工業化はもはや繁栄への確実な道ではない。その理由とは

Employees work inside a LCD factory in Wuhan, Hubei province, May 8, 2013. Chinese flat screen makers, once dismissed as second-class players in the global LCD market, are drawing envious looks from big names such as LG Display Co Ltd and Samsung. While the Korean giants were busy developing next-generation organic light emitting diode (OLED) TVs, little-known Chinese companies have started selling a type of display that are sharper than the standard LCD and cheaper than OLED. Picture taken May 8, 2013. REUTERS/China Daily (CHINA - Tags: BUSINESS) CHINA OUT. NO COMMERCIAL OR EDITORIAL SALES IN CHINA - GM1E99H0ERL01
Countries once grew rich through manufacturing - but today there is more than one way to effect structural transformation.Image: REUTERS/China Daily
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貧困から成長を遂げつつある国々を思い浮かべると、おそらく次のような光景が浮かぶでしょう。就業が不十分な労働者が、非効率な農場を離れ、国内市場と輸出市場向けの繊維製品や衣料品を製造する工場へと移っていく姿です。時間の経過とともに、この転換は経済全体の生産性と賃金を引き上げ、同時に各国の生産と輸出の構成は、より高度な財やサービスへと多様化していきます。

過去数十年間、このイメージはおおむね的を射たものでした。韓国はその好例です。1950年代を通じて、同国人口の大きな割合がなお農業部門で働いていました。10年後の製造業輸出品は、そのほとんどが繊維製品、衣料品、履物、かつらでした。それから二世代後の2017年には、韓国は世界第5位の商品輸出国、そして第9位の商品輸入国となっていました。携帯電話や家庭用電子機器が韓国企業によって製造されたものでなかったとしても、それらにはほぼ確実に、韓国製の集積回路が使われています。

バングラデシュからコロンビア、そして中国に至るまで、さまざまな国々が、さまざまな方法と程度で、この道をたどってきました。18世紀後半のイギリスで産業革命が始まって以来、「構造転換」――経済学者が、自給的な労働からより生産性の高い活動へと人や資源を移行させる過程を指す用語――は、労働集約的な製造業から始まってきました。そして1950年代以降、貿易は開発途上国における構造転換の重要な加速要因となり、そうでなければ可能だったよりもはるかに速い成長と貧困削減を可能にしてきました。

競争できる水準

この議論において貿易が重要なのは、ほとんどの開発途上国において、国際的に取引可能な部門は、通常、経済のその他の部分よりもはるかに生産性が高いからです。したがって、取引不可能な活動から、取引可能な財やサービスを扱う企業へと、より多くの人材と資本を移すことは、より良い雇用とより生産的な経済全体につながります。結局のところ、世界市場は小規模な国内市場よりもはるかに大きな需要を提供し、アイデア、投入財、ノウハウの源泉ともなります。一方、国際市場競争の規律は、企業の業務効率に対する継続的な試練として機能します。成功するためには、企業は競争できる水準にある必要があるのです。

1990年代以降、製造業と貿易に新たな展開が現れました。通信技術の向上と、予測可能性の高い開放的な市場が組み合わさり、多国間のサプライチェーンが劇的に拡大したのです。企業は、遠く離れた生産拠点間の業務を、より容易に調整できるようになり、自社製品が目的地市場で受けるアクセス条件についても、ある程度確信を持てるようになりました。これにより、かつては単一の工場内で行われていた活動を、地域をまたぎ、さらには海を越えて分割することが可能になり、生産の各段階を、最高の品質と最良の価格で実施できる場所に配置できるようになりました。

この「バリューチェーン革命」は、企業のコストや消費者の価格を引き下げただけではありません。開発途上国が世界市場に参入するための障壁も引き下げました。国や企業は、完成品を生産する必要がなくなりました。より大きなバリューチェーンの中で部品を生産または加工することにより、国際貿易の恩恵を享受できるようになったのです。

