経済収斂の終わりが近づいているのか?

A Thai investor watches live market data on a monitor at a stock brokers' office in central Bangkok January 3, 2007. Thai stocks fell more than 3 percent to a two-week low on Wednesday as wary investors sold big cap and tourism-related shares in fear of new political instability following a spate of New Year's Eve bombs in Bangkok.REUTERS/Sukree Sukplang (THAILAND)
Economic growth in developed and developing countries appears to be synchronizing.Image: REUTERS/Sukree Sukplang
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世界はいま、観察者たちが「同期した」成長の加速と呼ぶ状況に直面している。これは、10年前に大不況が始まって以降、注目度が低下していた先進国と発展途上国の経済的な「収斂」にとって、何を意味するのだろうか。

1990年代、発展途上国経済は全体として、先進国経済を上回る成長を始めた(一人当たりベースで)。これを受け、両グループの生産と所得が収斂するとの期待が高まった。1990年から2007年まで、発展途上国経済の年間平均一人当たり成長率は、先進国経済を2.5ポイント上回った。2000年から2007年には、その差は3.5ポイントに広がった。

すべての国が進歩したわけではなく、多くの小規模経済は振るわなかったものの、総体として世界経済の構造は変わりつつあった。アジア諸国はとりわけ急速に追い上げており、その原動力となったのはインド、そしてさらに大きな役割を果たした中国の、規模が大きく活力ある経済だった(中国は約30年にわたり2桁のGDP成長率を記録した)。

しかし、2007年に世界金融危機が始まると、状況は変化した。当初、収斂は加速しているように見えた。先進国経済の成長が止まるなか、発展途上国の一人当たり成長率のリードは4ポイントに拡大した。

しかし、2013年から2016年にかけて、多くの新興国経済で成長が鈍化した。特にラテンアメリカでは、ブラジルが2015年と2016年にマイナス成長を記録する一方、米国の成長は加速した。一部の観察者が主張してきたように、私たちは収斂の終わりを目の当たりにしているのだろうか。

答えは、発展途上国経済が新たな、より高度な成長源を見つけ、それを活用できるかどうかにかかっている。かつて収斂を支えた主要な原動力は製造業だった。必要な技能と制度をようやく身につけた発展途上国は、豊富で低コストの労働力を生かし、先進国の技術を国内で応用した。

しかし、ダニ・ロドリックが論じているように、模倣による容易な追い上げという手段は、ほぼ使い尽くされている。製造業で手に届きやすい成果は、すでに取り尽くされた。総付加価値に占める割合が高まっているサービス部門では、技術面での追い上げはより難しい。

さらに、ロボット工学、人工知能(AI)、バイオエンジニアリングなど、今日の最先端技術は産業機械より複雑で、模倣も難しい可能性がある。また、知能を備えた機械が低賃金の仕事をますます担えるようになっているため、発展途上国のコスト面での優位性は大きく損なわれた可能性がある。

しかし、ダロン・アセモグルとパスクアル・レストレポが示すように、こうした技術、特に自動化とAIの影響は、それほど単純ではない。両氏によれば、総生産は、従来型の労働、従来型の資本、そして労働をまったく必要とせずに遂行できる作業に関わる資本によって決まる。従来型の労働や資本を拡充する技術進歩、あるいは労働を代替する技術進歩は生産を増やすが、後者の進歩は労働需要の減少と賃金の低下も招く。一方、生産性の向上、自動化の深化、またはまったく新しい作業の創出は、労働需要を増やし、賃金を押し上げる。

もちろん、ロボット工学やAIが発展途上国のバリューチェーンに導入され、最先端技術に依存するサービスにも広がるには、特定の技能とインフラが最低限必要になる。しかし、一部の新技術や作業を新興国経済に導入することは、先進国と比べて難しくも高コストでもないと分かるかもしれない。

ここでは、どのような補完的労働力が必要かが大きく影響する。AIの導入には、非常に高度な技能を持つ労働者の層が不可欠だと考えられがちだ。そうしたケースもあるだろうが、逆の場合もあり得る。例えば、新たな労働代替技術によって、熟練労働者が不足していたために実現できなかった活動が可能になるかもしれない。そのため、完全な自動化により、経済活動のより大きな割合が発展途上国に立地する可能性がある。

発展途上国における技術高度化の過程を左右するもう一つの要因は、グローバル企業の投資意欲である。世界市場の構造や価格設定は、利益の配分を部分的に決めるだろう。同様に重要なのは、投資家を呼び込み、バリューチェーンの重要な部分を確保し、イノベーションの恩恵から十分な割合を得るための規則をどう設計するかなど、規制に関する知見を学ぶ各国の効率性である。学習の速い国は、ハイテク分野でも先進国を上回る成長を遂げる可能性がある。

もちろん、多くの国や産業には、従来型の追い上げを続ける余地がかなり残っており、この過程は今後も成長を支えるだろう。しかし、それだけでは真の収斂を実現できない。そのためには、発展途上国が労働市場における技能や規制の役割を考慮しつつ、新技術を比較的効率よく導入する必要がある。これは容易ではなく、2007年以前の収斂の「黄金時代」が戻ることはないかもしれない。しかし、新技術によって収斂が止まると考えるべきではない。おそらく、その速度は鈍るとしても。

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