難民を雇用し、その物語を伝えるバルセロナのレストラン

Gaudi's Sagrada Familia and Barcelona's skyline are seen against the backdrop of a snow-covered mount after a snowstorm March 9, 2010. REUTERS/ Albert Gea (SPAIN - Tags: ENVIRONMENT CITYSCAPE) - GM1E6391P7R01
Restaurant, culinary school and part publishing house.Image: REUTERS/ Albert Gea (SPAIN - Tags: ENVIRONMENT CITYSCAPE) - GM1E6391P7R01
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スペインの中世の広場の一角にひっそりとたたずむ型破りなレストランが、難民を訓練し、その物語を伝えている。移民の人生と、移民に対する人々の見方を変えることを願ってのことだ。

Espai Mescladisはレストランであり、料理学校でもあり、出版社の役割も担っている。

ベネズエラ、セネガル、パキスタンなど遠方から来た移民に料理やケータリングを教え、就職やカタルーニャ社会への溶け込みの機会を広げている。研修生は亡命申請の書類作成も支援してもらえる。客は、見知らぬ土地で新しく暮らし始め、無一文で不安を抱えるとはどういうことかを知ることができる。

この社会的企業は2005年、アルゼンチン出身の起業家マルティン・アビアゲによって設立された。ベルギーの人道支援団体でのボランティア活動をきっかけに、移民支援への関心を深めた。

「移民のことにはずっと関心がありました。私自身ここでは移民ですし、私の家族も何世代も前からヨーロッパからアルゼンチンに移住してきました」と、彼はインタビューで語った。

多くの西側諸国で移民への不信感が高まるなか、アビアゲは、移民が「文化に豊かさをもたらす」という肯定的な側面を強調することが大切だと述べた。

コンサルティング業を離れた後、30代でMescladisを設立した。食べ物は人々を結びつけるため、レストランを選んだという。

「レストランの仕事は言葉より行動が中心です。だから人々を結びつけやすいのです」と、彼はトムソン・ロイター財団に語った。「それに、誰もが食べ物を愛しています。」

毎年約80人の学生が「Cooking Opportunities(料理の機会)」と呼ばれる料理コースに参加し、受講中はレストランやカタルーニャ州の州都にあるほかの飲食店で研修する。

2018年6月8日、スペイン・バルセロナのエル・ボルン地区にあるMescladisレストランの厨房で働く難民と移民。Image: トムソン・ロイター財団/ソフィー・デイヴィス

歓迎されない人々

2014年以降、180万人を超える移民がヨーロッパに入ってきた。亡命申請の受け入れが最も多いのはギリシャとイタリアで、スペインが受け入れるのは申請全体のわずかな割合にとどまる。

しかしスペインでは、より多くの移民を受け入れることへの世論の支持があり、とりわけ豊かなカタルーニャ地方でその傾向が強い。

今月、スペイン政府は、イタリアとマルタに受け入れを拒まれた救助船アクエリアス号に乗っていた数百人の難民と移民を受け入れることに合意した。

バルセロナ市議会は今週、船に乗っていた629人のうち100人をカタルーニャ州の州都で受け入れると発表した。

スペインで亡命を求める移民は、申請の審査に7年かかることもある。その間、多くの人が生計を立てるため、日雇い労働や路上販売のような違法行為に頼る。

仕事がないまま新たな土地で自活するのは難しいと、アビアゲは語った。「初めてここに来たとき、ヨーロッパでの移民の扱いに衝撃を受けました。」

詩人ゆかりの場所

荒れた広場の片隅にあるMescladisは、活気にあふれ、風変わりな雰囲気だ。壁にはここを訪れた人々の写真が掛かり、棚には世界各地から集めた個性的な品々が並ぶ。

Image: トムソン・ロイター財団/ソフィー・デイヴィス

1860年に敬愛されるスペインの詩人、ジョアン・マラガイが生まれたこの広々とした建物は、アビアゲがレストランに変えるまで長く放置されていた。

現在は学校の卒業生14人を雇用し、コースの研修生も絶えず受け入れている。

レストランのマネージャーを務めるセネガル生まれのソリー・マラミネは、6年前に船でスペインに到着し、2010年に料理コースを修了した。

33歳の彼は仕事が見つからず、汚職の深刻さにも嫌気が差して故郷を離れた。まずスペイン南部で建設作業を試み、その後北上してバルセロナに移った。

「ここに着いたばかりのころは、仕事を見つけるのが本当に大変でした。ほぼ1年間仕事がなく、書類も持っていなかったので、さらに難しくなりました」と、彼はトムソン・ロイター財団に語った。

国際慈善団体カリタスが、彼にMescladisを紹介した。

「『わあ』と思いました。自分が誰で、どこから来たのかなど何も聞かずに雇ってくれる場所は、そこだけだったからです」と彼は語った。

今では、同じような問題に直面する人々を支援し、乗り越えることが可能だと示すのを楽しんでいる。

「人間的なつながりがあるので、ここで働くのが好きです。一日の終わりには、仕事というより家族のように感じます」と彼は語った。

チームは日頃から一緒に座って食事をする。多くの社会生活から締め出されている移民にとって、大切な習慣だと彼は言う。

むかしむかし

食を通じて障壁を取り除くだけでなく、アビアゲはMescladisで働く人々の物語を伝えたいと考えている。写真展や漫画などの取り組みを通じて、スタッフを一人ひとりの人間として知ってもらうことを目指す。

『クシュブへの贈り物』というグラフィックノベルは、しばしば危険にさらされながらバルセロナを目指した9人の亡命希望者の物語を描く。タイトルの由来となったクシュブはMescladisで働いており、本に登場するほかの人物の一部も同様だ。

Mescladisは今月、クラフトビールの販売も始める。アビアゲは、製造、マーケティング、流通の仕事を通じて、卒業生の就業機会が広がることを期待している。

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