オックスフォード大学の経済学者で、Our World In Dataを立ち上げたマックス・ロッサーは、統計に基づく世界の発展に関する見方を広めることにキャリアを捧げてきた。歴史を通じて実際に何がどう変化したかを図表にすれば、私たちが大きく前進してきたことがわかる、と彼は言う。
ロッサーは最近、発表した、過去2世紀についての論考で、世界の進歩を次の6つのグラフにまとめている。

極度の貧困は大幅に減少した。基礎教育と識字率は飛躍的に向上した。Polity IVのステータスで測定される民主主義は、世界中に急速に広がった。人類史上最悪の犠牲をもたらした病気のいくつかに対する予防接種は、ほぼ普遍的に行われるようになった。子どもの死亡率は大幅に低下した。
こうした傾向に反するものとして、悲観論者が持ち出せるものを考えるのは難しい。
進歩が続く保証はないものの、人類は問題に対処するうえでも、かつてないほど恵まれた状況にあるとロッサーは言う。
「問題を解決すること、とりわけ大きな問題の解決は、常に協力して取り組むものです」と彼は記す。「そして今日、共に取り組むことのできる人々の集団は、この地球上にかつて存在したどの集団よりも、はるかに強力です。」
世界がかつてないほど良くなっていることは、なぜ重要なのだろうか。ほとんどの人がそうではないと思っているからだ。
ロスリングは、世界が良くなっているか、悪くなっているか、それとも変わらないと思うかを尋ねた調査を紹介している。世界が良くなっていると答えた米国人はわずか6%だった(ドイツ人では4%、スウェーデン人では10%)。
別の調査は、ギャップマインダーの「無知プロジェクト」の一環として行われ、米国人の66%が、過去20年間で世界の貧困がほぼ倍増したと考えていることがわかった。実際には、世界の貧困はほぼ半減している。
確かに、「アメリカを再び偉大に」と唱える人々のうち、世界が良くなっていると考える人はほとんどいないだろう。
否定的なことに焦点を当てるメディアのせいにすることも、単に人々には不満を口にする傾向があると考えることもできる。理由が何であれ、世界情勢に対する根本的な誤解が広く存在している。
ロッサーによると、この認識の隔たりは、貧困の撲滅、自由の拡大、環境の保護など、将来の課題に対処する私たちの能力を損なっている。
「自分たちの歴史や時代について語る物語は重要です」とロッサーは記す。「生活環境の改善において私たちが大きく前進してきたと知り、自分たちの取り組みには価値があると考えることは、個人にとっての自尊心にあたります。それは自己改善に欠かせない条件です。
ロッサーは、悲観主義もまた自由を妨げるものだと言う。
「自由な人々への信頼なしに自由はあり得ません」と彼は記す。「そして、自分たちの歴史を知らず、真実とは逆のことを誤って信じれば、互いへの信頼を失うおそれがあります。」
世界の歴史について詳しくは、Our World In DataとGapminderをご覧ください。



