アラブ世界の主要大学を対象とした新たなランキングで、サウジアラビアの大学が上位を独占した。
なぜだろうか。
タイムズ・ハイアー・エデュケーションは今週、2017年のアラブ世界大学ランキングを発表した。キング・アブドゥルアズィーズ大学、キング・ファハド石油・鉱物大学、キング・サウード大学というサウジアラビアの大学が、上位3位を独占している。
上位5校には、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビにあるハリーファ科学技術研究大学とカタール大学も入った。さらにリストを下っていくと、アルファイサル大学(9位)が見つかる。トップ10に入った4校目のサウジアラビアの大学だ。
このランキングは、タイムズ・ハイアー・エデュケーションの 世界大学ランキングに基づき、アラブ連盟加盟国に所在する大学のみを対象としている。
対象となった大学は28校だ。

アラブ世界ランキングの全ランキングはこちらでご覧いただける。
上位を占めたのはサウジアラビアだが、ランキングに最も多くの大学が入った国はエジプトで、合計8校だった。次いでサウジアラビアが4校、ヨルダン、モロッコ、アラブ首長国連邦がそれぞれ3校となっている。

ただし、大学数ではエジプトに及ばないものの、サウジアラビアの大学はすべてトップ10入りしている。同国が地域の他国に先んじるために何をしてきたのか、見てみる価値がある。
サウジアラビアが研究体制に多額の資金を投じてきたことは間違いない。
例えば、キング・アブドゥッラー科学技術大学は2009年に設立されたばかりだが、基金の規模は約100億米ドルに上る。同大学は大学院生のみを受け入れているため、このアラブ世界ランキングの対象ではない。
同国の大学は、研究指標での実績を高めるため、被引用数の多い海外の研究者の招へいにも取り組んできた。
これは、研究協力における同国の国際的な取り組みの一環であり、成果も表れているようだ。例えば、2002年に設立されたばかりのアルファイサル大学は、の国際化指標で非常に高いスコアを獲得している。この指標では、留学生、外国人教職員、国際的な研究の割合を評価する。
石油依存からの脱却
さらに、政府が掲げる「ビジョン2030」がある。石油収入への依存から脱却し、経済を多角化するための野心的な計画だ。
このビジョンに盛り込まれた公約の中で注目されるのは、国際ランキングに基づき、サウジアラビアの大学を少なくとも5校、世界のトップ200に入れるという目標だ。
つまりサウジアラビアは、高等教育を経済の幅を広げる分野と位置づけ、成果を上げるために多額の資金を投じる構えだ。給与や各種手当、大学の施設は高い水準にある。
とはいえ、すべてが順調というわけではない。
ボストン・カレッジ国際高等教育センターの創設ディレクター、フィリップ・アルトバック氏は、に寄稿し、サウジアラビアは世界水準の大学を育成することに大きな力を注いできたものの、「学術職の専門性が持つ可能性を発揮することを極めて困難にし、場合によっては不可能にする構造上・組織上の問題がある」と指摘した。
同氏は、教員の任用を規定する硬直的な公務員制度と、同国に多くいる海外出身の研究者に有期契約を用いていることを、高等教育制度の発展を損ないかねない要因として挙げている。
サウジアラビアが大学5校を世界トップ200に入れるという目標の達成には、現実に乗り越えるべき課題もある。地域別に絞らない現在の世界総合ランキングでは、トップ200に入る大学はない。実際、トップ250に入っているのはキング・アブドゥルアズィーズ大学だけだ。
しかし、のアラブ世界ランキングによれば、サウジアラビアはすでに前進を始めている。同国の有力大学は地域の多くの大学を上回る実績を示しており、世界トップ200のエリート校に加わるまで、あと13年ある。

