ほぼ二十年を経て、COP21気候変動会議の交渉担当者は、 地球温暖化を摂氏2度に抑えるという世界的な合意に達した 。この合意は、地球温暖化を抑制し、世界中の生計に対する地球温暖化の悪影響を最小限に抑え、緩和することを目的としている。しかし、この合意が全ての国に利益をもたらすものであるならば、なぜ合意に達することはこれほど困難だったのか。
最も困難な課題の一つは、世界の炭素排出量を抑制することと、開発途上国が排出量を増やすことを認めることとの間で均衡を図ることである。例えば、過去三十年間に前例のない発展を遂げた中国やインドは、その好例である。
下のグラフは、 過去三十年間にわたる様々な地域の一人当たりの炭素排出量(メートルトン)と、極度の貧困状態にある人々の数を示している。明らかなのは、極度の貧困が大幅に減少した地域、特に東アジア・太平洋地域と南アジアで、炭素排出量がほぼ200%増加したことである。この期間に炭素排出量を減少させた唯一の地域であるサハラ以南のアフリカでは、極度の貧困状態にある人々の数がほぼ倍増した。
出典:Mekko Graphics、 今週のチャート
したがって、パリでの交渉において、他の途上国とともに、世界第4位の炭素排出国であるインドが、成長を支えるために少なくとも今後15年間は炭素排出を続ける権利を求めたことは驚くに当たらない。「気候正義は、我々に残された僅かな炭素の余地の中で、途上国が成長するための十分な余地を持つべきことを求めている」と、インドのNarenda Modi首相は 会合の冒頭で述べた。多くの他の途上国も同様の見解を共有している。
貧困率の削減と経済成長の促進は、多くの途上国の政策課題の最優先事項である。我々の分析が示すように、そのため世界にとって、経済発展と炭素排出を切り離す方法を見出すことが極めて重要となる。
執筆者:David Goldstein は Mekko Graphicsの創設者兼社長である。Adam Goldstein はエモリー大学の最終学年の学生であり、パリ気候会議のオブザーバーでもある。
画像:2015年11月17日、スーダン北ダルフール州エルファシェルのアブシャック避難キャンプで、泥造りの家を建てるために池から水を汲む国内避難民の女性。REUTERS/Mohamed Nureldin Abdallah


