アジアの中間層の台頭

アジアの中間層の台頭
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アジアの中間層の急増には目を見張るものがあります。この層の規模は現在5億人に達しており、2020年までに17億5,000万人へと膨れ上がる見込みです。わずか7年間で3倍超の増加です。

世界がこれまでに目にしたことのないことです。アジア全域の人々が子どもたちの明るい未来を期待しているのも無理はありません。ピューのデータによると、中国の回答者の実に82%が、今日の子どもたちは親より経済的に豊かになると予想しています。

その理由は、これらのアジア社会が重要な改革に取り組み始めたことにあります。自由市場経済、科学技術の習得、実用主義の文化、能力主義、平和の文化、法の支配、そしてもちろん教育です。

アジア全域で生活水準が飛躍的に向上しており、どこを見ても貧困は消えつつあります。例えば中国では、市場改革を開始して以来、6億人以上が絶対的貧困から救い出されました。この地域では、何世紀にもわたって見られなかったほどの生活水準の改善が起きています。そして、これらすべての過程を通じて、多くの恩恵がもたらされるでしょう。

これらの変化がもたらした前向きな成果の一例は、この地域内での紛争の減少です。アジアはまだ、隣接国同士の間で戦争の可能性がゼロという西欧の黄金律には到達していません。しかし、伝統的に戦争の可能性を減らすとされる集団である中間層の拡大により、この地域はそこに向かって進みつつあります。

もっとも、良いニュースばかりではありません。最大の課題は、これが環境にとって何を意味するかです。アジアの拡大する中間層の市民が皆、西洋型モデルを通じて西洋の生活水準を目指すならば、地球環境にかかる負荷は壊滅的な結果を招きかねません。2010年の米国の電力消費量は一人当たり13,395 kWhと驚異的な水準でした。対照的に、中国とインドの一人当たり消費量はそれぞれ2,944 kWhと626 kWhにすぎませんでした。

中国とインドはそれぞれ米国の3倍の人口を抱えていますが、一人当たりの電力消費量はごくわずかです。アジアの中間層が拡大するにつれ、これらの社会が環境への影響に対して、ますます責任ある行動をとることが期待されています。

アジアの指導者たちは、これらの課題の解決策を見出す必要があることを認識しています。そのため、先進国が良い手本を示すことが重要です。これは長期的な政策立案者にとって大きな課題です。中国のような国に、責任あるステークホルダーとして、また地球環境に配慮する存在として台頭してほしいのであれば、言葉ではなく行動によって道を示さなければなりません。

アジアの中間層が貢献できる一つの方法は、科学技術の分野に加えることができる驚くべき頭脳力です。日本のエネルギー効率は中国の10倍高く、中国がその教訓を学び、そこで増加する中間層がグリーンテックの研究などの分野に貢献できれば、資源利用を減らしながら、より大きな経済成長を実現できるかもしれません。

中間層の台頭、特にアジアにおけるそれは、歓迎されるべきものです。この地域の人々は、10年ごとに生活が向上していくのを実感でき、アジア社会は何世紀も味わったことのないレベルの平和と繁栄を享受しています。環境問題のような課題に対処できれば、この流れが続かない理由はありません。

以下は、今週発表された Outlook on the Global Agenda 2014からの抜粋です。

ブログ記事「 2014年に世界が直面する10大トレンド」をお読みください。

著者:Kishore Mahbubani氏は、シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院の院長であり、Global Agenda Council on China(中国に関するグローバル・アジェンダ評議会)のメンバーでもあります。

画像:韓国のアパートの窓から外を眺める男性。REUTERS/Lee Jae-Won。

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