二つの深刻な課題

貿易主導の構造転換は、持続可能な開発目標が思い描くように、各国の経済的可能性を再構築し、極度の貧困を撲滅し、多くの雇用を創出する展望を変えうるものです。しかし今日、それは二つの深刻な課題に直面しています。

第一に、開かれたグローバル経済そのものが脅かされています。数千億ドル規模の取引される商品に対して、新たな貿易制限が課されており、貿易におけるルールに基づく協力という概念そのものが、持続的な政治的攻撃にさらされています。

第二に、ますます高度化する労働節約型の自動化により、製造業は以前ほど多くの労働者を必要としなくなっています。このため、生産拠点を決める要因としての人件費の重要性は低下しています。

衣料品製造のような労働集約型産業においてさえ、事業モデルの変化により、一部の投資が先進経済圏へ「ニアショアリング」されつつあります。例えばファストファッションでは、主要市場との地理的近接性が極めて重要になっています。インスタグラムでドレスが一度話題になると、企業は新たな生産品を速やかに店舗へ届けなければなりませんが、これは南アジアや東アジアの工場からの三週間の輸送期間とは相容れない商業的現実です。

第一の課題への対応は明快です。開かれた貿易の必要性を訴えなければなりません。意欲のある政府は、国内、地域、そして世界全体において市場を開放し続けるため、ルールに基づく協力を強化するよう行動すべきです。

第二の課題には、より繊細な対応が求められます。インドからエチオピア、ナイジェリアからホンジュラスに至る国々にとって、製造業は今後も開発の物語の一部であり続けるでしょう。しかし開発途上国の目標は、今や農業、工業、サービス業のすべてにわたって、より高い付加価値の創出と国際競争力を達成することでなければなりません。

ケニアのアボカド農家が国際的な衛生・安全認証を取得し、海外の小売業者とつながることができれば、販売する一個ごとのアボカドで、農家の手元に入るお金は四倍になりえます。ベナンのパイナップル生産者にとっては、ブランディング、マーケティング、パッケージングの改善に加え、物理的インフラの整備により、未加工の果物を地元市場で売るよりもはるかに収益性の高い、地域および国際的な販売の扉が開かれます。

サービスに関しては、デジタル革命により、プログラミングから会計、法律サービスに至るまで、あらゆるものの国境を越えた取引が可能になりました。しかし、サービス分野における付加価値創出と貿易は、バンガロールのテクノロジーパークやダカールのコールセンターだけの話ではありません。それはラオス人民民主共和国のホテルが地元の農場や旅行代理店との商業的関係を構築することであり、ケニアの難民キャンプにいる若者たちが、Upworkや Fiverrといったフリーランス・プラットフォームを使い、海外の顧客向けにインターネット広告のデザインを手がけることでもあります。

今後開催されるケープタウンでの世界経済フォーラム「アフリカ会議」では、デジタル貿易がサブサハラ・アフリカにおける成長と雇用創出にどれほど貢献しうるかを最大化する方法が検討されます。世界貿易機関(WTO)で進行中の電子商取引に関する協議は、デジタル貿易に関する国際的なルールを確立する見通しをもたらしており、あらゆる規模の企業にとっての予測可能性を高め、取引コストを削減する可能性があります。

成長と貿易の恩恵が社会全体に広く行き渡るようにすることは、開発目標の達成や、成長と持続可能性を支える政策への国民の支持を維持するうえで極めて重要です。効果的な国内の社会政策は、技術や輸入競争による失業から労働者を守るとともに、女性と男性を問わずすべての労働者が経済の完全な担い手となれるよう備えさせる必要があります。あらゆる規模の企業が付加価値を生み出し、国際市場とつながることができるようにするには、供給側への投資が不可欠となります。

世界の市場を閉ざしてしまえば、特に最も必要としている人々や地域にとって、世界中の成長機会が縮小するでしょう。しかし貿易の行方がどうであれ、堅調な製造業部門は今後、経済成長と開発の一要素にすぎなくなります。必要な規模でより良い雇用を生み出すためには、開発途上国は成長戦略を広げる必要があるでしょう。

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