今日、移動する人の数はかつてないほど増え、国際観光客の到着数は1950年代のわずか2,500万人から2016年には12億人へと増加しました。
かつて旅行はぜいたく品でしたが、旅行の障壁が下がり、費用も減少したことで、今では何百万人もの人々に手の届くものとなっています。こうした要因に、可処分所得の増加、多くの新興市場における中間層の拡大、旅行に対する意識の変化が重なり、業界の発展を後押ししてきました。
世界の中間層は2011年から2031年にかけて、さらに30億人増加すると予測されています。その大半は新興市場からで、中国とインドが先頭に立ちます。中国ではすでに旅行ブームが起きていますが、推定では、中国国民のうちパスポートを持つ人はわずか4%です。他の新興市場でも同様の傾向が見られます。明らかなのは、ミレニアル世代やその前のベビーブーマー世代と同じように、新たな旅行者が体験を求めていることです。
これまでの数十年間、旅行市場は北米と欧州が主導してきましたが、その状況は間もなく変わるかもしれません。2030年までに、国際旅行の成長の大半はアフリカ、アジア、中東からもたらされ、これらの地域でさらなる成長と雇用機会が生まれるでしょう。
欧州と南北アメリカの市場も成長を続けますが、その伸び率は他の地域とは比べものになりません。実際、世界金融危機以降、発展途上国からの旅行者による観光支出は先進国を上回るペースで増加しており、この傾向は今後も続く見通しです。
かつて旅行の大半は北から北への移動でしたが、この状況は変わりつつあります。今後10年間で、アフリカ、中東、アジア太平洋地域からの海外旅行は飛躍的に増加すると予想されています。
発展途上国や新興市場は、旅行者を送り出す市場として存在感を高めているだけでなく、自国の旅行・観光サービスも改善し、より魅力的な旅行先としての地位を築いています。これにより、各国の業界はさらに発展しています。
各国が旅行・観光分野の競争力を高め続けるべきなのはなぜでしょうか。市場全体が拡大し続けているからです。旅行者はこれまで以上に増え、国際観光客の到着数は2030年までに18億人に達すると予想されています。
2017年版の旅行・観光競争力報告書では、最も改善した上位15か国のうち12か国が発展途上国または新興市場であり、すべての地域から少なくとも1か国がランクインしていることが分かりました。

この結果は、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)の調査によっても裏付けられています。同調査によると、2016年から2026年にかけて、レジャー旅行支出の伸びが最も速い旅行先の上位10か国は、インドを筆頭に、アンゴラ、ウガンダ、ブルネイ、タイ、中国、ミャンマー、オマーン、モザンビーク、ベトナムとなる見込みです。

こうした変化は、発展途上国や新興国が追い上げていることを示しています。旅行・観光の提供内容をより競争力のあるものにする条件が整いつつあり、その結果、今後10年間に初めて旅行する何百万人もの観光客を誘致し、迎え入れる準備が進んでいます。
この需要の拡大は今後も続くでしょう。南南間の観光は増加しており、各国が競争力を高め、旅行・観光分野を発展させるにつれて、さらなる拡大が見込まれます。
こちらから2017年旅行・観光競争力報告書 ご覧ください。
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