雇用創出と持続可能性に重点を置くことで、アフリカの経済と都市は世界市場で競争力を持つことができる、と語るのは、タンザニアのMboka Private Equity Fund最高経営責任者(CEO)のフラニー・レオティエ氏だ。同氏は「 Summit on the Global Agenda」のインタビューシリーズの一環として、本誌の取材に応じた。
アフリカ・ライジングの論調は今も有効か?
過去1年間、アフリカは商品価格の暴落、金融分野における対外環境の厳しさ、そしてエボラ出血熱の流行など、数々の課題に直面してきた。それでも私は、「アフリカ・ライジング」の論調は今なお正しいと考えている。
この地域は、世界で最も急成長している10か国のうち7か国を擁しており、有利な基盤を備えている。すなわち、成長を後押しする持続的なマクロ経済政策、経済の多角化の進展、豊富な人的資本、そして政治的安定性の高まりである。最後の点は国内と国際の両面で当てはまる。国内では、最近のブルキナファソとナイジェリアでの出来事により、人々がもはや劣悪な統治に満足していないことが浮き彫りになった。国際面では、最近採択された持続可能な開発目標(SDGs)のような重要分野で、アフリカが共通の立場を取れるようになってきている。こうした成熟により、主要な国際的意思決定の場においてアフリカの声が届くようになってきた。
2015年にアフリカが直面している最大の課題は何か?
二つあると考える。第一は安定を維持することだ。ガバナンスの改善は、例えば選挙をめぐるなど、それ自体の新たな圧力をもたらす。一方で、制度の強化が依然として強く求められている脆弱な国家も、アフリカには残っている。
もう一つは移住である。その大部分は平和的に進んでいる。例えば、ブルンジ人がタンザニアへ平和的に定住した人数は、アフリカ人がこの岸辺からヨーロッパへ去った人数より多い。とはいえ、難民の受け入れ国を支援することが重要であり、経済移住は成長を支え続けられるよう認められるべきだが、社会の安定を損なうほど過剰にならないようにしなければならない。
過去12か月間で、アフリカの潜在力への確信を最も強く再確認させられた出来事は何か?
今年、カイロからケープタウンに至る貿易回廊が創設されたことは、さらなる統合に向けた新たな政治的意思を示す、真の転換点となった。アフリカでは2010年から2015年にかけて域内貿易が60%増加したが、地域のサプライチェーン構築を妨げる障害は依然として数多く残っている。その一つがビザである。ビザ制度の自由化により、ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)加盟国はエボラ危機の中でも成長を続けることができた。他の準地域も同様の回復力を築く必要がある。
過去12か月間にアフリカから生まれた、最も刺激的なイノベーションは何か?
アフリカの成長にとって鍵となる二つの分野は、農業とモバイル通信である。そこで私が挙げるのは、その両方を組み合わせた事業だ。Farm Capital Africaはケニアに拠点を置く企業で、小規模農家に不可欠な資金を提供し、農業関連事業の成長を支えるとともに、海外および国内の投資家がリスクを分かち合い、農業活動の上振れ益を享受する機会を提供している。
アフリカへの海外直接投資はわずかに減少したが、プライベート・エクイティは活況を呈している。2014年に調達された40億ドルに加え、2015年1月だけでさらに20億ドルが集まった。モバイルマネーによって動かされる6億ヘクタールの耕作可能地という組み合わせは、極めて魅力的な展望である。こうした強みを活かすイノベーションは、規模を拡大する可能性を秘めている。
今後12か月で一つだけ実現できるとしたら、何を望むか?
この地域に向けた、カーボンニュートラルな工業化戦略を見たい。アフリカの都市は、工業化を経ずに成長してきた世界で唯一の都市である。若い人口に雇用を創出し、成長を生み出すために投資が強く求められているが、それは環境を犠牲にしてはならない。むしろ、雇用創出と持続可能性に重点を置くことで、21世紀のグローバル市場で競争できる近代的な経済と都市を創り出すことができる。
執筆者:タンザニアのMboka Private Equity Fund最高経営責任者、フラニー・レオティエ。世界経済フォーラム「 Global Agenda Council on Africa」のメンバー。同氏は「 Summit on the Global Agenda 2015」に参加している。同会議は10月25日から27日までアブダビで開催される。
写真:コートジボワール西部ガニョアの投票所で、投票機材が到着するなか、人々が大統領選挙での投票の順番を待っている(2015年10月25日)。REUTERS/Thierry Gouegnon


