シェアリングエコノミーで資産がより安全になる理由

シェアリングエコノミーで資産がより安全になる理由
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2010年、世界が2008年の金融危機の余波をなお感じていたさなか、興味深い節目が訪れました。史上初めて、世界の家計資産が金融資産と有形資産に等しく二分されたのです。住宅、自動車、家電製品などの有形資産は、現在では 純資産に占める割合が これまでになく大きくなっています。

同時に、「所有よりアクセス」という言葉は、企業の役員会から地域のコミュニティセンターまで、さまざまな場で耳にするようになりました。そこには、自転車からペットまで、ほぼあらゆるものを、完全に所有するのではなく必要なときに利用できるシェアリングエコノミーのプラットフォームも含まれます。

有形資産は、この「アクセス経済」において重要な役割を果たしています。それにもかかわらず、こうした資産を個人で管理するためのプラットフォームは、依然として存在しません。時間の経過とともに、個人が所有する(そして共有を望むかもしれない)ものを整理し、価値を把握し、保護するための簡単な方法がないのです。

あなたのデジタル・エグゾースト

従来、企業は、人々が何を購入し、何を所有しているかに関する情報を支配してきました。アマゾンが把握しており、大型量販店、クレジットカード会社、その他の仲介業者もまた把握しています。近年では、フェイスブックのようなソーシャルグラフや、ピンタレストのような志向性を示すグラフも、いくらか手がかりを得ています。しかし、単純な事実は変わりません。人々の多くは、自らが所有するものに関する意味のある情報から切り離されたままです。その結果、人々は自身の資産の全体像や、それをどう守るかを明確に描けずにいます。ミレニアル世代の全体の90%がまったく保険に加入していないことも、驚くべきことではありません。

しかし、新たな技術や、シェアリングエコノミーによって可能になったプラットフォームのおかげで、誰がこの情報にアクセスでき、またアクセスすべきかを再考することが可能になっています。想像してみてください。自分が所有するものに関するデータ(その来歴、価値、修理履歴)が、すべて一か所にまとまっている世界を。想像してみてください。もう必要ないときに、ほかに誰がそれを利用したり、共有したり、購入したりしたいと考えるかを特定できたら。自身の取引から生じるデジタル・エグゾーストを追跡し、自分の持ち物のためのパーソナルなクラウドを持てることを想像してみてください。

氷山の一角

この世界は思っているよりも近くにあり、起業家にとっても保険会社にとっても、前例のない機会をもたらしています。一方で、私たちは、ピアツーピア型カーシェアリング・プラットフォームの RelayRides や Getaroundなどが提供するような共有利用型取引向けのオーダーメイド保険商品の開発に取り組む初期段階にあり、また、利用ごとの保険を提供する企業の例として MetroMileなどが挙げられます。他方で、これらの事例は氷山の一角にすぎません。さらに一歩進めて、家財保険を分解し、24時間態勢の補償(所有者が100%負担)から、「必要なときに、必要な場所で、重要なものを守るリスク保護」(アクセスを望む者が負担)へと移行できたらどうでしょうか。マイクロ保険料や短期間のマイクロ契約が新たな常態となったら、どうでしょうか。

同様に、 Trōv などの企業がこのアプローチを先導しており、従来型の保険会社も世界各地でその後に続こうとしています。わずか数年前まで、多くの保険会社はシェアリングエコノミーを後付けの課題として扱っていましたが、現在では、それが将来の事業の成功の中核となりうると認識しています。その多くは、こうした新しいモデルを従来の数理分析に組み込むことに苦慮しており、そのため、(Trōvなどとの)提携を前進への道の一つとみなしています。

人々が主体性を持ち、自らが所有するものに関するデータを手元に置くようになれば、新たなかたちで富を解き放つ機会は無限にあります。私たちが最も大切にするものをより効率的に守ることができ、そうしたニーズに応えるようにビジネスを設計することも可能です。時間の経過とともに、保険やリスク管理だけでなく、「富」そのものを考え直すことにつながるかもしれません。

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執筆者:April Rinneは Young Global Leader であり、フォーラムのシェアリングエコノミー作業部会の責任者です。世界中のシェアリングエコノミー企業、地方自治体、投資家に対する独立したアドバイザーを務めており、その中にはTrōvも含まれます。

写真:2013年3月4日、ハノーバーで開催されたコンピュータ見本市CeBitの準備中、Vodafoneによるモバイルネットワーク対応のオンラインカーシェアリングシステムを宣伝するため、ミニカーが並べられている。REUTERS/Fabian Bimmer

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