世界は、かつてない変化の時代を迎えています。各国や国際機関が世界の舞台に目を向け、将来においてどのような役割を果たしたいのかを改めて考える時代です。このような状況を前に、私たちは問いかけなければなりません。20世紀を定義したのがグローバリゼーションだとすれば、21世紀を定義するものは何でしょうか。
アジアで過去数十年にわたり最も顕著だった特徴の一つは、高成長が持続してきたことです。アジア諸国の大半は開放的で、貿易や国境を越えた投資において、活発な地域協力が進んでいます。金融統合の面では、アジア諸国は依然として欧州諸国に後れを取っていますが、近年はアジア全域の連結性を高める投資の勢いが増しています。
しかし現実には、貿易と世界経済の統合は大きな理由から後退を余儀なくされています。それは、恩恵が共有されていないこと、そして高所得国と低所得国の間で明白な二極化が進んでいることです。高所得国の中でさえ、持てる者と持たざる者の間には極端な格差があります。
格差を埋める
私の考えでは、より良いグローバル・ガバナンスがこの不均衡に対処する鍵です。これは、国の内部においても特に重要であり、むしろそれ以上に重要かもしれません。地域の連結性を促進するには、多くの発展途上国の政府が国内政策を改善し、民間投資の参入障壁を引き下げる必要があります。こうした障壁に対処しなければ、民間資本の参加が制限され、それらの国々の経済・社会面の成果に悪影響を及ぼすことになります。
地域協力と国境を越えた連結性の重要性を強調し、関係者全員にとって経済的機会が明確で、公平なものとなるようにする必要があります。21世紀を定義するものは、改善されたグローバル・ガバナンスのもとで恩恵を共有することだと思われます。極めて重要なのは、21世紀版のグローバリゼーション、すなわち国際主義を現代に合わせて更新した形です。
持続可能な成長
アジアインフラ投資銀行(AIIB)は、このような背景のもと、加盟国が直面する課題に一定程度対処するために設立されました。同銀行には、インフラやその他の生産部門への投資を通じて、持続可能な経済成長と発展を促進するとともに、地域の連結性と協力を推進する使命があります。
アジアインフラ投資銀行、世界銀行、アジア開発銀行などの多国間開発銀行は、分野横断および国境横断の視点の重要性を認識した、包括的な開発アプローチを推進すべきだと私は考えます。
そしてこの視点から、電力、交通、都市インフラのいずれに投資する場合も、すべてのプロジェクトで環境保護とのバランスを取りながら、経済面の成果を高めなければなりません。このテーマを、今年カンボジアで開催されるASEANに関する世界経済フォーラムで共同議長として提唱していきます。
しかし、新たなインフラやその他の部門への投資という使命を進めるにあたり、これらのプロジェクトは慎重な検討のもとで準備し、実施することが不可欠です。国際主義を成功させるには、すべての投資に持続可能性の視点を適用しなければなりません。
共有価値にはさまざまな形があります。顧客国でインフラプロジェクトを実施する地域の生息環境と生物多様性を守ることで気候変動に対処することは、私たち共通の目標にかなうものです。すべての人のための開発と環境保護との適切なバランスを取ることは、どの国も取り残さないことを目指す、私たちが構想する新たな国際主義の核心です。



