乳児は、自分の知らない言語での発話もコミュニケーションのためのものだと認識することが、新たな研究で示された。
この結果は、幼い年齢で言語がどのように処理されるかについて、新たな知見をもたらす。
「1歳の誕生日を迎えるまでに、赤ちゃんは外国語そのものを理解していなくても、外国語が人々の間で情報を伝えられることを理解します」と、ニューヨーク大学心理学部の准教授で、Cognition誌に掲載された研究の著者でもあるアテナ・ヴォルマノスは説明する。
「これは、音声や単語の学習など、言語の形式的な側面に関する乳児の処理と、言語のコミュニケーション面、具体的には情報の伝達に関する処理とが別であることを示しています」とヴォルマノスは述べる。
乳児は母語での発話によって話し手が意思を伝えられると理解していることは、以前から明らかになっている。一方、この理解が母語に限られるのか、つまり、経験のない非母語にも及ぶのかは、はっきりしていなかった。
この疑問に答えるため、ヴォルマノスは、12か月児が複数の方法で意思疎通する人間の演者を見る一連の実験を行った。観察者は、視線など乳児の反応を記録した。視線の長さは、乳児が言語や概念を理解しているかを見極めるために広く用いられる測定方法である。
実験では、乳児は「伝達者」と呼ばれる演者が、2つの物のうち一方を繰り返し選ぶ様子を見た。伝達者が目標の物に手が届かなくなり、もう一人の「受け手」には届く状況で、伝達者は英語(乳児の母語)、リズムが異なるスペイン語、構造が異なるロシア語のいずれかで無意味な語句を発するか、発話ではない発声として鼻歌を歌った。乳児はそれまでスペイン語もロシア語も聞いたことがなかった。
母語か非母語かを問わず、3つの言語すべてで、鼻歌の場合を除き、受け手が目標の物ではなく別の物を伝達者に渡したとき、乳児はより長く見つめた。これに対し、伝達者が鼻歌を歌ったときは、目標の物が渡された場合も別の物が渡された場合も、乳児の視線の長さに差はなかった。
受け手が目標ではない物を渡したときに乳児がより長く見つめたことから、乳児は意思疎通の失敗が起きた、あるいは言葉によるやり取りに何らかの伝達上の意味があると認識していたようだ。たとえそれが母語でなくても、である。
「この結果は、乳児が自分の母語についての具体的な経験を越えて一般化し、どの言語も人々の意思疎通を可能にすると認識できることを示しています」とヴォルマノスは説明する。
「12か月児は、非母語の単語を物と結び付けたり、非母語の音声の違いの大半を聞き分けたりすることは容易ではありませんが、非母語が他者に情報を伝えられることは理解できます」とヴォルマノスは述べる。
米国国立衛生研究所の一部であるユーニス・ケネディ・シュライバー国立小児保健・人間発達研究所が、この研究に資金を提供した。

