バイリンガルの人はなぜ言語の切り替えがこれほど簡単にできるのか?神経科学がその答えを示す

A number of 'goodbye' messages in multiple languages.
Bilinguals often mix their two languages together as they converse with one another.Image: Unsplash/ Jacquelin Brandwayn
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  • ニューヨーク大学の研究者らは、バイリンガルの人が言語を切り替える仕組みを解明しつつある。

  • 研究結果は、脳が言語の切り替わりを検知しないため、話者にとってそれが容易であることを示唆している。

  • この研究は、韓国語・英語のバイリンガルの神経活動を対象に実施された。

新たな研究により、バイリンガルの話者において、脳は単一言語内での単語の結合と、異なる2つの言語間での単語の結合に、共通の仕組みを用いていることが示された。

研究結果は、バイリンガルにとって言語の切り替えが自然なものであることを示している。脳は言語が切り替わったことを検知する仕組みを持たず、そのため複数の言語を同時に理解する際にも、途切れのない移行が可能になるからだ。

「私たちの脳は複数の言語を使いこなす能力を備えています」と、研究の筆頭著者であるニューヨーク大学博士課程のサラ・フィリップスは説明する。「言語によって使う音や、文を構成するために単語を配列する方法は異なります。しかし、どの言語にも、複雑な思考を表現するために単語を組み合わせるというプロセスが存在します。」

「バイリンガルはこのプロセスを独特な形で示しています。同じ言語の単語を組み合わせる場合と同様に、異なる言語の単語も脳が容易に組み合わせるのです」と、責任著者であり言語学科および心理学科の教授であるリーナ・ピュルッキャネンは述べている。

米国勢調査によると、米国では推定6,000万人が2言語以上を使用している。しかし、国内外でバイリンガルおよびマルチリンガルが広く見られるにもかかわらず、複数の言語を理解し、話すために用いられる神経学的な仕組みはよくわかっていない。

欧州人の3分の2が、自分はバイリンガルであると回答している。Image: Statista

この領域は興味深いものである。バイリンガルは、互いに会話する際に2つの言語を混ぜて使うことが多く、そのようなやり取りにおいて脳がどのように機能しているのかという疑問を生じさせている。

こうした過程をより深く理解するため、フィリップスとピュルッキャネン(NYUアブダビ研究所にも所属)は、バイリンガルが言語を混ぜた表現を、単一言語の表現を理解する場合と同じ仕組みで解釈しているのか、あるいは、理解の過程で脳が独自の形で「言語を混ぜた」表現に関与しているのかを検討した。

これを検証するため、科学者らは韓国語・英語のバイリンガルの神経活動を測定した。

この研究では、被験者はコンピューター画面上に表示された一連の単語の組み合わせと絵を見た。その後、絵が直前の単語と一致するかどうかを示すよう求められた。単語は2語の文を成すものか、あるいは意味のある句として組み合わさらない動詞の組(例:「icicles melt(つららが溶ける)」対「jump melt(跳ぶ溶ける)」)であった。

一部の試行では2語が単一の言語(英語または韓国語)から取られ、他の試行では両方の言語が用いられた。後者は、言語を混ぜた会話を模したものである。

実験中の被験者の脳活動を測定するため、研究者らは脳磁図(MEG)を用いた。これは、脳で生じる電流によって発生する磁場を記録することで神経活動を可視化する技術である。

記録の結果、韓国語・英語のバイリンガルは、言語を混ぜた表現を解釈する際にも、単一言語の表現を解釈する際と同じ神経の仕組みを用いていることが示された。

具体的には、複数の単語の意味を組み合わせる役割について研究が進んでいる脳の領域である左前側頭葉は、受け取った単語が同一言語のものか、異なる言語のものかに対して反応を示さなかった。

その後、この領域は、2語の意味が組み合わさってより複雑な意味を成す限り、単語をさらに複雑な意味へと組み合わせていった。これらの知見は、バイリンガルにとって言語の切り替えが自然であることを示唆している。脳には、言語が切り替わったことを「認識」しない組み合わせの仕組みがあるからだ。

「これまでの研究では、単一言語内で無限に近い数の表現を、私たちの脳がどのように解釈できるかが検討されてきました」とフィリップスは述べる。「本研究は、バイリンガルの脳が、異なる言語の単語を含む複雑な表現を、驚くほど容易に解釈できることを示しています。」

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