貧困対策の手段としてのオープンデータを、より賢く活用する必要がある理由

貧困対策の手段としてのオープンデータを、より賢く活用する必要がある理由
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数年前、開発関係者の間で話題の中心だったのは、政府が膨大なデータを一般に公開することでした。それによって市民は意思決定者に説明責任を求められるようになり、汚職が減り、公共サービスの提供が改善すると期待されていました。

今日、ガバナンスや透明性の専門家に、オープンデータが人々の暮らしの改善にどのような影響を与えているか尋ねると、返ってくるのは逸話です。

フィリピンには、 Check My School があり、保護者は予算関連文書を確認し、政府が約束した教育サービスが実際に提供されているかをオンラインで報告できます。またウルグアイでは、 At Your Service によって、市民は医師の評価や診療料金を確認できます。

しかし、オープンデータによって政府の効率性と応答性が飛躍的に高まるという期待を裏付ける確かな証拠は、驚くほど見つかりません。

皮肉なことに、それを証明するデータがまだないのです。

ニューヨーク大学の ガバナンス・ラボ の共同創設者、ステファーン・フェルフルスト氏によると、問題の一つは、データのデジタル化、標準化、公開に多くの時間と資金が投じられた一方で、オープンデータでどのような問題を解決できるかを特定するための時間はあまり割かれなかったことです。

その結果、オープンデータは賢く活用されず、供給が需要を上回っています。明確な目標がなければ成果を測るのは難しいと、同氏は先週、オープンデータの影響を明らかにするために開かれた世界銀行の会議で述べました。

「まず、どのような価値を生み出したいのかを特定する必要があります」とフェルフルスト氏は述べました。

その一つの方法は、関係者を集めて政府データにどんな宝が隠れているかを話し合い、それを掘り起こすための革新的なアイデアを共有することだと、 Open Data Enterprise の代表で、ホワイトハウスのスマート・ディスクロージャー担当グループの元責任者であるジョエル・グリン氏は言います。実際、グリン氏は、政府データのうち本当に価値があるのは20%にすぎないかもしれないと考えています。

たとえば同氏は、産業界と政府の交通専門家によるブレインストーミングを主導しました。参加者は、高速道路の事故データと病院への入院者数を使えば、命を救ううえで最も効果的な車両安全要件を分析できると気づきました。

「最も大きな価値が見込まれるところに、焦点と分析を向ける必要があります」とグリン氏は述べました。

オープンデータの価値が、予想外の場所で見つかることもあります。

識字率が70%であるシエラレオネでは、政府データの公開は優先度が低いように思われるかもしれません。しかし同国の オープン・ガバメント・イニシアチブのディレクター、カディジャ・セセイ氏は、実際はその逆だと言います。

セセイ氏は国内各地を訪れ、村人や首長と会い、ラジオの電話参加番組を実施し、携帯電話のテキストメッセージを送って、政府が人々の税金をどのように使っているかを説明します。また、市民がどのようなサービスを望んでいるか意見を募り、政府が提供するサービスをデータで確認する方法も伝えています。

そうすることで、セセイ氏は人々の暮らしにおける政府の役割をめぐる国民的な対話を促しています。それは信頼を築き、1991~2002年の内戦へと拡大し、エボラ危機を深刻化させた類いのうわさや誤情報を抑えると、同氏は述べました。データは平和構築の手段になりつつある、とセセイ氏は言います。

セセイ氏とグリン氏の双方の手法に共通しているのは、伝え手の役割です。専門家が「インフォメディアリー」と呼ぶ、データを分析して市民や政府職員に伝え、その結果を、提言活動であれ意思決定であれ、各自の仕事に反映させる人のことです。

データをより賢く活用する方法がなければ、その影響は潜在力に届かないままでしょう。

今ほど重要な時期はありません。国際社会は、2030年までに極度の貧困を終わらせるための新たな開発目標17項目を採択しようとしています。今後15年間で、目標達成のために数十億ドルの開発資金が投入されることになります。

これらの目標の進捗を測るにはデータが欠かせません。しかし、賢く活用すれば、それ以上のことができます。貧困対策の成果を高める解決策の特定に役立つのです。

この記事は、 トムソン・ロイター財団との協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが本記事の見解を支持することを意味しません。

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著者:ステラ・ドーソンは、トムソン・ロイター財団のガバナンス・反汚職担当主任記者です。

画像:ノートパソコンを持つ男性に二進コードが投影されたイラスト。REUTERS/Kacper Pempel。

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