住宅市場を見る際には、賃料にももっと注目すべきだ

A "For Rent" sign is posted outside a small apartment complex in Carlsbad, California, U.S., January 18, 2017. REUTERS/Mike Blake
Rents have remained relatively flat in most capital cities over the last decade.Image: REUTERS/Mike Blake
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不動産価格が上昇していると、一般に需要に対して供給が不足しているに違いないと考えられています。住宅の手頃さをめぐる問題を解消するには、結局のところ住宅を建設して解決するしかありません。入門経済学の授業を受けた人なら誰でも言うように、基本的な経済学から少なくとも示唆されるのは、価格が長期的に上昇しているなら、供給が需要に追いついていないはずだということです。

住宅市場が主に需給の力に左右されるのは確かです。この議論の問題は、経済学入門で教わる需給の枠組みに欠陥があると見なされる点にあるというより、適切な「価格」指標が不動産価格ではないという点にあります。それは賃料です。

住宅の「価格」とは何か?

供給不足を示す「価格」のシグナルとして不動産価格の上昇に頼ることの問題は、持ち家として購入される住宅が、消費財であると同時に投資財でもあることです。住む場所を提供するだけでなく、所有者が資産のかなりの部分を投じる対象でもあります。したがって、不動産価格は、住むための住宅の需給バランスを示す指標としては、せいぜい不明瞭なものにすぎず、また所有する資産としての住宅についても同様です。

住宅サービスの需要に対する供給の充足度を示す「価格」シグナルは賃料であることが、住宅経済学の文献では広く確立されています。賃料は住宅を消費する費用、言い換えれば住まいで暮らす費用を反映します。したがって、住む場所としての住宅の需要に供給が追いついていないなら、賃料の上昇が見られるはずです。

賃料は不動産価格の上昇に追いついているのか?

下のグラフが示すように、オーストラリアでは不動産価格が長期にわたって明らかに急上昇しています。

住宅不動産価格指数(RPPI)は、インフレ調整後の全州都の平均で、2008~18年にかけて約30%上昇しました。実質RPPIがそれぞれ54%、43%上昇したシドニーとメルボルンの不動産価格が、この平均上昇を大きく押し上げました。

しかし、住宅経済学の原則によれば、これを供給不足に帰することができるのは、賃料も大幅に上昇している場合に限られます。

実際には、過去10年間、ほとんどの州都で実質賃料は比較的横ばいでした。下のグラフは、過去10年間における全州都の寝室3室の住宅の実質週額賃料を示しています。加重平均の上昇はわずか10%で、389ドルから429ドルとなりました。

寝室2室のユニット住宅についても、実質週額賃料の平均は393ドルから446ドルへと小幅に上昇しました。10年間で13%という緩やかな伸びです。

全州都で実質RPPIが約30%急上昇したのに比べ、実質賃料の上昇は比較的小幅でした。都市間にも違いはありますが、実質賃料が目立って上昇したのはシドニーだけです。それでも、同市の実質RPPIの急上昇には及びませんでした。

住宅取得の手頃さをめぐる危機の核心に取り組む

総じて、オーストラリアの主要な州都すべてで、賃料の上昇は高騰する不動産価格に明らかに追いついていません。したがって、住宅不足が手頃な価格の住宅の不足を引き起こす主因だという主張には根拠がありません。供給側の対策も重要ですが、住宅需要を満たすために民間賃貸市場で競争するのが難しい低所得層を直接対象にする必要があります。

一方、歴代政権は住宅資産に優遇税制を適用してきました。これにより、住宅資産における富の大幅な蓄積が促されました。

こうした税制上の優遇措置の一部は、間違いなく不動産価格の上昇に織り込まれてきました。その結果、賃借人が住宅所有市場に参入することはますます難しくなっています。

これらは税制の枠組みに組み込まれた構造的な問題です。したがって、政策立案者が、住宅を商品として扱うことから、すべてのオーストラリア人の基本的権利として手頃な価格の住宅を確保することへと重点を移す実質的な税制改革に取り組まない限り、住宅価格への影響が近いうちに自然に消えることはありません。

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