差別がビジネスに悪影響を及ぼす理由

差別がビジネスに悪影響を及ぼす理由
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ダボスで開催された当フォーラムの 2015年年次総会 での議論では、性的指向を理由とする差別への取り組みの重要性が強調されました。残念ながら、こうした差別は今も世界の多くの国で起きています。

世界経済フォーラムでは、主に経済的な観点から差別を考察しています。性別、民族、国籍、性的指向、その他いかなる属性を理由に人々を差別する国や企業が、その潜在能力を最大限に発揮できないことは明らかです。

差別はビジネスに悪影響を及ぼす

こうした差別は、非道徳的であるだけでなく、経済にも悪影響を及ぼします。人材の確保がますます困難になるなか、国が人材をどのように活用するかが、その競争力と経済全体のパフォーマンスを左右します。健全なビジネス環境があれば、企業はより幅広い人材層にアクセスできます。

社会の中で周縁化された集団を差別する国は、イノベーションも起こりにくい傾向があります。異なる人々の間でアイデアを交換することで新たな発想が生まれ、それが新しいビジネス機会や製品、サービスにつながります。

最近の報告書では、 都市の競争力について、都市の開放的で寛容な環境がアイデアの創出と普及を促し、それが競争力と経済成長を支えるイノベーションに寄与すると指摘しました。

その例として、ロンドン、ベルリン、ニューヨークのような、多様性に富み寛容な都市が挙げられます。これらの都市は世界のイノベーションを先導し、クリエイティブ経済の主要拠点となっています。寛容な都市や国は、利用可能な人材を効率的に活用するだけでなく、その多様性と寛容な環境によって、世界中の人材にとって魅力的な居住地となります。寛容さと開放性は、国に大きな競争優位性をもたらします。差別禁止方針を導入している企業は、人材へのアクセスが向上し、離職率も低くなります。

多様性を測る

寛容さと開放性は多様性をもたらします。これは、人的資本に関連する複数の指標を通じて、 『世界競争力レポート』 に反映されています。差別の欠如を直接測定できるデータがないため、国が人材を引きつけ、定着させる力や、企業の役職が実力主義に基づいて割り当てられている度合いなど、成果を示す指標を用いています。

差別がないこと、寛容さ、多様性が、イノベーションやアイデアの創出・交換を促す要因であることをより直接的に捉えるため、現在、対象とする144の経済圏における職場の多様性の状況を示す指標を探しています。

より優れたデータがあれば、組織は各国の寛容さや社会集団への非差別の度合いを比較できるだけでなく、実証研究の基盤も得られ、経済発展における寛容さの重要性を明らかにできます。

当フォーラムは、道徳的および経済的な理由からジェンダー平等が重要であることを、10年以上にわたり、 『世界ジェンダー・ギャップ報告書』を通じて効果的に訴えてきました。同じ論理は、社会の他の集団にも当てはまります。差別に取り組まず、人々が自らの才能を十分に活用できないようにする国や、市民の権利を制限する国は、競争力を大幅に損ないます。

著者:マルガレータ・ドルゼニエク・ハヌーズは、世界経済フォーラムの世界競争力・ベンチマーキング・ネットワークのディレクター兼主任エコノミストです。

画像:2011年6月18日、ブダペストで毎年開催されるゲイ・プライド・パレードの最中、地面に傘の影が映る。ロイター/ラースロー・バログ

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