PISAとは何か、より多くの国の参加をどのように促せるのか?

PISAとは何か、より多くの国の参加をどのように促せるのか?
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本稿は、最初に 世界銀行の「Education for Global Development Blog」に掲載されたものです。

2000年以降、OECD(経済協力開発機構)の Programme for International Assessment (PISA) は、70以上の国と地域において、15歳の生徒の知識と技能を測定してきました。PISAは、生徒が教えられた内容を習得したかどうかを確認するだけでなく、生徒が自らの知識を創造的かつ批判的に活用できるかどうかも評価しています。

もちろん、こうした国際比較が容易であったことは一度もなく、完璧なものでもありません。しかし、国際比較は教育において何が可能かを示し、各国政府が他国の教育制度がもたらす教育機会や成果と比べて自国の状況を把握する助けとなります。また、学習成果の向上に向けて効果的な政策やパートナーシップを構築する助けにもなります。

しかし、PISAに参加する国の数が増え続けるにつれて、より多様で規模の大きい国々に対応するため、PISAの設計と実施の仕組みを進化させる必要があることが明らかになりました。その中には、評価への参加を希望する中所得国および低所得国の増加も含まれます。

こうした課題に対応するため、OECDと世界銀行は最近、報告書「 The Experience of Middle-Income Countries Participating in PISA 2000-2015」を公表しました。この報告書は、PISAに参加している40以上の国の経験に基づき、有益な教訓と知見を提供しています。PISAをより幅広い国にとって有意義なものとするための強固な根拠と基盤を示しています。また、世界銀行やその他の開発パートナーに対し、各国がこうした評価により効果的に参加し、データを分析・活用できるよう支援するための知見も提供しています。

同報告書によると、中所得国におけるPISA参加への需要は高まっている一方で、これらの国々は、評価の翻訳と管理、生徒の回答のコード化の必要性を含め、参加に当たって財政面と技術面の両方の障害に直面しています。また、報告書は、これらの国の政治、規制、文化的環境が、評価を実施できるかどうか、またどの程度容易に実施できるかにも影響しうることを示しています。
PISAへの参加による効果を最大化するため、報告書はOECDに対し、次の5つの措置を講じることを勧告しています:

  1. 最上位と最下位の生徒の間の差をより適切に測定できるよう、特に習熟度の最も低い段階における成績差を識別できるように、PISAのテスト項目を調整すること;

  2. 低所得国の状況や政策課題により適合するよう、背景調査票を改訂すること;

  3. PISAへの参加が、中所得国の国際評価を実施する能力に与える影響を評価すること;

  4. ドナーとのパートナーシップおよび能力開発を通じて、財政面および技術面の課題に取り組むこと;そして

  5. これらの国の地域のステークホルダーへの働きかけを拡大すること。

これらの提言に対しては、すでに「 PISA for Development initiative」を通じて対応が進められています。このプロジェクトは、すでにPISAのテスト項目の強化に取り組んでおり、2016年中に7か国の開発途上国でフィールドトライアルを実施する予定です。PISA for Developmentの最終結果は2018年に公表される見込みで、各国の政策立案者に、教育制度の欠点を診断し、新たな政策の策定に役立つ新たな根拠を提供するものとなります。その間、PISA for Development参加国は、PISAのグローバル・コミュニティの他のメンバーとのピア・ツー・ピアの交流から恩恵を受けることになります。強化されたPISAのテスト項目は、2021年サイクルの評価から、すべての国で利用可能となる予定です。

OECDは、教育における成功を測る世界的な指標としてPISAを維持・発展させるため、世界銀行やその他のパートナーと引き続き協力していく考えです。これは、最近採択された 持続可能な開発目標 の枠組みの中で特に重要性を持つものです。PISAは、一国の教育制度における質と公平性の水準および分布に関する有益な情報を提供しているためです。

私たちは共に、PISA調査を通じて教育分野における国際協力を促進するため、専門知識とプラットフォームを引き続き提供するとともに、世界中の政策立案者および実務家が、それらをより生産的に活用できるよう支援してまいります。

本稿の掲載は、世界経済フォーラムによる見解への支持を意味するものではありません。

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著者:アンドレアス・シュライヒャーは、パリの経済協力開発機構(OECD)において教育・技能局長を務めるとともに、事務総長の教育政策担当特別顧問を務めています。

画像:授業を受ける生徒たち。REUTERS/Aly Song。

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