ベネズエラの経済危機は止められる。その方法とは

A man burns a 100-bolivar bill during a protest in El Pinal, Venezuela December 16, 2016. REUTERS/Carlos Eduardo Ramirez - RTX2VEKE
International financial institutions could unlock billions of dollars for a nation in chaosImage: REUTERS/Carlos Eduardo Ramirez
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過去20年間は、ラテンアメリカにおけるさまざまな経済モデルの成否を検証する格好の材料となる。成功した国が多い一方、明らかな敗者はベネズエラだ。同国は天然資源などの優位性を無駄にし、今や人道危機に直面している。

ベネズエラで現在起きている経済・社会の混乱を解決するには、経済に通常の市場メカニズムを取り戻す助けとなる国際金融機関との関係を再構築する必要がある。現政権のイデオロギーとは相いれないものの、現実的なアプローチを取れば、混乱に陥った国に数十億ドルの援助と債務救済をもたらす可能性がある。

ベネズエラが険しい経済の道を歩む一方、メキシコ、コロンビア、チリなどは安定成長を遂げ、市場重視の方針を守りながら完全な金融面の自立を確立してきた。海外から借り入れる際も、条件は自国で決めている。米ドル建て10年債の金利は3~4%程度で、ベネズエラの現在の資金調達コストのほんの一部にすぎない。

ラテンアメリカの一匹狼

こうした低コストが、各国の長年にわたる効果的な金融政策を反映していることは間違いない。その政策には、安定したマクロ経済運営、インフラと人的資本への効果的な投資、経済の多角化への注力、市場メカニズムの支持、そして外国資本への依存を減らすため国内の貯蓄基盤を厚くする継続的な取り組みが含まれる。ベネズエラもこれに倣うことができる。

関係を再構築すれば、ベネズエラは人道上のニーズに応え、経済の方向転換を支えるため、国際社会から相当な金融支援を引き出せるはずだ。手続きを始めるだけでも、緊急のニーズに対応するため、条件を最小限に抑えた数十億ドル規模の支援が数週間で実現する可能性がある。

しかし、ベネズエラが国際通貨基金(IMF)および世界銀行と詳細な中期経済計画で合意すれば、さらに大規模な支援が得られる可能性がある。その合意には、数カ月に及ぶ厳しい交渉が必要となる。それでも合意に至れば、新規融資と公的支援による債務再編を組み合わせ、数百億ドル規模の支援を得られる可能性がある。

債務再編に関するIMFの支援は、ベネズエラにとって特に関心を引くはずだ。今後5年間に支払期限を迎える対外債務の返済額は300億米ドルを超える。債権者との自発的な取り決めを通じて、こうした資金流出を先送りしたり減額したりできれば、ベネズエラには大きな利益がある。

IMFは成長の余地をもたらせる

この提案は、1980年代にIMFが国際銀行の利益を守っていたことを覚えている人には意外かもしれない。しかしその後、IMFの方針は変化した。IMFと主要なG7出資国は、危機から立ち直る国が成長を再開するには、十分な猶予が必要だと理解している。また民間債務に関しては、ベネズエラ国民とIMFには、国の資金を確保し、経済と社会の安定化を支えるため、包括的で成功する債務処理を実現するという共通の利害がある。

ギリシャ支援におけるIMFの役割は、近年のウクライナやジャマイカの事例とともに、手本として検討すべきだ。これらのケースでは、各国へのIMF融資は包括的な債務再編を条件としていた。債権者は、協力しなければ無秩序な債務不履行に至ると認識し、各国に大幅な金融上の譲歩を行った。ベネズエラでも同じ仕組みが機能する。債務交換がなければIMF支援もない。これは国が公正な条件を得るための強力な手段だ。

ベネズエラの債務は極めて複雑で、政府と国営石油会社PDVSAの双方が発行した債券や借入金を含む。しかし歴史が示すように、意志あるところに道は開ける。2006年、イラクは、同国の石油タンカーを保護するG7支持の国連決議の助けを得て、サダム・フセイン時代の債務を再編した。ベネズエラが国際社会との関係を再構築すれば、債務再編への強い支持を得られるはずだ。

とはいえ、国際社会との関与はアラカルトのメニューではない。国は、資金や債務救済は受け入れるが改革は拒む、といった具合に、都合のよい部分だけを選ぶことはできない。IMFの支援は、ベネズエラ当局が持続可能な財政・金融政策に基づく新たな経済計画を策定することを条件に提供される必要がある。また、その計画には、国家運営に不可欠でない企業の段階的な民営化、国内外での紛争の解決、政府業務の透明性の回復、特にPDVSAに関する透明性の回復など、ほかの改革も盛り込まれる可能性が高い。

自国の経済政策が外国人専門家の承認に左右されると考えるのは、どの国にとってもつらいことだ。しかし、現在の経済的混乱の中で苦しみ続けるか、外部の機関に数年間、新たな経済計画の策定と監督を支援してもらうかという選択肢があれば、国民の多くは後者を選ぶだろう。

地域のほかの国々が示すように、経済が軌道に戻ればIMFへの返済を済ませ、監督者に帰国してもらえる。これは一時的な措置だ。ウゴ・チャベスの革命的計画は失敗した。ベネズエラには、近隣諸国や国際機関に働きかける新たなモデルが必要だ。

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