カール・ビルト:グローバリゼーションを擁護する

A worker walks in a shipping container area at the Port of Shanghai April 10, 2012. China returned to an export-led trade surplus of $5.35 billion in March, heralding the prospect that a rebound in the global economy is lifting overseas orders just in time to compensate for a slowdown in domestic demand. REUTERS/Aly Song (CHINA - Tags: BUSINESS TRANSPORT) - RTR30JOK
Globalization has been wrongly seen as an underpinning of inequality, says Carl Bildt.Image: REUTERS/Aly Song
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告白すれば、私はグローバリゼーションの恩恵を強く信じている。私にとって、地域、国、人々が徐々に結びついていくことは、現代における最も本質的に前向きな発展である。

しかし今、露骨な経済ナショナリズムと保護主義を掲げて選挙戦を戦ったポピュリストが、米国大統領に就任した。多くの国では、グローバリゼーションによって「敗者」が生まれたという言説や、ポピュリストの不満の高まりを抑える新たな政策が必要だという見方が、公共の議論を支配している。

私が生まれたころ、世界の人口は25億人だった。私の人生のある時期、多くの人々が、飢餓がまもなく蔓延し、富裕層と貧困層の格差はますます広がり、やがてすべてが崩壊すると恐れていたことを、私は鮮明に覚えている。

いまや世界の人口は75億人に達したが、絶対的貧困の中で暮らす人々の割合は急速に低下し、豊かな国と貧しい国の格差も着実に縮まっている。世界全体の平均寿命は48歳から71歳に延び(国による大きな差はあるものの)、1人当たりの所得全体は500%増加した。

過去25年を振り返るだけでも、人類にとって史上最高の四半世紀だったと言えるだろう。1990年以降、発展途上国で極度の貧困に暮らす人々の割合は47%から14%に低下し、重要な指標である子どもの死亡率は半減した。世界はこれまで、このようなことを一度も経験したことがない。

ほかの指標からも、同じように明るい状況が見えてくる。データがある過去の時期と比べて、戦場で命を落とす人は減っている。また、少なくとも数年前までは、ある程度代表性のある政府の下で暮らす人々の割合も徐々に増えていた。

この目覚ましい進歩は、科学技術の発展によって一部がもたらされた。しかし、それと同じくらい、貿易や投資を通じた経済交流の拡大と、こうした前向きな変化を可能にした包括的な自由主義的秩序にも支えられている。つまり、グローバリゼーションは数十年にわたる進歩を支えた、何より重要な原動力だった。

近年、先進国の工場閉鎖や労働者の職の喪失は、しばしば誤って貿易のせいにされる。しかし実際には、古い産業が姿を消している主な原因は、生産性を高め、社会全体の富を拡大してきた新技術にある。同様に、現実のものであれ、そう見えるだけであれ、拡大する不平等は貿易よりも技術に大きく起因している。

確かに、農業従事者は数十年前、あるいは数世紀前ほど多くない。ランカシャーの綿紡績工場、ピッツバーグの製鉄所、デュースブルクの炭鉱は閉鎖され、スウェーデン北部の広大な森林で働く人も大幅に減った。こうした産業で働いていた人々の子どもたちは、いまでは急速に拡大する都市の明かりを目指すことが多く、数十年前にはほとんど想像もできなかった仕事に就いている。

世界の大半の人々にとって、グローバリゼーション以前の暮らしは貧しく、過酷で、短命だった。それでも今日の反グローバリゼーション論者は、懐古趣味を結集の合言葉にしている。彼らはアメリカ、あるいはロシア、あるいはイスラムを「再び偉大に」しようとしている。それぞれが互いに反対して結集しているのかもしれない。しかし、皆がグローバリゼーションに反対している。

2008年の金融危機後の数年間、経済状況が確かに悪化したが、いまやほぼどこでも雇用と経済成長が回復しつつある。インフレ調整後の実質GDPはユーロ圏で15四半期連続して伸びており、欧州連合の全加盟国で今後数年間の成長が見込まれている。一方、米国経済はすでに好調で、失業率は5%を下回り、実質所得も増加している。

もちろん、多くの社会で文化的な不安が高まっていることは否定できない。とりわけ、多くの人々が、移民などの外部要因によって、平和と安定の伝統的な基盤が損なわれていると信じ込まされてきた。部族主義への回帰が何らかの形で手軽な対処法になると説かれている。神話上の彼らの部族は、神話上の過去に偉大だった。ならば、それを再現してみてはどうか、というわけだ。

こうした考え方は、世界で最も脆弱な立場にある人々に深刻な脅威をもたらす。2030年までに世界の極度の貧困をなくすという国連の持続可能な開発目標は、貿易、技術革新、国際協力を通じた経済成長の継続に全面的に依存している。貿易障壁を設け、デジタル重商主義に走り、自由主義的な世界秩序を全般的に弱体化させれば、アフリカやその他の開発の遅れた地域の極貧層に深刻な打撃を与える一方で、ウェストバージニア州の炭鉱労働者を助けることにはならない。

強者はいつの時代も何とかやっていけるが、グローバリゼーションの恩恵を損なう懐古的な保護主義の負担を背負うのは弱者だ。今年、ダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会で、グローバリゼーションの美点を称賛していたのは中国の習近平国家主席だった。その一方で、多くの西側のビジネスリーダーたちは会場を歩き回り、このプロセスで敗者とされる人々を案じているように振る舞っていた。

共産主義者はグローバリゼーションへの信念を保っているが、資本主義者はそれを失ったようだ。これは奇妙であり、過去の実績や現在の事実ともまったく一致しない。わずか数十年前には誰も夢にも思わなかったほど多くの人々に繁栄をもたらしたこのプロセスを、信頼する理由は十分にある。グローバリゼーションを擁護し、反動的な懐古主義に立ち向かうことをためらってはならない。

より明るい未来を実現することはできる。ただし、その未来を過去に求めない場合に限る。

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