行動よりも願望が先行:包摂的成長を模索する

A man walks past buildings at the central business district of Singapore February 14, 2007. Singapore's trade-reliant economy expanded faster than expected in the fourth quarter on a pick up in domestic activity, data showed on Wednesday, prompting the government to lift its expectations for 2007. REUTERS/Nicky Loh (SINGAPORE) - RTR1MDL4
Inclusive growth remains a key issue within world economics.Image: REUTERS/Nicky Loh
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「包摂的成長については、何年も前から話し合ってきました」シャーロット・ペトリ・ゴルニツカ氏は認めた。「しかし、話し合いを続ける一方で、開発が逆の方向に進んでいることも目の当たりにしてきました。不平等は拡大していますが、包摂的成長が進んでいるとは言えません」

ゴルニツカ氏は、OECD開発援助委員会の委員長として、今年の世界経済フォーラム(WEF)年次総会の開催地ダボスで行われた、包摂的成長に関する課題説明会の導入としてこの発言をした。一部の政府はこれを優先課題としている一方、言葉を具体的な行動に移すのに苦慮している政府もあると、同氏は指摘した。

「現状では、行動よりも願望が先行しています」と、WEF理事会メンバーでグローバル・アジェンダ・センター責任者のリチャード・サマンズ氏は付け加えた。

続いてサマンズ氏は、WEFの2017年版包摂的成長と開発報告書を発表した。同報告書は今年の年次総会に合わせて公表されたもので、サマンズ氏も共著者の一人である。報告書は、包摂的成長に関する12の主要業績評価指標(KPI)を示している。GDPは成長を測る主要指標であり、必要ではあるものの十分ではないと報告書は述べる。12のKPIは成長を最終的に評価する指標となり得る。報告書はこれらの指標をまとめ、WEFが新たに作成した包摂的開発指数(IDI)に反映している。同指数は109カ国を先進国と開発途上国に分けて順位付けする。

しかし、おそらく最も重要なのは、報告書がKPIを、公平性を伴う成長を促すうえで鍵となる15の政策行動分野と結び付けていることだ。「事後に補償しようとするのではなく、成長の過程にいかに公平性を織り込むかを示す政策エコシステムです」と、サマンズ氏は説明会で述べた。

KPIと政策行動分野は、多くの政策立案者、企業幹部、研究者にとってなじみ深い。特に、この政策領域を研究してきた人々にはよく知られている。KPIには健康寿命、世帯所得の中央値、所得ジニ係数、資産ジニ係数、GDPの炭素集約度が含まれる。政策行動分野には、保健関連サービスとインフラ、金融システムへの包摂、小規模事業の所有、税制、社会的保護が含まれる。KPIと政策行動分野がこれほど明確に結び付けられたことは、偏りのある成長への対応が急務であるとの認識が、ついに新たな転換点に達したことを示しているのかもしれない。

この緊急性は、危機にある中間層をめぐるIMF専務理事クリスティーヌ・ラガルド氏の発言にも表れていた。退任を控えた米国副大統領ジョー・バイデン氏も同様の見解を示したと、ガーディアン紙は報じた。

包摂的成長に関する課題説明会に戻ると、ルワンダのクレイバー・ガテテ財務・経済計画相は、15の政策行動分野に取り組むには、有権者の声に応える必要があると述べた。

「包摂的開発について話す前に、まず社会を理解し、人々が何を必要としているかを把握しなければなりません」と同氏は語った。

ガテテ氏が指摘したように、ルワンダ議会では女性が64%を占めており、そのことが人々の声に耳を傾けやすくしているのかもしれない。

ルワンダでガテテ氏が早い時期に取り組んだ包摂的成長政策の一つは、金融へのアクセスだった。具体的な問題は、女性が何も所有していなかったことだ。女性が土地を所有できるよう、ルワンダは法律を改正する必要があった。現在、同氏によると、ルワンダの土地の18%は男性のみ、26%は女性のみが所有し、残りは共有または政府所有となっている。権利証書があれば、女性は担保を提示し、正式な手続きを踏んで銀行制度を利用できる。

現在、WEFの『包摂的成長と開発報告書』は、ルワンダ企業が比較的良好な金融アクセスを得ていると指摘する。この報告書は、女性の土地所有へのアクセスがジェンダーの問題や人権問題にとどまらず、成長の問題でもあるという議論を補強している。金融へのアクセスに影響するためだ。

