THE世界大学ランキングにランクインするアフリカの大学は現在97校で、2012年の4校から増加しました。
政府資金の増額と、国民に対する説明責任の強化が、この改善の重要な要因となっています。
この変革は、大陸からの頭脳流出を食い止め、経済発展をさらに促すでしょう。
10年前、当時ケープタウン大学の学長だったマックス・プライスは、アフリカが世界の大学ランキングで世界最高水準の大学と競い合うべきだと力強く論じました。
「新たな知識の創出が、世界の富裕で強大な国々だけの特権であってはならない理由は十分にある」と彼はタイムズ・ハイヤー・エデュケーション誌に2012年に寄稿しました。アフリカでは、米国主導の世界大学ランキングが発展途上国にとって重要かどうか懐疑的な見方も多くありましたが、プライスは次のように主張しました。「南北間の不平等の問題は、イデオロギー上の問題でも、国家の誇りの問題でもない。オリンピックのメダルランキングとは違う。むしろ、発展途上国がハイテクを基盤とする知識経済へと変貌するなかでの経済発展の問題なのだ。
「これは、他者のイノベーションやアイデアを消費するだけでなく、未来を探求し、形作る側になるということだ」と彼は述べました。
10年後、プライスは自らの主張が正しかったと感じているでしょう。記事が掲載された当時、アフリカの大学でTHE世界大学ランキングにランクインしていたのはわずか4校でした。自身が率いていたケープタウン大学、南アフリカのほかの2校、そしてエジプトの1校です。現在は97校に上り、2022年の71校、わずか5年前の27校から増えています。この変化は目覚ましいものです。
最新のランキングでは、5か国が初めてランクインしました。いずれもアフリカの国で、モーリシャス、モザンビーク、ナミビア、ザンビア、ジンバブエです。ランキングに入ったアフリカの国は現在計17か国で、2018年の9か国、2012年のわずか2か国から増加しました。
上位へと着実に躍進するアフリカの大学
教育、研究、イノベーション、国際化を網羅する世界大学ランキングの13の実績指標全体で、アフリカの大学のスコアは世界平均を上回るペースで上昇しています。研究の影響力(研究論文の引用数で測定)では、ナイジェリアが過去5年間で世界最速の上昇を遂げた国です。

アフリカを世界的な大国へと変革するためのアフリカ連合の「アジェンダ2063」マスタープランは、「世界競争力を高める」ための「高等教育、研究、イノベーションの活性化」を掲げています。アフリカで世界トップレベルの大学群が強化されれば、アフリカ諸国は頭脳流出を食い止めるだけでなく、大陸外から国際的な人材を呼び込むこともできるでしょう。
こうした大学は、対内投資や強力な国際研究連携を呼び込みます。活気に満ちた変革を遂げる知識主導型経済に向けて、アフリカの人々が新たな知識の創出と技術革新の最前線に立てるよう支えるでしょう。また、アフリカの優秀な人材を育み、生産的で社会参加意識の高い次世代の市民を育て、平和と強固な民主主義を支えることにもつながります。
ナイジェリア国家大学ランキング委員会(NURAC)委員長で、イノベーションのためのグローバル大学ネットワーク(GUNi-Africa)会長を務めるピーター・オケブコラ氏は、アフリカの大学がランキングで目覚ましい躍進を遂げた背景には、いくつかの重要な理由があると述べています。
第一に、大学では「世界水準」を目指す戦略的な取り組みが大きく進み、その志が戦略目標や機関の使命に組み込まれ、実践の改善を促してきました。一方で、社会からの圧力も高まっていると同氏は説明します。「ランキング下位の大学は報道機関やソーシャルメディアで嘲笑され」、アフリカで限られた公的資金をめぐる説明責任は「これまで以上に厳しく問われる」のです。

しかし、おそらく最も重要なのは政府主導の後押しだと同氏は言います。「研究とインフラ整備に向けた特別措置を通じて資金が増額」されており、特にガーナ、エジプト、ケニア、ナイジェリア、南アフリカで顕著です。また、「ブランド効果」により成功がさらなる成功を生み、世界ランキングの上昇が留学生や研究助成金を呼び込み、さらなる順位上昇を後押しします。
オケブコラ氏によると、ナイジェリアでは世界ランキングの向上を目指す2030年までの戦略計画に約60億ドルが投じられ、「ナイジェリアの大学が世界ランキングで注目を集めるまでの歩みを加速させると期待されている」といいます。
オケブコラ氏によれば、アフリカの大学が世界ランキングで成功を収めているもう一つの重要な要因は、実績分析のためにデータを収集・活用する文化が広がっていることです。各国のランキング制度や実績指標の登場が「健全な競争を促し、国内のトップ大学を生み出している。そうした大学は、世界ランキングでも際立った実績を上げている」といいます。
この新たなデータ収集とベンチマークの文化を支えるため、サハラ以南のアフリカでは、アフリカで開発され、アフリカのニーズに応える独自の新ランキングが導入される予定です。マスターカード財団とTHEが支援しています。サハラ以南アフリカ大学ランキングは資源とインフラ、アクセスと公平性、教育と卒業生の就職状況、学生の参加、アフリカへの影響(大学が国連の持続可能な開発目標にどのように貢献しているかの評価を含む)を網羅する指標を採用します。
THEでは、この新たな実績評価の枠組みが、アフリカの大学が大陸の大きな潜在力を実現するうえで欠かせない役割を果たす助けとなることを願っています。オックスフォード大学の高等教育学教授サイモン・マーギンソン氏は、世界ランキングで現在アフリカが躍進していることは歓迎すべき動きだと述べています。
「これは、アフリカの科学技術が世界の科学システムや高等教育ネットワークと、より効果的につながっていることを意味します。それによって活動と認知度の双方が高まり、さらに結びつきが強まるという好循環が生まれます。」
ガーナの元大統領でアフリカ連合の元議長でもあるジョン・クフォー氏も、かつてこう述べています。「教育、とりわけ高等教育は、アフリカをグローバル化の主流へと導くでしょう。」

