世界の森林を救うために民間投資が必要な理由

世界の森林を救うために民間投資が必要な理由
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世界で減少しつつある森林を保護し、小規模農家の生産性を高めるには、毎年数千億ドルが必要になる。ロンドンで開かれた会議で専門家らは、政府や慈善団体には支出できない額だと述べた。

民間投資家がその不足分を補える可能性はある、と専門家らは語った。ただし、環境保護の専門家と金融の専門家が連携し、地上で望ましい変化を生み出すうえで効果的かつ金融的にも魅力のある投資商品をつくることが条件だ。

「投資先を探している資金は何兆ドルにも上る」と、クレディ・スイスで長年投資銀行業務に携わったマーク・バローズ氏は述べた。

政府や慈善家が必要額の「ごくごく一部」しか提供できないため、投資家に世界の「ランドスケープ」の保護へ資金を投じてもらうことが極めて重要になる、と同氏は述べた。

「民間セクターがなければ、皆さんの取り組みは非常に高潔なものになるでしょう。

しかし、高潔であるだけでは望む成果は得られません。そのことを理解するのが重要です」と、同氏はロンドンの王立協会で開かれた、世界の「ランドスケープ」への投資に関する会議で森林・農業の専門家らに語った。

しかし、世界をまったく異なる視点で見る人々を効果的に結びつけるのは、大きな課題になると会議の出席者らは認めた。投資家にとって「エクイティ」は「所有権」を意味する一方、環境保護の専門家や小規模農家にとっては「公平性」を意味する。

森林業や農業に携わる地域社会との関係づくりは、「融資可能なプロジェクトを開発するうえで最も難しい部分だ」と、世界銀行で環境・天然資源問題を統括するビル・ラヒル氏は述べた。

プロジェクトを成功させるには、立ち上げる側が現地で何が起きているかを把握し、土地の保有権などをめぐる対立に対処する用意が必要だと同氏は語った。

富裕国が貧困国や地域社会に資金を支払い、森林を保護してもらう見返りに取引可能な炭素クレジットを受け取る、国連支援の取り組み「REDD+」の初期実験は、さまざまな問題に直面している。

問題には、炭素クレジットの価値の暴落や、プロジェクトの設計段階で十分に協議されなかったと感じた一部地域社会による拒否が含まれる。

国連が支援する「森林減少・劣化由来の排出削減(REDD)」の取り組みによって多くの森林を効果的に保護できると期待するのは、「単純化しすぎていた」と、欧州投資銀行のジェームズ・ラナイヴォソン氏は述べた。

「解決策は、地域の実情にきわめて即したものでなければなりません」と、開発金融に重点を置くフランクフルト拠点の投資グループ、Finance in Motionのマネージングディレクター、エルヴィラ・レフティング氏は語った。

「これが実行可能なのか、望む効果があるのか、公平な取引なのかを理解する必要があります」と同氏は付け加えた。

エチオピアの農家で世界農業者機構のメンバーでもあるダニエル・ガド氏は、一部の国で投資家を引きつける市場金利で小規模農家に融資することが適切なのか疑問を呈した。

市場金利での借り入れは、ほかに利用できる資金源が地元の非公式な金貸ししかない場合、それより低コストになる可能性があると同氏は述べた。

しかし、「農家が無担保融資で最大35%の金利を払わざるを得ない状況では、深刻な問題に向かっています」と警告した。

「グリーン」を熱望

会議に参加した投資専門家らは、不確実なリスクから長期プロジェクトに対する早期収益の要求まで、森林や小規模農業への民間投資を拡大するうえで、さまざまな障害があると述べた。

多くの、しかも国ごとに異なる小規模プロジェクトに対応することも問題になり得るという。

「すべての取り組みが民間資金で賄えるわけではありません」と、農業と森林に重点を置くプライベートエクイティファンド、 テラ・ベラ・ファンドを率いるレスリー・ダーシンガー氏は述べた。

多くの場合、商業投資家のリスクを軽減するには寄付者や政府の資金が必要になると同氏は語った。また、小規模農業や森林保護から商業規模で収益を得る方法を見つけること自体、非常に難しい場合がある。

明るい兆しとして、サプライチェーンにおける森林減少を抑えるよう求める圧力が多くの企業で高まっており、持続可能な農業などに「非常に真剣に取り組む」ようになっていると、食品会社ダノンのサステナビリティ責任者、ベルナール・ジロー氏は述べた。

また、十分なリターンが得られるなら、投資家は「グリーン」投資に資金を投じることをいとわず、むしろ積極的ですらあることを示す証拠があると専門家らは語った。

クレディ・スイスのサステナビリティ担当バイスプレジデント、ファビアン・ヒュウィラー氏によると、同氏の投資グループは、市場並みのリターンが得られれば、富裕層の投資家や年金基金がプロジェクトに年間2,000億~3,000億ドルを投じられると考えている。

自然保護には年間3,000億~4,000億ドルが必要とみられ、そのうち相当な割合を占める額だと同氏は述べた。現状、世界がこうした取り組みに費やすのは、主に公的資金と慈善資金からの約500億ドルだという。

必要な資金を呼び込むには、森林・農業の専門家と銀行家が互いの言葉を学び、双方にとって機能する金融商品をつくる必要があると、 クライメート・チェンジ・キャピタルの共同創業者ジェームズ・キャメロン氏は述べた。

「利害を結びつける大きな可能性があると思います」と同氏は語った。

この記事は、 トムソン・ロイター財団 trust.org との協力により掲載しています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持していることを意味するものではありません。

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著者:ローリー・ゲーリングは、気候変動が人道・開発分野に及ぼす影響を扱うトムソン・ロイター財団のニュースサイト「AlertNet Climate」の編集者。

画像:女性が犬とともに森の中をジョギングしている。REUTERS/Stoyan Nenov。

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