Grexitはユーロ圏に何をもたらすのか?

Grexitはユーロ圏に何をもたらすのか?
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ギリシャと債権者の対立は、最終局面に近づいています。
ギリシャがユーロを離脱する可能性はどの程度でしょうか。これまでになく高まっています。EUでは瀬戸際外交が国民的なスポーツのようなものですが、交渉可能な範囲は限界に達しています。

銀行システムは、7月5日の国民投票まで事実上停止されています。 これは、 6月29日月曜日に資本規制が導入されたことを受けたもので、欧州中央銀行が 凍結した 緊急流動性支援が現行水準にとどまっていることが原因です。否決となればギリシャが債務超過状態にあることは誰もが知っています。その場合、ユーロ圏諸国が救済合意を再交渉するとは思えません。したがって、否決はおそらく終わりの始まりとなるでしょう。

救済合意を支持する賛成票となった場合、 直近の声明 から明らかなように、ギリシャでは政治危機が起きるでしょう。政権は、自ら受け入れられないとみなす追加緊縮策を実施したくないでしょう。また、 一部の経済学者が ギリシャ経済の苦境を悪化させたと見る追加緊縮策です。(ギリシャのGDPは2008年から2015年の間に 縮小し、 25%減少しました。)その結果、ギリシャで政治的行き詰まりが生じ、危機が先送りされるだけとなる可能性があります。

否決がもたらす展開

Grexitが起きれば、代償なしでは済みません。(大幅に切り下げられた)ドラクマに戻っても、競争力が一夜にして高まるわけではありません。EUに対するギリシャのGDPデフレーターで測った競争力の水準は、2014年以降すでに 実質的に 8~9%低下しています。しかし、それ以上の低下が必要であり、その前の10年間にギリシャの競争力が失われたことを踏まえると、純輸出に反映されるまでには長い時間がかかるでしょう。

2012~13年に キプロスで見られたように、 大規模な資本逃避が すでに ギリシャから起きています。資本規制が100%有効になることはありません。

債務超過に陥った銀行部門を抱えるなかで、景気回復も困難になるでしょう。新通貨の導入に伴う信用収縮が解消するには時間がかかります。Grexit後にギリシャは債務を再交渉できるものの、この分野での交渉力は、予算黒字を達成できるかどうかに大きく左右されます。新たな借り入れから事実上締め出されるためです。問題は、信用収縮後に予測される予算黒字がどれほど確かなのか、ということです。

ユーロ圏にも相当なコストが生じるでしょう。波及リスクに対処するため、ユーロ圏の財務相とECBは、南欧諸国の国債利回りがドイツ国債利回りに対して上昇し、ユーロ圏のさらなる瓦解を招くのを防ぐべく、あらゆる手段を講じる必要があります。 また、 ギリシャ救済に資金を拠出したユーロ圏各国政府には大きな損失が生じるでしょう。ECBが追加的なマネタリーベースを創出したことにより、各国の中央銀行にも損失が生じます。損失はECB制度における各国の規模に比例し、ドイツは26%弱、スペインは13%弱となります。

皮肉なことに、Grexitが起きれば債権国は、持続不可能なギリシャ債務の部分について再交渉を迫られ、その債務の一部を回収しようとして、より持続可能な債務水準に到達することになるでしょう。今回の危機における当事者間の交渉が、なぜそこから始まらず、ギリシャの予算黒字に関する短期目標に焦点を当ててきたのか、問わずにはいられません。

その理由は、疑いなく、債務再編が より広範なユーロ圏政治に 影響を及ぼしていたからです。しかし、それでは、そもそもユーロ圏の根本的な設計上の欠陥が危機を引き起こしたという事実が見過ごされています。

より大きな問題は、Grexitによって財政問題に関するユーロ圏の主権共有のあり方が根本的に変わるのか、それともGrexitがさらなる分裂の前触れにすぎないのかということです。ユーロ圏の制度設計は何も変わらない可能性が高く、それは今後も問題を生むことを意味します。特に、将来、より大きな経済規模の国がギリシャと同様の困難に直面した場合です。

この記事は当初、 The Conversationに掲載されました。 元の記事をお読みください。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者: Anton Muscatelli は、 グラスゴー大学の学長兼副総長です。

画像:夕暮れ時、アテネ中心部にあるギリシャ財務省の建物の上で、ギリシャ国旗の隣にはためく欧州連合旗。REUTERS/Yannis Behrakis。

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