#MeToo運動は職場を揺るがした。よいことだ。職場は揺るがされる必要があった。女性にとってより安全な職場は、誰にとってもよりよい職場だ。
それでも、職場が真に平等になるまでには、まだ長い道のりがある。そこにたどり着くには、男性が女性のキャリアを支援する必要がある。女性を採用し、注目を集めるきっかけとなる難度の高い仕事を任せ、昇進させることだ。女性のメンターや後援者となることも含まれる。そのためには、女性が実際に成長できるよう、十分な時間をともに過ごす必要がある。
こうした形で女性を支える男性が増えていると言えればよいのだが、実際には逆のことが起きているようだ。
LeanIn.Orgによる新たな調査とSurveyMonkeyによる調査では、男性管理職の60%が、メンタリングや二人きりでの仕事、交流など、女性と一般的な仕事上の活動をすることに抵抗を感じると回答していることが明らかになった。1年前には、その割合は46%だった。また、現在、男性の上級職者はさまざまな活動で、若手の男性より若手の女性と働くことにためらいを感じている。1対1の面談では、男性上級職者が男性より女性との面談をためらう可能性は12倍。出張では9倍、仕事上の会食では6倍に上る。
これは深刻な問題だ。管理職と上級幹部の大多数は男性であり、職場で女性の昇進を支援するうえでも、妨げるうえでも、大きな役割を担っている。女性と1対1で会うことさえためらうなら、女性が自分の能力を証明する公平な機会を得ることはできない。結果として、女性は見過ごされ、排除される。それは才能、創造性、生産性の大きな損失だ。企業にとっても、誰にとってもよいことではない。
採用、昇進、メンタリングを決める権限を持つ上級幹部や管理職が、緊密な協働を必要とする魅力的な仕事の多くを男性に任せているのに、どうすれば男女格差を縮められるだろうか。
将来有望な女性が、仕事上の会食から外されたり、重要な出張の機会を逃したりすれば、どうやって成長し続けられるだろうか。能力が足りないからではなく、女性だからという理由で。
それは公平だろうか。企業にとってよいことだろうか。
女性であるという理由で才能ある人材を傍らに置いておける企業など、世界のどこにもない。それでも、私たち全員、とりわけ男性が、よりよい行動を取ると決意しなければ、そうしたことは今後も続くだろう。
#MeToo運動が新たな時代の幕を開けた。文化は変わりつつある。かつて容認されたり見過ごされたりしていた醜悪な行為が、ようやく指摘され、非難されるようになった。今、私たちはさらに前進しなければならない。過度に慎重になったためであれ、誤った礼儀意識からであれ、言動に気を配ることへの苛立ちからであれ、その他どんな理由であれ、職場で女性を避け、孤立させることも許されない。
男性の皆さん、女性と二人きりで会うのは適切に見えないのではと心配なら、もっとよい方法を考えてください。1対1の会食に抵抗があるなら、誰もが参加できるグループランチにする。オフィスでドアを閉めて会議をしたくないなら、コーヒーショップに移すか、ドアを開けたままにする。どんな方針を設けるにしても、女性と男性の両方に適用し、誰に対しても敬意を持って接してください。それが公平な管理職のあり方です。
さらに、男性は、よい上司とは何か、あるいはよい人間とは何かを考え直す時だ。#MeToo以降、職場で不適切なことは一度もしていないし、これからもしないと、あえて公言したがる男性たちと何度も話をしてきた。それはすばらしいことだ。しかし、女性に嫌がらせをしないだけでは十分ではない。女性を支援し、誰にとっても職場をよりよくするために、より意識的な行動が必要だ。そのためには、誰の仕事を称賛し、誰の才能に投資しているのかを厳しく見直す必要がある。採用や評価のプロセスから、できる限り偏見を取り除くことも必要だ。さらに、少数派として扱われ、過小評価されがちな女性などの人々に、メンターや後援者として一層力を尽くすことも求められる。
私たちのキャリアは、道の途中で出会った人々が私たちを信じ、そのことを周囲にも伝えてくれたからこそ築くことができた。彼らは、私たちが力を伸ばし、自分の力を証明できる課題を与え、成功するための惜しみない助言をしてくれた。男性が女性を支えるより避けるほうが安全で簡単だと判断したために、新しい世代の女性がそうした支援を受けられなくなるなら、それは女性にとっても、男性にとっても、職場全体にとっても大きな損失となる。
自分自身にも、互いにも、もっと多くを求めよう。そうすれば、誰にとっても真に平等な職場を実現できる。
シェリル・サンドバーグは、Facebookの最高執行責任者であり、LeanIn.Orgの創設者。マーク・プリチャードは、Lean InのパートナーであるP&Gの最高ブランド責任者。

