成長と緊縮:複雑な政策ミックス

成長と緊縮:複雑な政策ミックス
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世界経済フォーラムのイスタンブール会合には、 800人を超える経営者、政治家、銀行家が集まり、地域の成功と変革の見通しについて協議しました。参加者には、ウクライナのヴィクトル・ヤヌコビッチ大統領も含まれていました。

ウクライナと国境を接する中東・北アフリカおよびユーラシア地域は、世界で最も急速に成長している地域の一つです。しかし、近隣のEUの動向をめぐる不透明感が、現在、この地域の経済見通しに暗い影を落とす可能性があります。現時点の経済的不確実性は、ユーロの将来、そして通貨同盟からいずれかの国が離脱した場合に欧州の銀行システムと経済成長に及ぼしうる影響をめぐるものです。

ブルームバーグが放映したパネルディスカッションでは、聴衆は悲観的で、35%がユーロ圏は現在の形では存続できないと答えました。主な懸念の一つは、市場の動きが、EU加盟27カ国によるコンセンサスに基づく民主的な意思決定よりも速く、そのため政策担当者の対応を上回ることが多いという点でした。

フォーラムでは、「グロースターリティ(growthsterity)」という新しい概念も議論されました。この言葉は、成長(growth)と緊縮(austerity)という二つの単語を組み合わせたものです。「グロースターリティ」は、ギリシャとユーロ圏を立て直すために必要な政策ミックスを要約する言葉として使われました。実際には、政府債務を減らす厳しい財政政策と、成長を促す政策を組み合わせる必要があるということです。これは難しい課題であり、いまや欧州の政策論争の中心、とりわけEUで最大かつ最も影響力のある2カ国であるドイツとフランスの政策協議の中心となっています。

では、ユーロ圏の不確実性は域外の国々にどのような影響を及ぼすのでしょうか。たとえばウクライナは非常に開放的な経済で、EUやユーロ圏諸国との貿易が大きな割合を占めています。これらの国々の成長が低迷し続ければ、ウクライナ産の財・サービスへの輸出需要が弱まり、成長が鈍化しかねず、ウクライナにも影響が及びます。

フォーラムで明らかになったのは、EUおよびユーロ圏諸国では緊縮の限界に達しつつあり、政府債務を減らすと同時に企業の成長を促す政策を、的を絞って講じるべき時が来ているということです。欧州が景気後退から脱するには、企業活動、そして雇用と税収の創出、もちろん成長に焦点を当てなければなりません。そのためには、企業の拡大と投資に資金を供給できるよう、域内の銀行部門の流動性を解放する問題にも取り組む必要があります。EUが「グロースターリティ」という複雑な離れ業を成し遂げれば、ウクライナのような国々を含む近隣諸国もまた恩恵を受けることになるでしょう。

ジョック・メンドーサ=ウィルソン氏は、System Capital Managementの国際・投資家向け広報担当ディレクターであり、2012年中東・北アフリカ・ユーラシア世界経済フォーラムの参加者です。

写真:ブリュッセルの欧州議会前にある欧州統合の像の後ろで、ギリシャ国旗がはためいている。REUTERS/Francois Lenoir。

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