世界の多くの先進経済圏では、成長の鈍化と格差の拡大が転換点に達しています。
世界経済フォーラムの「包摂的成長と開発レポート2017」は、所得と機会の停滞と二極化という現在の悪循環を断ち切るための戦略を示しています。社会的包摂をさらに進め、より力強く持続可能な成長を実現する好循環へ、どう転換できるかという問いに答えることを目指しています。
悪循環を断ち切る
言い換えれば、GDPを増やすだけでなく、国の経済全体の実績が社会全体の利益につながる度合いを高めるにはどうすればよいのでしょうか。レポートによれば、その答えは、国内外の経済政策の中心に人々と生活水準を据えることです。
教育、インフラ、倫理、投資、起業家精神、社会保障は、この新たな経済政策を形づくる要素の一部にすぎず、その組み合わせは国ごとに異なります。

世界経済フォーラムの包摂的開発指数(IDI)は、貧困や格差から公的債務、環境要因まで、主要な業績指標に照らした実績に基づいて、世界の先進経済圏と新興経済圏を順位付けしています。

先進国から学ぶ
IDIではノルウェーが首位で、生活水準は高く、さらに向上しており、社会保障が効果的で格差も小さい。社会的流動性が高く、失業率は低い。また、充実した育児休業制度と手頃な保育サービスに支えられ、労働力人口に占める女性の割合も高い。

北欧諸国が上位10カ国の大半を占めるなか、ルクセンブルクとスイスがそれぞれ2位、3位に入りました。力強い成長と雇用、高い生活水準の中央値、優れた環境保全、公的債務の低さが順位を押し上げています。
4位のアイスランドは、ニュージーランド、イスラエルとともに、過去5年間で最も大きな改善を示しました。
デンマーク、スウェーデン、オランダが続き、高い生活水準と充実した社会保障が順位を支えています。
それぞれ8位、9位のニュージーランドとオーストラリアは、起業家文化の醸成などの面で特に高く評価されました。
オーストリアが上位10カ国を締めくくります。
改善の余地
こうした上位国における改善の余地は、世界の経済圏の77%で拡大している富の格差の縮小や、世代間の公平性に関わることが少なくありません。
新興経済圏では、リトアニア、アゼルバイジャン、ハンガリーがIDIをリードし、レソト、ネパール、ジョージアは2011年以降、最も大きく改善しました。




