Facebook共同創業者クリス・ヒューズとマーク・ザッカーバーグの会話から学べる交渉術

Chris Hughes, co-founder of Facebook, speaks at the Charles Schwab IMPACT 2010 conference in Boston, Massachusetts October 28, 2010. REUTERS/Adam Hunger (UNITED STATES - Tags: SCI TECH BUSINESS)
Facebook co-founder Chris Hughes recalls a negotiation he had with Mark Zuckerberg in college about FacebookImage: REUTERS/Adam Hunger
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2004年3月の雨の夜、クリス・ヒューズはハーバード大学のルームメートと会話を交わした。それは彼の人生を大きく変えることになる。

そのルームメートはFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグだった。この会話をきっかけに、8年後、ヒューズは5億ドルを手にすることになる。

ヒューズは、ザッカーバーグが寮で始めたプロジェクトの一つを本格的な企業へと成長させた4人の共同創業者の一人だ。サイトの運営に3年間携わったものの、彼は、自分の人生に運が大きな役割を果たしてきたことを受け入れるようになった。

これは、新著『Fair Shot』で掘り下げているテーマであり、Business Insiderのポッドキャスト『Success! How I Did It』のエピソードでも語ってくれた。

34歳のヒューズは、恵まれた環境ながら確かな中流家庭で育ち、思いがけず突然、米国有数の富裕層の一員となった経緯を振り返る。最近になって世界における自分の役割を考え直すようになり、今では低所得で働く米国民に最低所得を保障する制度を提唱している。

米国の貧富の格差がいかに理不尽に見えるか、身をもって知っていると彼は話した。

「しかし、それが今日の経済の仕組みです」と彼は語った。「本で触れたような小さな決断や会話――Facebookの立ち上げから数カ月後、マーク・ザッカーバーグと私が散歩に出て、株式持ち分について話し合ったことのようなもの――が、時に1%の人々とそれ以外を分けるのです。」

その会話があった夜、ヒューズはヒックス・ハウス図書館で時給10ドルの仕事をし、学生証を確認していた。Facebookがハーバード大学以外の学校にも拡大しようとしていた頃、彼とザッカーバーグはAOLインスタント・メッセンジャーでFacebookについて話していた。二人はヒューズの持ち分について、直接会って話し合うことにした。

ヒューズは傘を手に取り、寮の入口でザッカーバーグと落ち合った。傘を一緒に差して散歩に出た。ルームメートに聞かれる心配のない、二人きりの場所で話す必要があったのだ。

「私はいきなり、『会社の10%が欲しい』と言いました」とヒューズは語った。「彼も緊張していたし、私も緊張していた。話し合いに臨む状況としては、あまりよくありませんでした。」

ヒューズはサイトのユーザー体験づくりを手伝っていた。また、共同創業者の中で最も社交性が高いとザッカーバーグに見込まれ、マーケティングや、会社初期のメディア露出の手配にも携わっていた。10%を求めるのは「野心的だが、まったく無理な要求ではない」と考えていた。

ヒューズの著書によると、ザッカーバーグはこう答えた。「君がそこまでの持ち分を得たとは思えない。君のしてくれていることには感謝しているし、サイトが成長するにつれて、もっと多くのことをしてくれると思う。でも、経営権は維持する必要がある。他のメンバーにも公平な持ち分が必要だ。」

ヒューズは黙って考え込み、この会話は友人同士がまた一つのスタートアップについて語り合う以上に重要かもしれないと思った。雨は激しく降りしきり、二人は一本の傘の下、キャンパスを足早に歩いた。

「私はもともと対立を避ける性格だ」とヒューズは書き、自分の要求に思っていたほど自信がないことに気づいた。彼は「自分の役割は補助的で、そのことはわかっていた。要求できる立場にはなかったが、もっと深く関わりたいと強く思っていた」と振り返る。

歩きながらヒューズは自分の貢献を説明したが、ハーバード大学の中央図書館ワイドナーに着く頃には要求を取り下げていた。

「君が公平だと思う額をくれればいい」とザッカーバーグに伝えたことを、ヒューズは覚えている。「皆の持ち分のバランスを取るのが難しいのはわかっているから。」ザッカーバーグは「わかった」とだけ答え、フードもかぶらず雨の中へ歩き去った。

数週間後、ヒューズはザッカーバーグから2%の持ち分を与えられたと知った。それは他の共同創業者たちの持ち分を大きく下回る最低の割合であり、その年の後半にFacebookが再法人化された際、さらに少し減ることになった。

それでもこの持ち分によって、2012年の同社の新規株式公開後、ヒューズは約5億ドルを手にした。だからこそ、あの雨の中の話し合いは「交渉としては目を見張るほどの失敗であると同時に、私の人生で最も成功した会話でもあった」と語った。

彼は最近、この出来事を振り返り、米国社会全体にも当てはめて考えている。「この経済で繰り返し起きているのは、ささいな偶然の出来事が、とてつもなく大きな影響を及ぼすことです。勝者総取り型の仕組みが雪だるま式の効果を生むからです」と彼は話した。

「つまり、大学時代に雨の中で交わした何気ない会話が、こうした大きな影響をもたらすことがあるのです。これは新しい現象です。20代の若者がこうした会社を創業できる時代は、歴史上かつてありませんでした。」

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