ミャンマーは三つの移行に着手している。権威主義的な軍事体制から民主的な統治へ、中央主導型経済から市場志向の改革へ、そして数十年にわたる紛争から平和へと移行しようとしている。
2011年以降、孤立と脆弱性、紛争が数十年続いた時代に終止符を打ち、改革派政権は、ミャンマーを世界経済に開き、成長を促進し、貧困を削減することを目的とした、前例のない政治・経済改革を主導してきた。
経済改革の一環として、 ミャンマーは近代的な公共調達制度の確立を目指している
。また、開かれた競争的な公共調達制度の基盤を築くため、大統領訓令2件と公共調達に関する指令2件の発出を含む一連の措置を講じてきた。
援助国からの資金が増加するなか、ミャンマーは公共支出の大幅な増加に備える必要がある。公共投資の大幅な増加には、堅牢な公共調達制度が求められる。現行法制は大きな一歩だが、「実務上の問題はまだ数多く残っている」と、土木工事の調達に関するワークショップで建設副大臣は述べた。多様化し拡大するニーズに応えるには、既存の指令を強化する必要がある。
新たな課題に対処するため、ミャンマー政府は世界銀行と連携して「公共財政管理の近代化(PFM)プロジェクト」に取り組んでいる。同プロジェクトは、近代的な国家公共調達制度を含む、より強固な公共財政管理制度の構築に向けたミャンマーの取り組みを補完する。
包摂的なプロセスを確保するため、財務省は各省庁から委員を選び、近代的な公共調達制度の整備に向けた戦略を策定する運営委員会の設置を進めている。ミャンマー駐在の世界銀行カントリーマネジャー、アブドゥライ・セック氏は、「世界銀行は、効果的な公共調達制度の確立に向けたミャンマー政府の取り組みを全面的に支援できることを光栄に思い、支援に尽力します」と述べた。世界銀行チームは、ミャンマー政府によるPFMプロジェクトの実施も支援している。
現在、開発の需要は国家改革の進展を上回っている。政府の緊急のニーズに応えるため、世界銀行は各省庁と協力し、調達慣行の強化と、効率的な公共サービスの提供を妨げている公共調達上の現行課題への対応に取り組んでいる。こうした取り組みのなかでも、とりわけ重要なのが、世界銀行によるミャンマー建設省(MoC)への支援である。同省は、道路や橋などのインフラ改善が国の重要課題となるなか、公共施設の建設を外部委託する際に生じる課題の最前線に立っている。建設省は2014年1月に「契約による工事の実施に関する指令」(いわゆる「工事指令」)を策定したが、その実施には課題が残っている。
ミャンマーが新たな課題に対処できるよう、世界銀行は早急な解決を要する個別の問題を取り上げる一連のワークショップを開催している。最初のワークショップは2014年12月、建設省とともに「ミャンマーの契約による工事の実施に関する指令の実施改善」をテーマに開催された。
公共調達の豊富な経験を持つ世界銀行の調達専門家数人が、世界各地で得た知見と各国の優良事例を共有した。対象を絞った支援を提供するため、専門家はまず建設省と協力して直面する具体的な課題を特定し、同省が提起した問題に最も適したさまざまな解決策を提示した。「対話型」で「解決策重視」のワークショップが成功したことで、建設省は必要な措置を優先し、工事指令を速やかに改定することに強い関心を示した。
今後も同様のワークショップを開催し、既存法制の実施におけるミャンマーの実務上の課題に対処するとともに、より良い公共サービスの提供を確保するため、強固で効果的な公共調達制度の確立を支援していく。
この記事は当初、世界銀行の 開発のためのガバナンス ブログに掲載されたものです。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味しません。
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著者:リウ・ジェントゥ氏は世界銀行の上級調達専門家。世界銀行に入行する前は、中国政府で勤務していた。
画像:ヤンゴン郊外のティラワ経済特区近くの水田で作業する男性。REUTERS/Soe Zeya Tun


