格安航空会社は旅行を大衆に開放した。今こそ空港も役割を果たすときだ

AirAsia planes are seen on the runway at Kuala Lumpur International Airport August 19, 2014.
Image: REUTERS/Olivia Harris
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人や物の移動であるモビリティは、基本的権利であると同時に、世界経済を支える要である。しかし、航空移動がなければそれは実現できない。したがって、誰もが航空移動を利用できるようにすることが極めて重要であり、航空会社、空港、規制当局、政府、その他の関係者には、これを実現するために協力する責務がある。

どうすればよいのか。答えは簡単だ。手頃な価格にすることである。航空会社は効率化を進め、2000年以降、航空運賃を約40%引き下げてきた。これは主に、航空機技術の進歩に加え、とりわけアジア太平洋地域で格安航空会社(LCC)が台頭したことによる。実際、ASEAN域内では現在、格安航空会社が総輸送能力の半分以上を占め、多くの人々が初めて飛行機を利用できるようになっている。

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しかし、すべての関係者が役割を果たしているわけではない。変化の波の中で、空港は依然として抵抗勢力の島のようだ。航空会社や航空機メーカーが過去10年間、航空運賃の引き下げに尽力する一方で、乗客1人当たりの空港コストは同じ期間に30%超上昇した。多くの空港は、LCCがフルサービス航空会社(FSC)とは異なる要件を持つことを理解できていない。簡素なサービスを提供する航空会社には、シンプルで迅速かつ低コストな運営を可能にする、簡素なターミナルが必要だ。

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それでも空港運営者は、「すべてに同じものを」という考え方で空港設計に取り組んでいる。すべてのホテルがリッツとは限らず、すべての車がロールス・ロイスとは限らないことを理解していない。ウォルマートやカルフール、そしてLCCのように、販売量を重視するブランドにも活躍の場がある。大量利用を想定した設計はコストを下げるだけでなく、成長を促し、空港の処理能力を高め、投下資本に対するより高い収益の確保にもつながる。

独占は弊害をもたらす

しかし、空港が考え方を変え、競争力のある料金を設定するよう促す圧力はほとんどない。多くの空港は独占状態にあり、その結果、料金や税金が高くなり、航空会社に過度なコストを負わせ、航空券の価格を押し上げている。

例えばマレーシアのように、国内の主要空港のうち1カ所を除くすべてを、単一の空港運営会社が管理している国もある。競争がないため、空港運営会社が航空会社への料金を決め、旅行者が支払う空港税の額にも影響を及ぼせる環境が生まれている。

この「受け入れるか、利用しないか」という姿勢は、ほとんどの人にとって航空移動を利用しにくくし、とりわけLCCに頼る人々に影響を及ぼす。その結果、独占状態にある空港の旅客数が減り、空港税や商業収入の総額が低下する可能性がある。また、観光や航空業界にも打撃を与え、経済全体に大きな波及効果をもたらす。

目立ちにくいが同じく重大な影響として、接続性の低下がある。競争力のある空港は航空会社を呼び込み、輸送能力や路線の拡大を促す一方、そうでない空港は航空会社を遠ざける。接続性の向上はグローバル企業の誘致に有効であり、独占的な空港を抱える国は、より多くの就航先と高い運航頻度を提供できる市場主導型の空港を持つ国に後れを取るおそれがある。

航空移動における独占は、空港運営者にとどまらず、空港システムの提供事業者にも及ぶ。より安価で優れた代替手段があるのに、なぜ航空会社に単一のシステムの利用を義務付けるのか。空港や空港システム提供事業者が共謀し、航空会社に不当に高い料金を設定しないよう、価格の透明性も高める必要がある。

規模の経済をより効果的に活用し、資源を配分するには、空港運営者にとって独占が必要だという主張もある。しかし実際には、通常、その逆が起きている。その結果、経済は停滞する。特に、観光や貿易で航空路線に大きく依存する貿易国への影響は深刻だ。

航空政策を見直し、方針を改める

政府には二つの選択肢がある。独占を解体し、空港運営者間の競争を促すか、あるいは空港独占企業が顧客である航空会社のニーズに応じて、より効率的に運営するよう促す政策を進めることだ。

ロンドンは、競争の拡大が地域にもたらす恩恵を示す好例だ。BAAによる空港独占が終わって以来、ロンドンでは航空会社に選択肢が増え、現在は6つの空港がそれぞれ異なる運営者によって管理されている。適切なインセンティブも重要な役割を果たす。ライアンエアーとスタンステッド空港は、空港コストの削減、施設の効率化、適切なインセンティブを保証する10年間の契約を結んでいる。一方、イージージェットはガトウィック空港およびルートン空港と、長年にわたり双方に利益をもたらす関係を築いている。

独占的な航空会社が機能しないように、独占的な空港も機能しない。競争がなければ独占利潤しか生まれず、実質的なコスト削減など到底実現できないという事実をごまかすのは、もうやめるべきだ。非効率を減らし、市場が必要とするものを適正な価格で提供できるのは、競争だけである。政府や航空業界の関係者がモビリティの確保を真剣に考えるなら、独占が私たちを滅ぼす前に、今こそ独占をなくすべきだ。

こちらから2017年旅行・観光競争力レポート ご覧ください。

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