Fedの利上げは、あなたにどのような影響を及ぼすか?

Fedの利上げは、あなたにどのような影響を及ぼすか?
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本記事は The Conversationとの協力により掲載されています。

来週、米連邦準備制度(Fed)が 利上げを行う 可能性が非常に高い。

これは、 Federal Open Monetary Committee (FOMC)――Fedの金利設定チーム――が2006年以来初めて政策金利を引き上げることになり、いわゆる正常化への移行が始まる。

経済学者、トレーダー、政策立案者たちは、この決定について長い間、持論を展開し、予測を立て、賭けを行ってきた。影響が広範囲に及ぶと見込まれるためである。

では、金利上昇は、 あなたにどのような影響を及ぼすのだろうか?

状況によっては、利上げは素晴らしいニュースとなることもあれば、災難となることもあり、あるいは、当初の興奮が冷めた後には生活に影響を与えない、単なる見出しニュースに終わることもある。

貯蓄、旅行、住宅購入、株式投資のいずれを検討している場合でも、利上げはほぼ確実に何らかの形であなたに影響を与える。ただし、一部の論評者が示唆するほどではないかもしれない。

金利上昇で得をする人

預金口座、譲渡性預金(CD)、マネーマーケット口座に多額の資金を預けている場合、金利上昇は朗報である。

米国では多くの 退職者が 社会保障給付に加え、貯蓄から得る利息や配当で生活している。金利が上昇すると、退職者や多額の現金貯蓄を持つ人々は、より多くの収入を得る。そのため、支出を増やすことができるようになる。

一銭の貯蓄もなくても、退職者が多い地域(南フロリダ、アリゾナ州、カリフォルニア州の一部など)に住んでいる、または働いている場合、金利上昇は雇用の増加と経済全体の好転を意味する。

金利上昇を歓迎するもう一つのグループは、海外への休暇旅行を計画している人々である。金利の変動は、多くの場合、 一国の為替レートに影響を及ぼす。米国の金利が上昇すると、ドルは外貨をより多く購入できることが多い。これにより、世界の他地域への旅行がはるかに安くなる。

金利変動が為替レートに影響を及ぼす理由は、 世界中の人々が資金を貯蓄しているからである。米国の金利が上昇すると、米国外に住む人々は、より高い金利を得るために、米国の銀行やマネーマーケット口座に資金を預けたいと考える。

そのためには、預金する前に現地通貨を売却してドルを買う必要がある。その結果、ドルの価格は上昇し、他の通貨の価格は下落する。米国人旅行者は、海外を訪れた際、1米ドルあたりでより多くのホテルの部屋、食事、美術館の入場料、その他の観光施設を購入できることに気づくだろう。そのため、利上げ後の旅行はずっと快適になる。

為替レートの変化は、米国向けに商品を販売する人々も大いに喜ばせる。日本製の自動車、フランス産のワイン、中国製のテレビ、ブラジル産のコーヒー、その他多くの商品が、米国の人々にとって安くなる。この価格の低下により、米国の人々は海外からより多くの製品を購入するようになり、それがこれらの品目を販売する国々の雇用を押し上げることになる。

損をする人

クレジットカードの未払い残高がある場合、金利上昇は大打撃となる。まもなく毎月より多くの支払いを強いられることになるからである。

2010年、米国のクレジットカード発行会社は「CARD Act」に基づく新たな規則への対応を迫られた。同法の主要な規定の一つは、人々に金利変更前に少なくとも45日間の猶予を与えることだった。

しかし、CARD法の第171条(b)(2)項には、金利をはるかに速く引き上げることを可能にする抜け穴がある。クレジットカード会社が、 保有者の金利を 、広く利用可能な指標(例:「prime rate」)に一定の利率を上乗せする方式で決める場合、45日間の通知は不要となる。

クレジットカード会社が、より多くの料金を請求し始めるまでにどのくらいかかるだろうか。一般的な人の場合、約2週間である。

私は先日、クレジットカード会社から通知を受け取った。残高に対して支払う利息は「市場に応じて変動する」こと、また金利が上昇した場合、「新しい金利は請求サイクルの初日から適用される」ことを改めて知らせるものだった。

私を含め、多くのクレジットカード保有者にとって、より多くの支払いが始まるまでの最短期間は、Fedが決定を下してからわずか数日後であり、最長期間は、銀行が手数料引き上げの通知を送付する必要がある人の場合の45日である。いずれにしても、クレジットカードの残高がある人は、非常に速やかに影響を受ける。

住宅関連の仕事に携わるほぼすべての人々は、金利上昇を喜んでいない。住宅建設業者、家具メーカー、家電販売員などは、 売上の減少 に直面する可能性が高い。金利の上昇は、 新居の購入をより高額にし、新居の資金を借り入れる費用が増すためである。さらに、変動金利型住宅ローンを抱える人々は、住宅のために毎月より多くの金額を返済しなければならず、支出に回せるお金が減る。

株式投資家も悪影響を受けるとみられ、主に利益の減少と株価の下落を通じて影響が及ぶ。私の詳細な説明は こちらにあるが、要旨は次のとおりである。金利が上昇すると、投資家は将来の利益をはるかに低く評価し、発行済み株式にそれほど高い金額を支払わなくなるため、株価が下がる。

株価は重要である。年金生活者など一部の人々は、社会保障給付だけでなく、ポートフォリオの価値をもとに支出を決めているためである。

金利上昇によって最後に損失を被るグループは、海外に製品を販売する米国の人々(輸出業者)や、外国人旅行客を相手にする人々である。

為替レートの変動により輸入品が10%安くなれば、輸出品は10%割高になる。つまり、輸入業者が喜ぶとき、輸出業者は苦境に立たされる。外国人観光客にとって米国は割高な旅行先となり、外国の買い手にとっては、小麦、トウモロコシ、大豆などの米国産農産物が割高になる。大手多国籍企業、例えば ボーイングは、米国外で航空機やその他の高額な資本財を販売することがより難しくなる。

最終的な評価

一般的に、誰が絶対的に得をするかを断言するのは難しい。私たちの多くは単一のカテゴリーに当てはまらないからである。得をする部分もあれば、損をする部分もあるかもしれない。

例えば、私は貯蓄を持っており、その利息は増えるが、借入もあるため、より高い金利を支払うことになる。私は 米国外への旅行 が大好きで、その費用は下がるため、私の状況は改善する。しかし、私の収入の一部は教職によるものであり、過去20年間に、 米国の大学に通う外国人留学生の急増 が見られた。もし外国人留学生が費用の高さから米国に来なくなれば、大学教授の必要数が減り、私にとっては不利益となる。

FOMCが利上げを行うと、大見出しやトーク番組の司会者たちは、 声を大にして 、ほぼゼロ金利が続いた 7年間 の終わりによって世界は一変したと主張するだろう。そうした報道や論評の過熱ぶりは、相当なものになると予想される。

しかし、利上げは各人の財務状況のさまざまな部分を、より良くしたり悪くしたりする。私たちの大半にとって、今後の利上げについてすべての影響を真剣に考えると、相反する感情を抱くことになるだろう。

私の見立てでは、多くの読者にとって、相殺し合う要因により、これは初期の興奮が冷めた後には、実際にはあなたの生活にほとんど影響のない、もう一つの見出し記事になるだろう。

掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではない。

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著者:Jay L Zagorsky、オハイオ州立大学エコノミスト兼研究科学者。

画像:ワシントンでセキュリティバリアの背後に見える米連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)の建物。REUTERS/Gary Cameron。

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