2014年8月、インド政府は、インドを知識経済へと変革し、政府サービスの効率を高め、すべての市民が電子的に利用できるようにすることを目指す、野心的な国家プログラム「デジタル・インディア」を承認しました。今後3年間で、同プログラムは、インドの最も遠隔地にある数千の グラム ・パンチャーヤト (村レベルの自治体)を全国光ファイバー網で接続する構想です。対象地域の総人口は8億人を超えます。
このインフラは政府改革を支え、サービスの提供方法を変えるでしょう。また、このプログラムは数千件の新たなIT関連雇用を生み出し、国内の電子機器製造を後押しするとともに、副次的な効果として新たなサービスの登場と電子商取引の拡大につながることも期待されています。
インド電子情報技術局(DeitY)は、この変革アジェンダの策定を支援し、現在その実施を主導する機関です。電子政府担当の共同次官、ラジェンドラ・クマール博士に、デジタル・インディアの詳細、このプログラムが取り組む課題、想定される解決策について話を聞きました。以下でクマール博士の主な回答をご覧ください。また、 インタビュー全文はこちらからダウンロードできます。
インド政府の野心的な取り組みであるデジタル・インディアは、2019年までにデジタル格差を埋め、国内の農村部や恵まれない地域に高速インターネットと政府サービスを届けることを目指しています。デジタル・インディアが取り組む主要な開発課題は何ですか。また、なぜICTへの投資が主な解決策として選ばれたのでしょうか。
インドは大きな情報技術(IT)革命の入り口に立っています。より良い明日のインドのため、豊かな人材と情報通信技術(ICT)を成長の原動力として活用しなければなりません。これは次の言葉に表されています。 IT(インドの人材)+IT(情報技術)=IT(明日のインド)。
情報技術を活用して公共サービスのエコシステム全体を変革するため、インド政府は、インドをデジタルの力を備えた社会と知識経済へと変革するビジョンを掲げ、デジタル・インディア・プログラムを承認しました。その目的を達成するため、同プログラムは次の3つの主要分野を中心に据えています。 すべての市民にとっての公共インフラとしてのデジタル基盤、オンデマンドのガバナンスとサービス、 そして 市民のデジタル能力強化です。
デジタル・インディアは、ICTインフラ、電子機器製造、ソフトウェアサービスと配信プラットフォーム、ITスキルと雇用創出にわたる包括的な能力を構築し、ひいてはデジタルの力を備えた社会と知識経済の創出につなげます。どこからでも、いつでも市民がサービスに容易にアクセスできるようにすることに重点を置いています。デジタル・インディアの主な開発面には、次のようなものがあります。
ビジネスのしやすさを改善し、投資を促進する
IT関連雇用の創出と能力開発
情報技術を活用し、全国で起業を促進する
モバイルバンキング、マイクロATM、公共の窓口を活用して金融包摂を強化する
電子書籍などのデジタルコンテンツを容易に利用できるようにし、識字を促進する
全分野の成長を促すため、サービスの迅速化と情報の普及を図る。例えば、農家にリアルタイム情報を提供して農業の成長を促し、オンライン相談を通じて医療の成長を促すなど。
情報技術を活用し、専門、経済、社会の各分野への女性の参画をさらに進める
この取り組みの規模を踏まえると、目標達成に向けた主な足掛かりや基盤となる要素は何でしょうか。
前述したデジタル・インディアの3つのビジョン分野における主な構成要素は、次のとおりです。
ビジョン分野1、 すべての市民にとっての公共インフラとしてのデジタル基盤には、以下が含まれます。
市民へのサービス提供に不可欠な基盤としての高速インターネットの利用可能性
すべての市民に固有で、生涯にわたり利用でき、オンラインで認証可能な、ゆりかごから墓場までのデジタルID
市民がデジタル空間と金融分野に参加できるようにする携帯電話と銀行口座
コモン・サービス・センターへの容易なアクセス
パブリッククラウド上の共有可能なプライベート空間
安全でセキュアなサイバー空間
ビジョン分野2、 オンデマンドのガバナンスとサービスには、以下が含まれます。
省庁・部門や管轄区域をまたいだシームレスなサービス統合
オンラインおよびモバイルのプラットフォームを通じたリアルタイムのサービス提供
すべての市民の権利・給付を持ち運び可能にし、クラウド上で利用できるようにする
ビジネスのしやすさを高めるためのサービスのデジタル変革
金融取引の電子化とキャッシュレス化
意思決定支援システムと開発に地理情報システム(GIS)を活用する
ビジョン分野3、市民のデジタル能力強化には、以下が含まれます。
普遍的なデジタルリテラシー
誰もが利用できるデジタル資源
インドの言語によるデジタル資源/サービスの提供
参加型ガバナンスのための協働デジタルプラットフォーム
市民が政府の文書/証明書を窓口に出向いて提出する必要がないこと
デジタル・インディアは、成長分野の9つの柱、すなわちブロードバンド・ハイウェイ、モバイル接続の普遍的な利用、公共インターネット・アクセス・プログラム、電子ガバナンス(技術による政府改革)、e-Kranti(サービスの電子配信)、情報の万人への提供、電子機器製造、雇用のためのIT、早期実現プログラムに、必要とされてきた大きな推進力を与えることを目指しています。
この記事は当初、世界銀行の「Information and Communications for Development」に掲載されました。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:ラジェンドラ・クマール博士はインド行政職(I.A.S.)の上級職員で、現在、インド政府電子情報技術局(DeitY)の共同次官(電子政府担当)を務めています。
画像:missmalini.comのブログ編集長、マリニ・アガルワルがムンバイのリビングルームからブログを執筆する様子を写した手元。REUTERS/Vivek Prakash