「グローバル化の統治」をテーマにした別のセッションでは、クオーツ編集者のケビン・デラニー氏が、包摂的成長に対する責任のうち、政府が担うものと企業が担うものについて、パネル討論を進行した。パネルへの質問の一部は、シンガポール、ルーマニア、インドの女性たちが録画映像で寄せたものだった。

Image: 包摂的開発指数2017、世界経済フォーラム

再び、応答性が議題に上った。「長期的な問題に関する枠組みや政治プロセス、そして民主主義のプロセスそのものを見直す必要があります」と、作家で経済学者のダンビサ・モヨ氏は語った。「医療、教育、年金はいずれも長期的な問題なのに、[一部の国では]2年ごとに選挙があります」

モヨ氏は、関連する二つの点に繰り返し言及した。新興市場は2008年の金融危機以降、世界の成長の80%超に貢献してきたこと。そして、ほとんどの新興市場国では人口の大半が農業および/またはインフォーマルセクターに従事し、グローバル化とのつながりが限られていることだ。ただし、テクノロジーが役立つ方法の一例はこちら。モヨ氏によると、企業や政府、特にIMFのような国際機関は、こうした現実を反映するよう再編される必要がある。

「グローバル化は良いことだというメッセージを、どう作り上げるかを真剣に考えなければなりません」と同氏は語った。「世界人口の12%に焦点を当て、その人々に支配されている国際機関では、労働や資本を通じて議論に参加する必要がある世界中の多くの人々の利益を反映できません」

同じ討論で、ウィプロ・リミテッドのアビダリ・ニームチュワラCEOは、労働者の再訓練に取り組む責任を指摘した。「30~50歳の年齢層には、退職までまだ数十年あります」と同氏は述べた。「ここには、まだ多くの取り組みが必要です」

「これは幅広い責任です」と、マイクロソフトの社長兼最高法務責任者ブラッド・スミス氏は付け加えた。「今日、従業員が絶えず学び続けていなければ、健全な企業とは言えません」

具体的な行動について、スミス氏は、この責任を果たすには企業や政府による教育、または再教育への幅広い支援が必要になる可能性を示唆した。同氏は、2016年6月の調査を引用した。ジョージタウン大学の教育・労働力センターによるこの調査によると、1989年から2016年の間に、雇用総数は31%増加し、1億1,400万人から1億4,900万人へと、純増で3,500万人分の雇用が生まれた。一方、高校卒業資格以下の労働者向けの仕事は実際には13%減少し、730万人分が失われた。

「雇用を守ることは行き止まりです」と、スウェーデンのステファン・ロベーン首相は付け加えた。必要なのは労働者を守ることだと同氏は述べた。着地できる社会的セーフティネットを提供し、将来の仕事のニーズに応える適切な教育を受けられるようにすることだ。自動化は迫っているが、慢性的な失業まで必然的に伴うわけではない。

WEFの『包摂的成長と開発報告書』に話を戻すと、その政策行動の枠組みでは、教育と技能が第1の柱となっている。

将来の労働者の技能育成は、「第4次産業革命」が女性に与える影響を扱うセッションでも焦点となった。WEF執行委員会メンバーのサーディア・ザヒディ氏は、前年のWEFによる仕事の未来に関する報告書を引き合いに出して議論の枠組みを示した。同氏は、第4次産業革命に伴うテクノロジーと自動化の急速な進展が、男性の雇用に傾く産業を有利にしていると指摘した。

コロンビア大学フー財団工学・応用科学大学院の工学部長、メアリー・ボイス博士は楽観的だった。第4次産業革命の時代に直面する課題は何十億人もの暮らしに影響を及ぼすが、気候と持続可能性、人々の健康、テクノロジーといった、個人的で実感を伴う問題として現れると同氏は述べた。

「工学と応用科学が人間のあらゆる側面に与える影響に注目しています。これは非常に意欲をかき立てるメッセージです。今後数十年で生まれるこうした仕事の機会に、女性を大いに引き付けると思います」とボイス氏は語った。「あらゆる分野の工学に女性を呼び込めるよう、固定観念を変える機会があると思います」

ボイス氏は、コロンビア大学の工学課程で女性の採用に成功していることを強調した。学部課程の工学専攻学生の40%、修士課程の工学専攻学生の30%、博士課程の工学専攻学生の25%が女性だという。

「女性がいることで、ほかの女性も引き寄せられます」と同氏は付け加えた。「それが転換点です」

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