米連邦準備制度は金利引き上げに向けて新たな措置を講じているが、FRBと市場の見通しには隔たりがある。これは新興国や発展途上国にとって何を意味するのだろうか?
先進国の中央銀行は、経済成長を再び促し、インフレ率の低下に対処するため、超低金利の環境を作り出してきた。政策金利をゼロ近辺に維持し、QE、CE、LTRO、TLTROなど、まさにアルファベットのスープのように多種多様なプログラムを通じて、前例のない規模で「資金を印刷」している。
こうした低金利は、年金基金などの投資家に適切なリターンを生み出すよう大きな圧力をかけ、利回りを求める熱狂的な動きを引き起こした。
この利回り追求は、資金の津波を生み出し、それは多くの新興国や発展途上国の岸にも押し寄せた。

その結果、外国人投資家は現在、これらの国々に4兆ドル超を投じている。例えば2009~14年には、新興国と発展途上国の企業や政府が、2002~07年の5,200億ドルに対し、驚くべき1兆5,000億ドルの対外債券を発行した。これは特定の地域や国だけによるものではなく、広範な傾向である。債券発行の累計額は、国別中央値でGDPの6.7%に相当し、対外債券残高を大幅に押し上げている。
地域別、対外債券残高のGDP比中央値
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特筆すべきことに、この債務のかなりの部分は外貨建てである。
残念ながら、こうした国のすべてが、リスクを抑えるために必要な適切なマクロ経済政策の枠組み、資本市場の厚み、制度的基盤を備えているわけではない。そのため、消防ホースから水を浴びるように資金を受け入れることができない国もある。
安価な外国資金には強い依存性がある。初めは心地よい成長の高揚感をもたらす。通貨は上昇し、株式市場は活況を呈し、企業も政府も安価な債券やその他の資金調達手段に喜んで飛びつく。
その結果、企業や政府のバランスシートは健全に見え、人々はより豊かになったと感じる。銀行は融資を増やす。こうした楽観ムードは、消費と投資の拡大につながる。
投資家は成長見通しへの確信を深め、資金の流入をさらに拡大させる。可能性には限りがないように見える。
もちろん、落とし穴もある。
通貨の価値が上昇すると、国の競争力が低下して輸出が弱まる一方、外国製品への需要が高まる。その結果、経常収支が悪化する可能性がある。さらに、特に資本市場が小さく厚みに欠ける国では、資産評価がすぐに過度な楽観に傾くことがある。銀行は新規融資の際に、次第に審査を甘くする。
その一方で、政策当局者や企業は現状に満足し、痛みを伴う改革を先送りする一方、債務水準は上昇し続ける。
連邦準備制度は最近、金利引き上げに向けて新たな措置を講じた。これが米ドルの大幅な上昇をもたらした理由の一つである。
FRBの行動に関する予想は非常に重要だ。国々が突然、資金供給を断たれるような状況に追い込まれると、投資環境は一変し、経済の債務負担や成長見通しへの懸念が直ちに高まるからだ。債務の満期が短い場合、外貨建て(為替ヘッジなし)の場合、または変動金利の場合には、債務問題は特に深刻になる。
こうした懸念はすぐに自己実現し、好循環を逆回転させる。
すでにドル高が進むなか、資金流入は鈍化し、通貨はさらに下落する。外貨建て債務の負担は重くなり、借り換えも難しくなる。当局は外貨準備を使って通貨下落に対抗するかもしれない。しかし、それは対外債務の返済に使える外貨が減ることも意味する。
外国人投資家が資金を引き揚げると、株式市場は下落し、債券利回りは上昇する。企業や家計はより貧しくなったと感じ、消費と投資を縮小する。
政策当局者は投資家を呼び戻そうと金利を引き上げるかもしれないが、それによって新規融資が滞り、経済が落ち込む。さらに、現地通貨建て債務の負担も重く見え始める。
現在、連邦公開市場委員会が考える将来の金利経路と、先物契約に表れている市場の見通しとの間には、かなり大きな隔たりがある。
フェデラル・ファンド金利の見通し:連邦公開市場委員会と市場
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この不確実性は、政策をめぐる意思疎通の誤りや市場予想の急変を招く余地を生む。2013年、FRBが量的緩和による債券購入プログラムのペースを落とす可能性を示唆した際の「テーパー・タントラム」がその例である。
新興国や発展途上国にとって最も避けたいのは、不安に駆られた外国人投資家の一団が、出口へ走り出す構えで小走りを始めることだ。
この記事はもともと 世界銀行の民間セクター開発ブログ に掲載された。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味しない。
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著者:Erik Feyenは、世界銀行グループの金融・市場グローバル・プラクティスの主任金融エコノミスト。Katie Kibuukaは、世界銀行グループの金融・市場グローバル・プラクティスの金融セクター専門家。
画像:台湾銀行で撮影された、写真イラストに写る米ドル紙幣。REUTERS/Nicky Loh。



