を促し、支えることもできます。多様性は職能ごとの枠を超えて広がります。

業界のほかのCEOと同じように、私は常に、自社にはもっとできることがあると感じています。テクノロジー業界を志す女性が最もよく挙げる障壁の一つは、身近に感じられるロールモデルがいないことです。だからこそ、テクノロジー業界を率いる女性として、私の経験を共有し、ほかの人々を支え、力づけ、鼓舞することが重要な責務の一つです。

そのため私は、実質的な変化を起こし、才能ある女性にとってこの業界がより魅力的なキャリアの選択肢となるよう、現在進行中のさまざまな取り組みを後押ししてきました。

この課題に取り組む姿勢を示すため、Booking.comの社内外で最近、「Women in Tech」の取り組みをいくつも立ち上げました。その一つがTechnology Playmaker賞です。業界で成功を収めた女性を称えるこの賞は、女性たちの功績を認め、称賛し、報いるものです。テクノロジーの世界がもたらす機会を生かそうとする次世代の女性たちにとって、その功績が刺激となることを目指しています。

また、欧州を代表する2大学、オックスフォード大学とデルフト工科大学との奨学金プログラムを始め、Web Summitで女性を対象としたメンタリングプログラムも導入しました。さらに、欧州委員会の「デジタルスキル・雇用連合」の目標達成も支援しています。

テクノロジー分野のほかの組織も同様の取り組みを進めています。アクセンチュアの最高人材・人事責任者は最近、2025年までに従業員の50%を女性にする計画を発表しました。現在、同社の従業員に占める女性は35%をわずかに上回る程度であり、同社がどれほどの意欲を持って取り組もうとしているかがうかがえます。セールスフォースも、女性や母親の労働参加を進めており、業界で働く母親を支援するために「Supermumsプログラム」を立ち上げました。

ジェンダーギャップの解消に向けて大きな進展があり、テクノロジー分野の女性たちは毎日、目覚ましい活躍をしています。しかし、真の変化を起こすには、業界全体のリーダーが一丸となり、この業界を支援し、発展させる必要があります。女性リーダーやイノベーターの活躍を紹介することで、より多くの企業がテクノロジー分野のジェンダー多様性を考え、受け入れるよう促せます。そうして初めて、組織は女性人材をより効果的に採用し、定着させられるでしょう。役員会の枠を超えて考えても、ジェンダー多様性に富む労働力は、公正で強く、豊かな社会を築く鍵です。

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