2015年はロシアにとって景気後退の年になる見通しで、経済成長率はマイナス2~4%の範囲に収まる可能性が高い。
世界銀行の最新予測 では、6月時点で2.7%の縮小(原油価格を1バレル58米ドルと想定)を見込んでおり、 3.8% (1バレル53米ドルを想定)から上方修正された。
成長率は2015年第2四半期に底を打ち、年後半には緩やかに回復する可能性が高い。2016年以降については、予測が分かれているようだ。より速い景気循環的な反発を想定するアナリストもいれば、低成長が長期化すると見るアナリストもいる。下のグラフを参照されたい。
しかし、問うべき重要な点がある。ロシアの中期的な成長経路はどうなるのか。そして、原油価格以外に、成長を最も左右する要因は何だろうか。
ロシアの成長は、主として構造改革にかかっていると私は考える。とりわけ2016~2018年については、改革がどれほど迅速かつ広範に実施されるかが鍵となる。これは、 2014年9月の更新記事で示したとおりだ。

ロシアが新たに改定した 経済改革枠組み (ロシア語版)には大きな期待が寄せられる。今日の経済が直面する主要な構造的課題の多くに取り組むという幅広い公約を掲げ、全体として民間投資と起業家精神の促進を目指している。
具体的に、この枠組みは次の公約を掲げている。投資とイノベーションにより良い条件をもたらす、より競争的な環境の整備、労働力・資本・エネルギー資源の効率性の向上、予算支出の有効性を高める政府機関の質の向上、そして経済における国家の関与の縮小である。
これらの目標の達成に向けて一丸となって取り組めば、今後数年間のロシアの成長を押し上げ、経済の安定化と調整を加速させる助けとなるだろう。
しかし、公約が具体的な政策行動計画に結びつくかどうかは、依然として不透明だ。政府が新たに提示する2016~2017年の予算案から、さらに多くのことが分かるだろう。公表される9月を待ちたい。
重要な改革が約束されているとはいえ、重大な疑問が浮かぶ。2018年の次の選挙を経ても、こうした改革をやり遂げるだけの政治的決意があるのだろうか。一つ確かなのは、ロシアの中期的な成長見通しは、構造改革措置の質と改革実施計画の構成によって形作られるということだ。
これまでに政府が示した公約を踏まえると、改革の加速が予想される。
何より重要なのは、改革措置が民間部門の信頼感を高め、投資の伸びのより速い回復につながることだ。とりわけ、外部環境が後押しすればそうなるだろう。原油価格が安定すれば、中央銀行は金融緩和をより速いペースで続け、信用コストを引き下げられる。また、信用へのアクセス改善と通貨切り下げ期待の後退により、家計消費もより速いペースで増加するだろう。
このシナリオでは、2016年の成長率は0.7%に達し、2017年には2%を超えると予測する。一方、構造改革の取り組みが遅れれば、2016年の成長率はゼロ近辺にとどまり、2017年も1.0~1.5%にとどまる可能性が高い。
最終的には、ロシアの中長期的な見通しは、近い将来に成長の潜在力を生み出すための自国の政策努力によって決まる可能性が高い。
この記事は当初、 世界銀行のブログ「ユーラシアの視点」に掲載された。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味しない。
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著者:Birgit Hanslは世界銀行の ロシア連邦担当主任エコノミストであり、欧州・中央アジア地域の貧困削減・経済運営ネットワークにおける国別セクター・コーディネーターを務める。
画像:2012年11月1日、モスクワで式典が開かれ、欧州一高い超高層ビルとして紹介された後のモスクワ国際ビジネスセンターとマーキュリー・シティ・タワー(右)の全景。REUTERS/Sergei Karpukhin。

