インドは数週間後に全国選挙を控えており、主な政治課題は縁故資本主義、経済成長の鈍化、失業の増加、基本的インフラの欠如、そして統治の悪さである。そして、それこそが明るいニュースである。
アイデンティティ政治は全国レベルの選挙で勝利を収めてきたが、成長とガバナンスの問題はそうではなかった。2004年には、開発面での実績を訴える選挙運動を展開したにもかかわらず、与党連合が選挙に敗れた。敗北の主因は政治的な提携関係にあったが、各政党はそれを開発に反対する投票だと誤って解釈した。
成長とガバナンスを政治論争の中心に戻すことが強く求められている。インドは2009年に年間GDP成長率10%を目標としていた。今年はわずか5%に届くかどうかという水準である。混乱をもたらす選挙の年であるため、2014-2015年も好転する見込みは薄い。
産業界の困窮と有権者の不満により、全国の政党は成長課題に注力せざるを得なくなっている。新政権にとっての重要目標は、マイナスに転じた国内工業生産を食い止めることである。企業心理の回復以上に、工業活動の改善は雇用創出にとって極めて重要となる。
国内企業のうち、なお拡大する意欲と勢いを持つ企業は、インドの外に目を向けている。今年のダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会では、私が面会した多くのインド産業界リーダーが、国内成長を犠牲にしてでも海外投資を計画していた。今年5月にニューデリーの政権を担う次期政府は、この問題への取り組みを最優先課題としなければならない。
不十分なガバナンスと透明性の欠如が、インドの成長の勢いに深刻な打撃を与えてきた。統治の不備は議会から始まっている。下院であるローク・サバーの現会期は、業績指標に基づき最低と評価されている。ローク・サバーが機能したのは全体の時間の60%にすぎず、80%を超えて機能していた過去の会期に比べ低い。
与党連合と野党は5年の任期を通じて膠着状態が続き、70件を超える法改正が承認されなかった。行政の無気力により、執行レベルでの意思決定が遅れている。投資額が数十億ドルに上る重要なインフラ事業の多数が、認可を待っている。天然資源の疑わしい配分を可能にした不透明な政府手続きは汚職の指摘を招き、意思決定の停滞をさらに助長した。
透明性のある調達および配分ルールの策定も、新政権にとってもう一つの重要課題となる。既存政党は、新興の若い政党から、縁故資本主義を助長しているとの非難を受けている。こうした非難は、市民社会の産業界に対する信頼を損なってきた。この溝を埋めるには、政策立案の透明性が不可欠となる。
過去2年だけでも、50万人の若いインド人が失業者の列に加わった。若年層の失業率は全国平均より高い。雇用への不安の高まりは、消費者基盤の縮小と需要の減少につながっている。
各政党が世界最大の市場型民主主義の権力を争う中で、2億8,500万人の若いインド人の期待に応えることが求められる。この数百万人は空疎なレトリックでは満足しない。彼らは成長とガバナンスを重視する政党を強く求めるだろう。これらを重視する政党が選挙に勝つ可能性が高い。
著者:プランジャル・シャルマは、インドのBusinessworldでコンサルティング・エディターを務め、世界経済フォーラムの インドに関するグローバル・アジェンダ・カウンシルメンバーでもある。Twitterでフォロー @pranjalsharma
画像:インド西部の都市アフマダバードの駅で、旅客列車の非常用窓から顔をのぞかせる少女 REUTERS/Amit Dave



